朝食はしっかり食べましょう。クスリ?入れてませんよ?
突然ですが朝食はとても大事です。
一日は朝食から始まります。昨今朝食を食べないという人が多いいと聞きます。朝食を食べないということはエネルギーが不足し脳の機能が低下してしまいます。集中力がかけ、それに伴いイライラし勉学や仕事に身が入らない。
朝は食欲がない。朝食を食べるくらいなら少しでも寝ていたい。今までも朝食を食べなくても問題なかった。様々な言い訳を述べてくる方たちがいるが、騙されたと思って朝食を食べてみること始めてほしい。一日二日では効果は実感できないかもしれないが、習慣づける事であなたの健康面を含めて変化に気付けるかもしれません。
「ということなんですよツバサ。それでも今日も朝食を食べないのですか?」
「食べない」
最近わたしには悩みがあります。ツバサが一緒にごはんを食べてくれない。
なので前世で聞いたうろ覚えの知識を説いてみたのたが、残念ながらツバサには効果がなかった。
「メシに何が入っているか分からないからな」
「なにも悪いものは入っていませんよ? ほら、わたしもディフィニアも食べていますが何ともありません」
「うむ。今日のメシも実に美味い。これを食べないヤツは可哀想じゃの」
「アキは自分で治癒魔法使っているかもしれない。知らんがディフィニアはそもそも毒なんか効かないだろ。よって、お前らの言葉は信用できない。また毒が入れられてたら堪らないからな」
毒? 一体なにを言っているんだツバサは?
まさか先日のことを言っているのだろうか。あれは連日の冒険者活動で疲れているであろうツバサの身体を思って、夕食にただの『疲労回復薬』を混入させただけなのに。
それに自身で治せるからと言ってそんな危ないものを自ら食すなんてマネなんてしないぞ。もし盛るとしてもわたしを除いた相手だけだ。
だが流石ツバサだ鋭いな。ディフィニアには毒は効かなかった。
先日の一件で『疲労回復薬』がディフィニアに効果がなかったのは分かった。ではどの程度のモノであれば効くのか検証をした。
検証内容は体調に少々異常をきたす効果の弱いモノから始めていき効果が実証できた段階で、試した効果のなかった各薬剤は分量の変えることにより変化あるのかを調べる。といった実験をした。
まずノルンちゃん手伝ってもらい薬剤の入ったお菓子を作成し、連日被験者のディフィニア食べさせることにした。しかし被験者はわたしが現在作れる最大の効果を発揮しうる薬剤をしても効果がなかった。暫定ではあるが検証の結果ディフィニアに毒は効かないことが分かった。
あまりにも効果がないのでわたしの作り方が悪いのかと思いツバサで試したところ食べた瞬間に昏倒したので常人にはしっかりと効くことは分かった。
そんな出来事がなんどか続き、わたしの前でツバサは食事をとらなくなってしまった。
朝食は抜き、以前であれば昼食は宿で弁当を作ってもらっていたのに、それすらも外で購入するようになるし、夕食は食べて帰ってくる徹底ぶり。
「そのことは謝ったではありませんか。あの程度のことをいつまで根に持っているのですか? 男の子なら度量をみせてください」
「そうじゃぞ。わしなんてアキちゃんからの贈り物であればなんであろうと喜んで全て平らげてみせるぞ」
この魔女、事実すべて食べきったからな。ここ最近ずっと食べさせ続けてたから実験をやめてからも、今日はないのかと言われる。これは純粋に要求しているのか、それとも煽ってきているのだろうか。どちらであれいい素材が手に入ったら再チャレンジするつもりだ。
「度量があるからこの程度で済ませてるんだよ。なんならもう一回ディフィニアの結界いっとくか?」
「それはイヤです!」
「おお? いっちゃう? また『アキちゃん脱出不可能結界』いっちゃうかの!」
「もしまたそれを使ったら、もうディフィニアとは口をきいてあげませんから」
「ツバサはなんてことを言うんじゃ! そんな恐ろしい脅しをか弱い少女にかけるとは、とんだロリコン鬼畜野郎じゃな! けしからんわ!」
「なんなのお前! 手のひら返すの早すぎるだろ! それにそんな子供みたいな脅しに屈すんなよ!」
わたしか弱くないし最強だし。
しかし、あの結界はもうこりごりです。ですがあれを使うのがディフィニアとわかっていれば怖くない。ちょっと脅せばディフィニアなどコロッとこちらに寝返る。この前の時は最初ディフィニアではなく、ツバサの呪術の才能が開花してあんな結界をはれたのかと勘違いしてしまった。冷静に考えればそんな芸当がツバサにできすはずがないのに。
というか呪符の扱いすらままならないとは衝撃的だった。師匠として情けない限りだ。
あれだけ毎日冒険者として活動していたのだ。実戦を通しさぞやレベルアップしていると思ったのに。あの体たらく。弟子を信じていたのに裏切られた気分だった。
そのバカ弟子の手を取り言う。
「わたしを信用できないというならそれで構いません。ですがこの宿でなくとも朝食は食べてから冒険者ギルドにいきなさい。わたしたちが死んだときみたいに、世界はいつ何が起こるか分かりません。何事もしっかりと準備を整えて挑んでください」
「……。ごめん。俺が悪かった。今夜からは一緒に食べるよ」
はて? なんかツバサが悪いとこあったかな? わたしだって毒物入れてくる奴と食事を共にしたくなどない。
けれど冒険者としてのツバサはいつも一人で行動しているので、いざという時に助けくれる人はいない。言った通り何事も万全の状態で挑んでほしいのだ。
そしてなによりわたしが親友と一緒に食べたかった!
「そうだ! 今日は冒険者はおやすみにして、これからおでかけしましょう!」
「なんでだよ! 脈絡なさすぎるだろ!」
「もちろんわしも行くぞ!」
「何言っているのですかディフィニアはお留守番ですよ? さあ! ツバサ行きますよ!」
今日はツバサと遊びたい気分だから、ディフィニアは来なくていいです。わたしたちにおこずかいだけ寄こして部屋に引きこもるなりしておけばいい。
「お、おい! マジでこれから行くのかよ」
「アキちゃん! わしも! わしも一緒にいきたいのじゃー!」
騒ぎ立てるディフィニアは無視して、ツバサの手を引き部屋から連れ出す。
「それで? これからどこに行くんだよ」
「んー? とくに決めていません」
どこに行くかなんて決めていない。自慢じゃないがわたしはバロゼラスで教会と冒険者ギルドとお菓子屋さんしか行ったことがないんだ。ツバサ頼りか適当な目に付いた店に入ればいいと思ってる。
でも、しっかりディフィニアからおこずかいはせしめて来たの軍資金はたっぷりあるぞ。今なら高級レストランのフルコースだって余裕で支払える。
「そうですね。まずはツバサの朝食を食べれるところに行きましょう」
「もう朝食って時間じゃないけどな」
そう。時間はもう朝と呼ぶか昼と呼ぶか微妙な時間帯。
思い立ったらすぐ行動と部屋を飛び出したのだが、ネグリジェのまま出掛けようとしたわたしを慌てて追ってきたディフィニアに捕まってしまった。そこからはお約束でいろいろ着せ替えさせられこんな時間になってしまった。
ちなみに今日のファッションは白色のワンピースに上着を羽織り、髪を下ろしつばの広い帽子被ったスタイルだ。
「ツバサはなにを食べたい気分ですか?」
「んー。なんでもいい。アキの食べたいもんでいいぞ」
「もお。本当にわたしの好きなものでいいんですか? ツバサの朝ご飯は砂糖ましましスイーツになりますが本当にいいんですね?」
「すいません。俺の食べたいもの考えるので少し時間をください」
「よろしい。しっかり考えてください」
わたしは三食スイーツでも一向にかまいませんが、ツバサはあまり甘いものは好きではないですから朝からスイーツは辛いだろう。
「よし。あの場所にしよう」
「決まりましたか?」
「ああ。たぶんそこならアキも喜ぶと思うぞ」
「ほほう。ツバサごときが大きく出ましたね」
「ごときゆーな。まあ、楽しみにしてついてきな」
自信満々に歩き出したツバサについて行く。




