時
初めての方は、先に[逃げ道]→[ガキ]→[思い]→[わかっている、けれど・・・] を読まれた方がわかりやすいと思います。
「う〜わ〜 雨降り出した」
屯所内の稽古用道場に 光来と矢吹、七瀬がいる。
「せっかく、俺らオフなのに」
「気分 下がりますね」
3人は、開けられた扉の外を見ながらグチをこぼす。
振り込む雨
「つめて・・・誰かドア閉めて」
「お前が1番年下だ行け」「矢吹が密偵だ 行け」
「イヤですよ」
「じゃあ 七瀬 やっぱお前だ」
「なんで?」
「1番 髪がつんつんだ」
「光来 泣きボクロがあるのは、お前だ 行け」
「矢吹 ナルシストっぽいぞ 行け」
「光来隊長 男からよくモテてますよ 行ってください」
「七瀬 お前は、7だ1じゃない」
「矢吹 髪が黒い」
「七瀬隊長 見た目チャライです」
「光来 やっぱお前ガキだ」
「七瀬 中身ガキじゃん」「ウソォ 俺 見た目チャラくて中身ガキ?」
光来と矢吹が同時にうなずく。
「マジか・・・どーしよ頑張って直そっかな」
「無理だろ」
「無理ですよ」
「即答ですか2人とも」
「決まりませんね」
「今度は、無視か?」
「じゃーんけーん・・・・・」
道場で眠っている3人
「ん?うっわ 寝てた」
「ふぁ〜あ あれ?」
「矢吹 俺いつ寝た?」
「わかりません 俺もいつの間にか・・・」
七瀬を見る。
「コイツは、起きないわけ?」
「みたいですね」
ザァ――――
「雨 やまねーな」
「時間も進みませんね」
30分くらいしか 経ってない。
「ん〜」
ゆっくり 起き上がる七瀬「おはよー」
「おはよ あれ?ドア誰が閉めたの?」
「そういえば‥‥誰?」
「知りませんよ」
3人が顔を見合わせる。
「ココ通った隊士だよなー」
アハハと笑う3人。
「そうそう 俺 さっき
”時間”って言葉で思い出した」
「何をですか?」
「聞きたい?沖田さんの話」
「聞きてぇ 夕くんの何?」
「1年ぐらい前な‥‥‥」
−1年前−
「雨だ・・・」
タバコの臭い 雨の音 湿気・・・
「最悪ですね 沖田さん」
「ああ?」
「・・・・・・」
「どーでもいいが、話かけんな 俺は、仕事中だ」「俺は、オフです」
「しるかっ」
ザァァ――――
途絶えないタバコの煙り
「最近 量 多くないですか?」
「変わんねーよ」
「いや‥‥多い」
「雨が続いてるからな‥‥‥」
「雨 ですか・・・時間が戻ればいいのに」
「終わった」
トントンと書類を揃える。
「光来」
「なんですか?」
「時は、前に進むだけだぞ」
「わかってますけど、戻ればいいこといっぱいあったじゃないですか」
光来を抱き寄せる。
「戻れば同じこと 繰り返すだけ だけど、進めば新しいことが増える」
「そうですね」
「それに」
押し倒す
「俺といる時間も増える」
−現在−
「と、いうわけ」
「ふーん
時は前に進むだけっていうのは、カッコイイけどその後してることエロいな」
「だろ 俺 カッケーって思ったけど その後、ミゾ蹴って逃げたもん」
「ですよね 俺も逃げますよ 最後がそんなんだったら」
ザァァァ――――
「雨 やまねーな」
「時間は、経ちますけどね」
「俺達のオフがぁぁぁっ」
時は前に進むだけ。
終劇
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