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その壱

こんばんわ、チキンライスです。

この小説は複数の作者が同じ題材(というか題名)を元にして書く、お題小説です。


まぁ、本来ならこの話には本編があるのですが、先に外伝を書くというとんでも発想で書かれています。

ですので、舞台背景や細かい説明は今後書くと思われるファンジー小説『アークシェント戦役』(仮題名)までお待ちを・・・

「ふぁ~~~あ~眠い・・・」

私は思わず大きなあくびをしてしまった。・・・

だって、林の中でいい感じに木漏れ日が射して暖かいんだもの。それに馬車(とは言っても二頭引きの幌無しなんだけどね)で歩く必要もないし・・・次の街までず~とこんな感じならいいのに・・・

あっ、こんにちわ~紹介が遅れました。

私、『シャイア・ローウェル』と言います。種族は土聖族の女の子です。

え?土聖族って何かって?

まぁ、人とは違う種族です。詳しくはまだ出てない本編を参照して下さいね~

「シャイアったら、大きな欠伸して。暇だったら私と代わる?」

横に座っている女性が私に話しかけてきます。思いっきりあくび姿を見られたみたいですね。それに御者は勘弁。左の芦馬は大人しくていいんだけど、右の栗馬はすぐ暴れるんだもん。私には無理。

「え~いいよ~。第一、馬の扱いならアーシェ姉さんの方が上手いじゃん。」

「も~仕方が無いわね。ちゃんと見張りしててね。いくら街道沿いと言っても、盗賊や魔獣の類が出るかも知れないんだから。」

「は~い、しっかり見張りをするであります!!」

私は思わず最近教えてもらった敬礼でピシッとキメて答えちゃいました。アーシェ姉さんがため息を付いたような・・・まぁ、いっか。

そうそう、今のは『アーシェ』姉さんと言います。アーシェ姉さんは私と違って木聖族なんだけど、ものっすっごい美人さんなんです。そして、魔法に関しては一通り何でもこなす秀才さんでもあります。優しくて、賢くて、美人で・・・もう女の私がうっとりするぐらいなんですよ。それに、動物とも会話できるんだからほホント凄いです。

そしてもう一人、馬車の斜め向こうの馬に騎乗している人は『カゲヒコ』さん。このパーティで唯一の人間で男性です。戦闘では最も頼りになる人で、近距離から遠距離と自由自在。すらっとした長身で中々のイケメンです。う~ん、土聖族なら私惚れたかもしれないですね。

と言うわけで、この3人で『訳ありな』旅をしてるところです。まぁ、3人とも目的が違うんだけどね。

そして、行き先は一路港町『アーロン』。

本当は向かう予定じゃなかったんだけど、どうも王様の命令みたいです。詳しいことは私は知らないだけど、1週間前に早馬で二人に使者が着たみたい。まぁ私は珍しい鉱物があるならどこへ行ってもいいんだけど・・・あれ、カゲヒコさんが止まった?もしや・・・

カゲヒコさんが手信号で合図を送ってくる。簡単に訳すと、(アーシェ、強化。シャイア、援護。左の草むら)ということらしい。どうやら盗賊みたいですね。相手は息を潜めて奇襲を掛けてくる様です。というか、存在がばれている時点で奇襲じゃないけどねぇ・・・こういう、カゲヒコさんの人間離れしたところが凄いわ。

私は合図を確認し、後ろの荷台に置いていた『エムナイン』を引っ張り出した。カゲヒコさんに教わった通り、いつでも射撃出来るよう安全装置を『ア』から『レ』に切り替える。さりげなく左を見たが、敵らしきものは見えないけど、心なしか気配が感じられる。

うん、普通に通ってたら完全にアウトだったわ・・・アーシェ姉さんも馬車の歩みを心持緩める。若干、魔力の流れを感じることが出来るから、いつでも魔法を発動できるみたい。

そしてカゲヒコさんが一気に馬から降り抜刀する。反りのある独特の剣。刀だ。カゲヒコさん言うには『野太刀』というらしいけど・・・あまりこの地方では使わない剣だから良く分からないや。

それに合わせてアーシェ姉さんがカゲヒコさんに強化魔法を唱える。風による身体強化みたい。そんな二人を見つつ、私は草むらに向けて『エムナイン』を掃射した。


『タタタタタタタッ・・・』


軽やかな音と共に『エムナイン』から弾丸が発射される。反動で銃口が上に向こうとするけど、きっちり抑えて右から左へと掃射する。これでも私、結構力もちなんだからね。

弾が草むらに当たるたびに向こうから「グェ・・・」とか「ギャァ・・・」とか声がする。うん、気にしない気にしない。私たちを襲おうとしたんだから仕方が無いよ。それなりの覚悟はあったはずだからね。

勿論、カゲヒコさんが突撃したところからも悲鳴と断末魔の声が聞こえる。一通り掃射すると私は、『エムナイン』を馬車に置き、荷台から私の本来の武器の戦斧を取り出す。これがまた大きくて・・・私の身長と変わらないくらいあるの。凄いでしょ。(エッヘン)

でも、それも杞憂に終わったみたい。ほとんどカゲヒコさんが倒したらしくて、ざっと族の人数は15人ほど・・・草むらには5人いたけど、10人は即死で5人は重症みたい。このままほっておいてもいいんだけど(所詮、盗賊だし)、カゲヒコさんは流石に見かねて、介錯したみたい。まぁ、もしかしたら私たちが同じ運命を辿っていたかも知れないから、ね・・・同情は出来ないわ。

「シャイア。埋葬頼む。」

カゲヒコさんが私に向かってそう言った。既に準備が整っているみたいで、盗賊の死体が綺麗に並べられていた。綺麗と言っても並びだけね。銃創の遺体はまだましで、頭が無いのや胴体と脚が離れているものや、もうグロテスクなのが多数だわ・・・とりあえず、精神衛生上に良くないからさっさとしちゃいましょう。私は、体に魔力を込め集中する。今日はちょっといつもの術をアレンジしようかな。頭の中で土をひっくり返すイメージを作り魔力を放出した。

すると、目の前の遺体が一瞬で消えた。

「あれ、シャイア。死体が消えたぞ?」

カゲヒコさんが少し驚く顔を見て、私は少しニヤッとした。

「うん。まぁ、消えたんじゃなくて一瞬で穴を掘って土をかぶしてみたの。」

「なるほど、そんな芸当が・・・それはいつでもできるのか?」

「ん~結構集中しないと駄目だから直ぐと言うのはちょっと・・・どうして?」

「いやなに、それを近づいてきた敵に放てば、一瞬で片が付きそうだと思ってな。」

「もう、カゲヒコさんは相変わらず物騒だなぁ・・・まぁそういう使い方もあるけど、流石に戦闘中には厳しいね。」

そんな感じで私たちは何事も無かったかの様に、街道を進み始めました。

それから暫く進むとほのかな潮の香りが・・・そして、林を抜けると丘に到達すると、そこには大海原と丘の麓にはは大きな港町が・・・港町『アーロン』・・・この国で一番の商業港・・・

遠めから見ても数多くの帆船が見え、活気のある町みたいね。でも、まさかここであんなものを見るとは思ってもいなかったわ・・・

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