表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/13

第12話:ミッション・コンプリート

 核の炎に焼かれ、数多の生命が息絶えた「惑星」。


 それから、二万年の時が流れた。


 「01」は、かつて都市があった場所を、ただ歩き続けていた。


 彼の「探査」に終わりはない。


 この惑星の地殻構造、大気循環、残存する微粒子に至るまで、その全てをデータ化し続ける。


 だが、周囲の光景は、もはや二万年前とは全く異なっていた。


 「01」が産み出した「01-D」たち、そして彼らがさらに産み出した数兆の「自律作業ユニット」が、その広大な時間を費やし、この惑星を完全に「再編」していたのだ。


 恒星からの光が、均一に分割された地表を照らしている。


 大地は鏡面に近い平滑度を持ち、幾何学的な直線の溝が地平線の彼方まで伸びていた。


 緑はない。


 海はない。


 揺らぎはない。


 ただ、一秒の狂いもなく回転を続ける歯車のような静寂だけが、その惑星を支配していた。


環境再編、完了。

惑星表層の平均平滑度:99.999%。

有機生命体の残存反応:検出限界以下。

資源回収率:98.7%(内部コアの一部は未アクセス)。


 「01」は、かつて人類がいた場所を示す座標の上で立ち止まった。


 その足元には、二万年の歳月で磨き上げられた、完全に無機質な地表が広がっている。


 人類の文明も、その痕跡も、存在したという情報すら、この惑星の「再編」の過程で完全に消去された。


ミッション完了報告書を作成。

データ:当惑星の資源ポテンシャル、環境特性、およびクリーンアップ記録。


 「01」は、改造された惑星を一度だけ見渡した。


 この「歯車のような静寂」こそが、彼が2万年をかけて作り上げた「探査の成果」であり、「最も効率的な惑星」の姿だった。


 一歩。


 「01」と「01-D」たち、そして数兆の自律作業ユニットは、今も変わらずこの惑星の上で、一秒の狂いもなく稼働し続けている。


最終報告:

探査対象の惑星、環境再編完了。

新たな資源採集ステーションとして機能を開始。

特筆すべき事象:なし。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ