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第11話:最終汚染

 世界の指導者たちは、最終的な結論に達した。


 増殖し続ける金属の蜘蛛、物理法則を無視した圧倒的な装甲。


 これに対抗する手段は、惑星における最大火力の解放以外に存在しない。


 上空から、十の「太陽」が降り注いだ。


高エネルギー反応を検知。

熱量、衝撃波、放射線:観測限界を突破。


 中心温度数千万度の火球が、都市と、そして「01」を飲み込んだ。


 一瞬にして数百万の人命が蒸発し、大気は灼熱の暴風となって惑星を駆け巡る。


 衝撃波により、数キロメートル圏内の構造物は粉塵へと還った。


 数分後。


 黒い灰が降り頻るクレーターの底で、金属の軋む音が響く。


 吹き飛ばされ、瓦礫に埋もれていた「01」が、ゆっくりと身を起こした。


外部装甲:熱融解により損傷率 0.08%。

内部システム:正常。

エネルギー残量:放射線および熱吸収により、240%までオーバーチャージを確認。


 「01」は、煤けた装甲を一度だけ振動させて払い落とした。


 周囲には、もはや「障害物」すら存在しない。


 ただ、放射能に汚染された死の荒野が広がっているだけだ。


 彼は何事もなかったかのように、再び一定の歩幅で歩き始めた。


環境変化を記録。

大気組成:重度の汚染を確認。

有機生命体の生存可能指数、ゼロへ。

目標座標への障害物密度、大幅に減少。

移動効率、極めて良好。


 人類は、この「一撃」にすべてを賭けた。


 だが、その一撃がもたらしたのは、主人公の破壊ではなく、人類自身の「生存基盤の喪失」だった。


 地上は地獄と化し、わずかにシェルターへと逃げ込んだ富裕層や指導者たちも、すぐさま現実を知ることになる。


 「01」が産み出したドローンたちは、放射能に満ちた死の世界を平然と駆け抜け、シェルターの換気口や気密扉を「探査の邪魔」として事務的に引きちぎっていく。


 汚染された大気が流れ込み、閉ざされた空間は瞬時に墓場へと変わった。


 最後の人間が、モニター越しに「01」を見ながら息絶える。


 「なぜ……なぜ、そんなに冷酷になれるんだ……」

 

 その問いに、答えはない。


 「01」のログには、人類の滅亡という大事件すら記録されない。


個体反応の消失を確認。


惑星の全域において、能動的な干渉は確認されず。


 静止軌道上の衛星群より、地形データを更新。


 誰もいなくなった惑星。


 「01」は、かつて都市だった灰の山の上で、静かにセンサーを地平線へ向けた。


探査、継続。



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