表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役メイドだなんて言われましても困ります  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/72

65



 こんな状況になってしまうのも、全く想像出来なかった訳ではない。

 実際コターだって、フィーを平民だと見下して侮っていた。


 先週末のテスト、そしてその場で合格。

 休日を挟んで今週頭から、すぐに授業補佐……学院側に周知する暇もなかったのは明白で、貴族である生徒達にも寝耳に水だったのだから、受け入れがたい…と言うのは、まぁあり得ない反応ではない。

 貴族としてのプライドから、平民が前に立つのを阻止したいというのは、とてもわかり易い感情だ。


 もしかすると、煙たいケルナーの家…オファーロ家の使用人であるフィーだからこそ、目の敵にしている部分もあるかもしれない。

 特にデービーの場合、個人的にフィ―が気に入らないというのも、大いにありそうだ。


 どうしたものかと、フィーはセルの方へと一瞬視線を向けた。




 なんともはや…セルは薄ら笑いを浮かべていた。


「そう、私の助手の身分が気に入らないと…生徒である君達は言うのだね?」


 セルが口を開いた。

 だが…フィーが引っ掛かったのは、かなりズレた部分である。


(あら…授業中は一人称が変わるんだ。

 普段は『僕』だったと思うけど……ぁ、そう言えば、最初に訓練場で会った時『私』って言ってたかもしれない。

 公的な場面とかでは、一人称を変えているって事なのかもね)


「……それは…」


 リッケ家は、メナジアも言っていたが隣国の魔法士一族で、爵位は侯爵位だったと記憶している。

 隣国の侯爵家ではあるが、伯爵家の令嬢でしかないパミンは、途端に口籠った。

 だが、デービーの方は同じ侯爵家だからか、引き下がるつもりはないらしい。


「そうです!

 なんで栄えある貴族であるわたし達が、平民なんかが前に立つ事を許さないといけないんですか?

 先生は高名な魔法士一族であるリッケ家の方みたいですし、何の問題もないですが、そいつは認められない!!」


 デービーはフィーを指差して言い放った。


 教室内の空気は最悪だ。

 デービーの言葉に賛同して頷いている者も、かなりな数いるようだ。

 その様子に、生徒側の席に着いていたケルナーが、不愉快そうに見回した後、ゆっくりと立ち上がる。

 そして口を開こうとしたのを、セルが手で制した。


「色々な意見があるのだろうが、ここは私に任せて貰えるだろうか?」


 穏やかに微笑むセルだったが、ケルナーにはどう見えているのか……ムッとした表情で黙り込み、席へを再び腰を下ろした。


「では……そうだね。

 正面からぶつかってみる…と言うのはどうだろう?」


 セルの言葉に、デービーは一瞬呆けたように首を傾ける。


「正面からぶつかる…?」

「そう、実力行使だね。

 君…ノクレンダ君だったかな?

 正々堂々、彼女と魔法でやり合ってみては?…と、提案している」


 提案の内容をやっと理解したのか、デービーは黙り込み、だんだんと顔色を悪くしていった。

 後ろ手に捻り上げられ、膝をつかされた場面を思い出したのかもしれない。


 だが、プライドだけは一人前なのだろう。


「い、ぃぃ、いいでしょう!!!

 わたしが、その女を二度と立ち上がれない程に、打ちのめしてやりますよッ!!」


 体術ではフィーに適わなかったデービーだが、平民であるフィーに魔法で劣るとは微塵も考えていない。

 その為、片頬を引き攣らせながらも、デービーはきっぱりと言い切った。

 セルはそんな彼に、酷薄な笑みを一度向ける。それから穏やかな表情に切り替え、フィーの方へ向き直った。


「フィー…勝手に話を進めて申し訳ない。

 けれど、どうだろう…?

 正面切ってやりあう…で構わないかな?」


 少し眉尻をさげて問うセルに、フィーは満面の笑みを向けた。


「はい。

 全力で()り合って見せましょう」


 フィーの笑みに何かを感じたのか、セルはヒクリと顔を引き攣らせた。


「……ぁ~…ほどほどに…ね」

「いえ、慈悲など不要。

 完膚なきまでに()り合って御覧に入れます」

「……ぁ~…ぅん」


 フィーとセルの遣り取りに、ケルナーが(いき)り立つ。


「ちょ、フィーって言った!?

 名前呼び捨てにしてた!!??

 くそ…セブ・リッケ……許すまじ…」







ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。


リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。


ブックマークやリアクション等々も、頂けましたらとても励みになりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

ブックマークや評価等々くださった皆様には、本当に本当に感謝です。


誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ