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授業予定表……芙美子として生きた時は時間割と言ったか…フィーはそれを見た事がないので、初授業は3年だと言う事しか知らなかったが、道すがらセルに訊ねてみる。
すると、幸か不幸か…エネオット達の3年1組ではなく、3年S組だとわかった。
だが……3年S組と言うと、生徒が2人しかいなかった記憶がある。
魔法の授業は、やはり対戦も必要になるし、訓練場以外にも野外訓練やキャンプもあったはず。
訓練はまだしも、キャンプ…所謂お泊り授業となると、2名では些か不安が残るのではないだろうか…。
セルにその旨を確認すると、やはりセルも学院長に問うていたらしい。
「考えておくとは言われたんだけどね。
今日に至るまでに、結果は聞かされていないんだよ。
此方としても準備等もある事だし、合同になるならなるで、早めに教えて欲しい…とは何度も言ったのだけど…」
これはこれで、不安にしかならない話である。
もし合流相手が1組なら、エネオット達と顔を合わせる事になるだろう。
とは言え、まだ教室に着いてもいないのに、不安に思っても仕方ない。
S組の教室が見えてきた。
タイミングよくチャイムが鳴る。
(そう言えばこのチャイムの音……。
前世の学校のチャイムそのまんまなのよね。
異世界なのに同じなのは、日本人が作ったゲームだから…なんでしょうね、きっと。
何しろ教室の扉も、出入り口なんかとは違って引き戸だし)
既にチャイムが鳴ったので、廊下には生徒の姿はない。
セルに続いて教室の引き戸を抜けると、一番に目に入ったのは黒板。
(黒板なんだ……そうなんだ……。
日本の授業風景そのまんまかぁ…)
そんな感想を抱きながら視界の端に注意を向ければ……。
(うん、やっぱり…そうなるわよねぇ…)
S組に在籍している生徒は、女子2名。
一人は名前をマイナ・ニーゲロ。
ニーゲロ伯爵家の令嬢だ。
もう一人はウィニカ・ケヌクゾ。
ケヌクゾ伯爵家の令嬢で、攻略対象であるデービーの婚約者だったと記憶している。
簡単にではあるが一応調べてある。
ウィニカの方は見た目は大人しい令嬢に見えるが、そこそこ気が強く、本人はデービーとの婚約破棄を希望しているとの事。
しかしながらデービーの家…ノクレンダ家は侯爵家……伯爵家であるケヌクゾ家の方からは、言い出し難いというのもありがちな話で、現在も残念な事に彼女の願いは叶ってはいない。
マイナの方はウィニカの幼馴染だそうだ。
『ザ・悪役令嬢』と言った感じの、縦ロールに整えた暗朱色の髪が印象的な令嬢だが、性質は至って大人しいらしい。
で……その二人だと思っていたが…案の定と言うか……視界の端に見える生徒は2名だけではない。
フィーは密かに溜息を吐いた。
ケルナーの姿が見える。
彼は何故かニコニコとフィーを見ていたかと思えば、セルを見た途端に目を吊り上げたりして、一人で百面相をしている……一度医師を呼んだ方が良いかもしれない。
デービーはムッとした表情で、腕組みをして踏ん反り返って席についている。
他の1組の生徒も席についているが、フィーはそこで引っ掛かった事がある。
エネオットが居ない。
そう言えば…と、フィーは考え込んだ。
(あの投げ飛ばし事件以降、エネオットの姿を見ていないかも……。
あの後も王宮へお嬢様の妃教育に付き添っているけど、王宮でも見ていないわ…。ネルローネ王女殿下も何も言ってなかったと思うけど……。
まさか二度と歩けなくなったとか言わないでしょうね…いやいや、流石にそれなら王家の方から何か言ってくると思うんだけど…。
ここ最近はナホミさんの事を調べたりとか、テスト準備だとかでバタバタしてたし、エネオットの事はすっかり飛んでいたわ。
……………………。
言い訳にもならないわね…フィー、しっかりしなさい。
お嬢様を守るって決めたでしょう?
敵の一人…しかも最大級の敵の事が抜け落ちるなんて、とんでもない失態よ)
自らのやらかしに、重く嘆息したフィーだったが、それにしては人数が多いと、視線を動かしてみた結果……固まってしまう。
S組の2名に1組の面々……そこまでは、出来れば避けたいなぁなんて思ってはいたが、仕方ないと諦める事は出来た。
想定内だったからだ。
しかし………。
(聞いてないわよ?
なんで2組の生徒まで居るの?)
チラリとセルの方を窺い見れば、彼も微かに顔を引き攣らせていた。
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