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悪役メイドだなんて言われましても困ります  作者:


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 魔具の価値はピンキリだが、警備に使用できるような魔具は、総じて高価だ。

 その為複写用の魔具は、『いつか必要になるかもしれない』と言う、転生あるあるの機転で、フィーが前もって公爵家で借り受けていた。

 それを差し出す。


 すると一瞬目を丸くしたザザカンだったが、ニヤリと笑って差し出した手を魔具毎、ぐいっと押し返してきた。


「用意周到過ぎて笑いしか出ないが、複写用の魔具はこっちで用意するから、それは別の機会に取っておくと良い。

 持ち込み魔具だと、後から捏造だ何だって騒ぐ連中も出てくるだろうしな。

 学院所有の記録魔具なら、難癖のつけようがないだろう」


 用意周到なのは、フィーより警備隊の方だろう。

 もしかすると、以前にも似たような件があったのかもしれない……つくづく問題の多い学院…いや、教職員だ。


 その場で複写をお願いする。

 『後で』と、一旦この場を離れる事は避けたかった。

 ここまできてザザカンを、欠片も信用しない…と言う訳ではないが、人間は笑って嘘のつける存在だ。

 警戒して、しすぎると言う事はないだろう。


 その願いもあっさり聞き入れられ、警備魔具に記録された映像のコピーを手に入れた。

 そしてザザカンと複写してくれた警備兵の魔力印を刻んでもらう。


 ザザカンは流石、『元』とつくとしても侯爵家の後継だった人物と言うだけあって慣れているようだし、もう一人も警備兵も魔力はそれなりにあるようで、魔力印を付与…刻み込む事には何の問題もない様だ。

 その場でささっと付与してくれる。

 学院長の魔力印は、直ぐと言う訳にはいかないが、これで隙は最小限に出来ただろう。


 フィーは丁寧に礼を言って、複製魔具を手に詰所を後にした。






 今日は魔法授業の初日。

 栄えある最初の生徒は3年生だ。


 3年にはエネオット、デービー、ケルナーが在籍している。

 更に言うならエネオットが居る為に、既に学院を卒業して騎士見習となっているチェポンとも、顔を合わせるかもしれない。

 とは言え、これまでにかなり脅す結果となってしまったし、絡んでくる可能性は低いだろう。


 ……別にフィーが進んで脅しをかけた訳ではない…あくまで成り行きだっただけだ。



 まずはセルの執務室へ向かう。

 先日のドレス一式を返却しなければならない。

 本音を言わせて貰えるなら、折角の推しからの贈り物を返却するのはとても心苦しいし、滅茶苦茶惜しい。


 しかし……周囲の反応を(かんが)みると、フィーが所持しているのはあまり宜しくなさそうだ。

 それにフィー自身が舞い上がってしまいそうなのも事実。

 返却した方が、全方向丸く収まると思われた。 


 執務室に入ると、その旨を直ぐに話す。

 しかし……。


 ……結果はあえなく撃沈だ。


 セルから『詫びも兼ねている』『報酬とは別口』と言われ、最後には悲しげな憂い顔まで追加のダメ押しをされれば、フィーの方が引き下がらざるを得なかった。

 推しに弱いのはフィー……この場合芙美子(ふみこ)になるか…彼女に限った話ではないだろう。


 『意味合い』は追及していない。

 彼自身が詫びだと言っているのだ。

 何より、超絶美形なセルが、悪役顔のフィーに…なんて恐れ多過ぎて、考えるだけでも烏滸(おこ)がましいというものである。


 ドレス云々の話はそれで終わりとなり、気付けば授業開始時間が迫っていた。


「そろそろ時間だね。

 今日は顔合わせだけになるかもしれないけど、行くとしようか」

「はい」




 1階に学院長であるカザロの部屋があり、2階にセルの執務室がある建物は『職員棟』と呼ばれているそうだ。

 そこから然程(さほど)遠くない場所に学生達の校舎がある。


 ちなみにフィーが好んで出入りしていた書庫は、職員棟と渡り廊下で繋がった別棟だ。

 書庫と言う場所は、実は出入りする人員が制限された場所であった。

 それと言うのも、新しく購入した、高価な本や希少な本を写す事が主目的の場所で、書庫で写本された物が生徒や教職員が使う図書室に並べられる。

 原本は書庫で管理保管となり、本来は厳重な場所だったのだ。


 だが、情報収集の一環で偶々(たまたま)スミナと話していたフィーを、管理者であるモスリンが気に入り、出入り可能になっただけの事。

 考えれば、この初手が幸運だったと言わざるを得ない。








ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。


リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。


ブックマークやリアクション等々も、頂けましたらとても励みになりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

ブックマークや評価等々くださった皆様には、本当に本当に感謝です。


誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

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