表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役メイドだなんて言われましても困ります  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/72

42 狭間の物語 ◇◇◇ エネオット、爆発する。そして…



 馬車を降りて自室に向かうが、途中で立ち止まって考え込む。

 そして自身を見下ろした。

 土埃はデービーが粗方払ってくれていたが、所々縫い目のほつれが見える。


 エネオットは舌打ちすると、行先を自室から父の執務室に変更する事にした。

 この惨状を見せつけて、まず父親に抗議するのだ。




 足取りも荒く奥へと進み、執務室の扉脇に立つ護衛騎士を無視して、扉を開けようと手を伸ばす。


「殿下、お待ちを」

「お前の指図は受けん」

「入室許可が出るまでお待ちください」

「煩い!

 俺は王子だぞ!!」

「ですが…」


 扉前で押し問答になっていると、流石に聞きつけたのか扉が薄く開いて、父親である王の執務補佐官が顔を覗かせた。

 執務補佐官は騎士とエネオットを順番に見て、状況を把握したようだ。


「少しお待ちを」


 そう言うや、薄く開かれた扉は再び閉じられた。


「ま、待て!!」

「殿下!」


 暫く憮然としたまま扉前で待っていると、扉が大きく開かれた。

 開いたのはさっきの執務補佐官で、許可を得てきたらしい。


「どうぞ」


 エネオットは困ったような顔をしている騎士達と、無表情な執務補佐官にふんと鼻を鳴らしてから足を踏み出した。

 室内に入ると、背後で扉が閉められる。

 あの補佐官はてっきりついてくると思っていたのだが、こないのなら好都合だ。

 更に奥へ進んで続きの部屋に入ると、大きな机に座っていた父親が丁度ペンを置いている。


「おお、エネオット、どうしたんだ?

 まだ学院が終わる時間ではないと思うが…」


 暢気な物言いに、エネオットはプチっとキレた。


「はぁぁ!!??

 どうしたもこうしたもないですよッ!!!

 なんだってあんな許可をだしたんですか!!??」

「ほへ?」


 さっぱりわからんとでも言うように、ぽやんとクーノ・ボーカイネンは首を捻っている。


「この姿を見てもわからないんですか!?

 俺は投げ飛ばされたんです!!

 父上達がメイドなんて下賤な輩に、あんな許可を出すからこんな目に遭ったんですよ!!」

「ぅえ、ぁ……ぁぁ、えぇぇ…。

 ほんとに投げられちゃったの……?」

「この悲惨な姿を見て、よくそんな言い方が出来ますね!!」


 エネオットは怒りのまま両手を広げ、ちょっと悲しい見た目になった制服を見せつけた。


「ぉ、ぉぉぅ……」


 たじたじになったクーノに、エネオットは尚も食って掛かる。


「とっととあんな許可は撤回してください!!

 父親の癖に、次期国王たる俺を守ろうとか思わないんですか!!??」


 執務机をダンと叩いて更に怒りをぶつけようとするが、背後からの声に思わず言葉を飲み込んだ。


「……まぁ」


 キッと声の発生源を振り返って睨み付ける。

 しかし相手が悪かった。


「なんて情けない恰好でしょう」


 母親であるヨリアンナ・ボーカイネンが口元を扇で隠しながら、エネオットを半眼で睥睨(へいげい)した。


「は、母上…」

「どうせ貴方が絡みに行ったのでしょう?

 そう言う事をする可能性があったから許可しただけの事。

 投げられるのが嫌なのであれば、大人しくして居れば良いでしょう」


 呆れたように言われ、エネオットはグッと唇を引き結んだ。

 そんなエネオットにヨリアンナは扇を閉じて突きつけ、更に追い打ちをかける。


「何度言えばわかるの?

 オファーロ公爵令嬢を婚約者として尊重しなさいと、ずっと言い続けてきたわよね?

 幼い頃は出来てたのに、どうしてこんなのになっちゃったのかしら……はぁ…」


 ヨリアンナは蟀谷(こめかみ)をグリグリと揉んだ。


「俺に相応しくないんだから仕方ないでしょう!!??

 もっと俺を立ててくれるような、可愛げのある女の方が好きなんですよ!!」

「エネオット……貴方ねぇ…。

 立てて欲しいのなら、それに見合う行動をなさい!

 第一この婚約は王家の方から頼み込んで成った「え!?」ものな……え?」


 エネオットだけでなく、ヨリアンナもクーノも動きが止まる。


「王家から頼み込んだ…?」


 呆然と呟くエネオットに、ヨリアンナとクーノは驚愕の表情で互いを見合った。








ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。


リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。


ブックマークやリアクション等々も、頂けましたらとても励みになりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

ブックマークや評価等々くださった皆様には、本当に本当に感謝です。


誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ