表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役メイドだなんて言われましても困ります  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/68

37



 だがメイド少年が攻撃に転じる事はなかった。

 間髪入れずにセルが魔法でメイド少年を拘束した結果、彼……いや、彼女と言うべきなのだろうか…わからないが、体勢を崩し床に転がってしまう。


「相変わらず血の気が多いね」


 セルがげんなりと言う。


「ちょ!

 放せって!

 だってそいつ、俺と目が合ったんだ! おかしいだろ!!??」


 口は拘束されていなかったので、メイド少年は転がりながらも元気に喚いた。

 隣に立っていた事務服青年が仕方ないと言いたげに、抱え上げて立たせてやってから口を開く。


「まぁ、一言欲しかったのは確かですね。

 急に呼び出されて何事だと来てみれば、見知らぬ女性が室内に居るのですから、そりゃ警戒もすると言うものです」

「僕が室内にいる事を許可していたんだから、問題ない相手だとすぐわかると思うのだけどね」


 肩を竦めながら、セルはメイド少年の拘束を解いた。

 ムッと口を曲げながら頬を膨らませる少年は、一瞬性別を忘れそうになる程可愛らしい。

 違和感が仕事をしなくなりそうだ。


「で?

 何者なんだよ…俺は幻影魔法を解いてないんだぞ。

 なのにさぁ、なんでそいつは俺の顔をしっかり見てくるんだ?」


 なるほど…と、フィーはやっと理解した。

 どうやらメイド少年もセル同様に、違った姿で見えているのが普通だったようだ。

 セルが困ったように微笑んでから立ち上がり、机を回って事務員……どうにもそうじゃない感があるのは確かだが、今はそう呼ぶしかないだろう…と男の娘メイドの方へ歩いて行く。


「とりあえず中に入って扉を閉めてくれる?」


 事務員の方が『あぁ』と頷くと、二人共室内に入り扉を閉めた。

 それを確認してセルが話し出す。


「じゃあまず紹介から。

 そっちの彼から…名はシャフ。

 主に事務系の補佐をしてくれている。

 学院が雇用している訳ではなく、あくまで僕の補佐官なんだけど、学院職員の制服を着るように言われてね」

「シャフです。

 見た所メイドのようですが……」


 シャフと紹介された事務員は、フィーを見ながら首を傾げている。


「彼女の事は後でちゃんと話すよ。

 それでこのメイドの方だけど、考えるより先に身体が動いてしまうらしくてね…何度も注意はしてるんだけど、なかなか…。

 名はルル。

 シャフと同じく僕が雇用……とでも言えば良いのかな。

 まぁ学院の職員ではないよ」


 ルルと紹介されたメイドは、フィーをムスっと見つめた。


「幻影は見破られてるみたいだから言うけど、これ、俺の趣味じゃないから!」


 ルルはメイド服を摘まんで憮然と言い放つ。

 だがその顔は頬に薄っすらと朱が入り、恥ずかしいのだろうと言う事が見て取れる。


「てか、俺の幻影見破る奴がいたなんて……。

 あんまり程度は高くない学院だと思ってたのになぁ…ちょっと注意しないとダメか」

「ルルの幻影は、セルからもお墨付きでしたからねぇ」

「なんか悔しい…」


 シャフがルルの頭をヨシヨシと撫でている。


「じゃあ次は彼女かな。

 名はフィー。この国のオファーロ公爵家のメイドなんだけど、僕の助手を務めて貰う事になったから」


 シャフとルルが目を真ん丸にしている。


「「は?」」


 見事なシンクロで結構な事だが、フィーが挨拶をする隙が無い。


「いやいや、待てって……助手は探してたからわかるけど、だからってなんで他家のメイド?

 学院雇用って条件で探してるんじゃなかったのか?

 この場合、契約はどうなるんだよ…」


 ルルが疑問符を飛ばしながら、セルに問いかける。


「契約としては学院をすっ飛ばして僕と直接になるね。

 まぁそれはともかくとして、彼女を採用した理由なんだけど。

 まず第一に、僕の幻影も彼女には効果がなかったか「「えええぇ!!??」」ら」


 セルの言葉を遮る様に、シャフとルルの驚愕の声が被さった。


「嘘でしょう?

 セルの幻影を見破った者なんて、これまでただの一人として居なかったではないですか」

「僕も驚いたよ。でも事実だしね。

 それで第二に、僕の攻撃魔法を回避した」

「「…………………」」


 シャフとルルは言葉も出ないようだ。

 セルは苦笑交じりに肩を竦める。


「最後に、彼女は僕達の探し物の名を知っていた」


 途端に室内は剣呑な空気に支配された。







ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。


リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。


ブックマークやリアクション等々も、頂けましたらとても励みになりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

ブックマークや評価等々くださった皆様には、本当に本当に感謝です。


誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ