表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役メイドだなんて言われましても困ります  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/16

2



 舞台はボーカイネン王国の王立学院。

 季節は春、桜が咲き誇る中での入学式、この日から始まる。


 ヒロインはデフォルトネームが『〇〇』となっていて、設定されていない男爵令嬢。

 デフォルトネームがないと言うのも珍しいが、それはさておき……。

 彼女は入学式に遅刻しそうになり、そこで攻略対象の一人である王子と、その婚約者である公爵令嬢にぶつかってしまう。


 お約束過ぎて欠伸が出るような展開だが、冒頭部分なんてそんなモノだ。決して文句を言ってはいけない。

 そしてぶつかられた二人の反応は対照的で、王子の方は転んでしまった男爵令嬢を案じて駆け寄るが、王子の婚約者である公爵令嬢の方は、男爵令嬢を罵り見下す。

 そんな婚約者に嫌悪を露わにする王子…と言うのが開幕イベントだったのだが、少々お約束から外れる部分があった。


 ヒロインは飛びぬけた才能なんて全くない、ただの男爵家の娘。

 プレイヤーに馴染んで貰いやすい様に…とでも考えたのだろうが、身分も何も関係なく、見事に周囲を振り回す。

 リアルとゲームを混同するなと言われればそれまでだが、少し視点を変えれば、ヒロインはマナーのなっていないお子様だ。


 そんな彼女を、プレイヤーは学院での授業やモンスター討伐で育成していく。パラメータによって淑女だの聖女だのと多少の変化はあるが、最終的にはラスボスを倒して攻略対象との恋愛を成就させる……というのが骨子で、公爵令嬢は恋の障害でスパイスとなる、所謂(いわゆる)悪役令嬢と言う|役所《やくどころ。



 その悪役令嬢こそが、フィーの仕えるアンネッタ・オファーロ公爵令嬢だったのだ。


 昏睡状態に陥って数日後、何とか目を覚ます事は出来たが、全身を(さいな)む痛みは酷く、下手に動こうとすれば呻き声が漏れてしまう。

 動くのを諦め、簡素なベッドに身を預けて目を閉じた。


 そしてフィーは、色々と考えた結果とある決意に至る。




 フィーの意思に関係なく、支度金と言う名目で金銭の授受が行われ、仲の良かった孤児仲間達に別れの言葉も言えないまま、無情に馬車へ放り込まれた。

 せめて一言、それが駄目ならせめて最後に顔だけでも…と、泣いて懇願しても無駄だった。


 頭では分かっていたのだ。

 孤児院経営は苦しく、孤児達だけでなく、世話人達も痩せ細っていて、一刻も早くお金が欲しかったのだと……。

 だから、仕方なかったのだとわかっている。


 だが、感情は付いてこない。

 ほんの少しの挨拶くらい、許可してくれたって良いじゃないか…と、どうしても思ってしまうが、恐らく会わせた結果、フィーがどうしてもいやだと暴れたり、最悪逃亡する等を危惧したのだろう。


 感情は付いてこないが、今更何をどう言った所で無駄なのも事実。

 それに、どう考えても自分は異世界転生と言うか……ゲーム世界転生とか言う奴を、望んでいなかったにも拘らず、果たしてしまったようだった。



 アンネッタ・オファーロと言う名前。

 若草色の、柔らかく波打つ髪。

 整ってはいるが、我儘さを滲ませる顔立ち。

 瞳の色はゲームと違ってピンクではなく水色だったが……。



 悪役令嬢と言う立場を押し付けられた彼女は、最後には断罪される。

 しかし、ゲームを進めながらフィーの前世である芙美子は思った……。


 『これ、アンネッタ…悪くなくね?』と……。


 そう、普通にリアルに置き換えれば、周囲を振り回して迷惑をかけまくっても気にしない、お子様暴君大魔王なヒロインの方が、どう見たって悪い。

 『混ぜるな危険!!』も甚だしい事故案件である。

 それに味方する攻略対象達も、頭のねじが外れているだろう。

 『残念イケメン、ここに極まれり』である。


 育成と言う部分が楽しくて嵌ってしまったが、ヒロイン側のキャラクターには、あまり思い入れを抱く事は出来なかった。


 そんな世界に転生してしまった。


 出来る事は多くはないだろう……しかし折角公爵邸に連れてこられたのだ。

 給金の支給先が倒れるのは宜しくない…非常に宜しくない。

 いや、最悪使用人まで含めた全員が、お(つむ)花盛りな連中に処断されるかもしれない。

 そうなれば最早対岸の火事では済まない。

 更にヒロイン陣営に思い入れはなく、どちらかと言えば悪役令嬢側を哀れに思っていた。


 ならば……精々足掻いてみようではないか。


 芙美子だった時の記憶を生かし、悪役令嬢側に肩入れする。

 そして自分を筆頭に、公爵家側の救済、もしくは回避ルートを模索するのだ。


 あぁ、勿論、公爵邸に到着した早々こんな大怪我を負ってしまった事で、放り出されてしまえば、そんな決意も全くの無駄になるだろうが……。







ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。


リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。


ブックマークやリアクション等々も、頂けましたらとても励みになりますので、どうぞ宜しくお願い致します。


誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ