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結局『偶々』だろうと、場所はそのままに、昼休憩の時間が近付いてくる。
さっきの事もあるので、フィーが四阿に残り、ニミーが教室へ迎えに行く事になった。
そして昼食は、アンネッタとミリリカの笑顔で無事終了。
場所も気に入ったとお墨付きを頂き、フィーもニミーも、初日の大任務を無事果たせた事に安堵した。
これ以降、卒業までお世話になるだろう場所なので、ニミーが2人を教室へ送り届けている間に、隅々まで清掃も済ませておく。
ニミーが戻ってきて、食器等の片付けも終えると、控室に戻るニミーとは別行動をする事にした。
『そう言えば…』と、思い出した事があるのだ。
ヒドインの名も家もわかった。しかしクラスを聞いていない。
S組に居ない事は把握済みだが、クラスも一応確認しておいた方が良いだろう。
午前中に控室に来なかったナホミも、ドニカの教室近くで待機している可能性がある。
通常使用人は教室内に待機する事はないのだが、昨日の今日だ。仕える令嬢の奇行に備えて、専属の使用人が待機している可能性はゼロではない。
もしそうなら、彼女の姿も確認出来るのではないかと期待する。
校舎から離れた場所で遠見と遠聴の魔法を使って確認しようかとも考えたが、遠見や遠聴の魔法が警備の為の障壁魔法に、引っ掛からないとも限らない事に思い至って諦めた。
収納魔法が引っ掛からない事は、予め調べていたのだが、遠見や遠聴の魔法については調べていなかった……不手際である。
仕方ないので校舎に近付き、そっと様子を窺う。
1年の教室が1階に並んでいて助かった。
もし2階以上であれば、飛行魔法を使わなければならなかっただろう……そうなると、断念せざるを得なかったかもしれない。
1組から探り始めるが、結局ヒドインことドニカを見つけたのは一番端……最後の4組だった。
(えーっと……学力最低かぁ、そうかぁ………)
ゲームでは確か丁度中間と言う感じで、可もなく不可もなくだったように思う。
彼女は余程頑張らないといけないのではないだろうか……。
ふと周囲を見回す。
ついでにナホミの姿を確認しておきたい…と、フィーは校舎から離れつつ、周囲を見回した。
(おかしいな…まさか午後は控室に行ったとか?)
そう思って控室に行くが、顔ぶれは午前中と変わりない。
再び控室から離れ、校内を歩く。
探しながら歩いていたせいか、気付けば全く想定外の場所に居た。
訓練場だ。
他学年の時間割まで調べていないが、ひっそりと静まり返っている事から、授業で使用はされていないようだ。
壁際には木剣等の訓練用武器が置かれた棚が見える。恐らく近接訓練場なのだろう。
フィーも公爵家騎士団の訓練に参加させて貰う事があるが、やはり使用する人数の違いだろう。
学院の訓練場は呆れるほど広かった。
不慮の事故等を懸念しての事だろうが、それにしたって広すぎる。
使用人…しかもメイドがあまり立ち入って良い場所ではないだろうが、つい興味を引かれてしまい、訓練武具が置かれた棚に近付く。
木剣を手に取った。
フィーが訓練で使っている物より、長さがある割にかなり軽い。
本当の初心者用なのだろう。
木剣を棚に戻し、再度場内を見回す。
奥の方の壁に、ぽっかりと四角い穴が見えた。
別に訓練による損傷とかではなく、出入り口のようだが、扉がないのだろう。
十分広い訓練場だが、もしや第2訓練場でもあるのだろうか…。
興味を引かれるまま、フィーはその出入り口の穴の方へ足を向けた。
周囲を見回しながら入り口を通ったので、気付くのが遅れる。
通り抜けた瞬間、何かぬるりと神経に障る感触があり、障壁が張られていたのだと気付いた時には、目の前に氷の塊が迫っていた。
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