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「……
…………………
僕達は今は無き『ここく』を探して居るんだ」
(『ここく』……故国? 湖国?? 古国??? それとも古刻?????
故国だと、セル様達は隣国…イボルボン王国の出じゃないって事??
ぃぇ、それ以前に、今は無いと言う事なら亡国と言うのでは……む?
えーっと……何がなんだか…さっぱりワカラナインデスガ……)
思いもしなかった単語の登場に、フィーの脳内は疑問符で埋め尽くされた。
「数百年前…ある国が消失した。
まぁ、数百年前と言われているけれど、実際にはそれよりも前らしい。
僕達はその国の血を受け継いでいる」
フィーは眉根がだんだんと寄っていくのを感じた。
(数百年…それよりも前からの血に縛られてると言うの?
って、そうじゃない…それよりも…。
数百年以上に渡って継承される魔法?
なにそれ……そんな魔法…負担がない訳ないじゃないの……)
「セル様、大丈夫なのですか!?」
咄嗟に言葉が口を突いて出た。
セルの方は目を真ん丸にしてフィーを見つめている。
脈絡がなさ過ぎて、フィーの方がハッとした。
「ぁ、すみません。
その……そんなに長く継承される魔法って……皆さんの身体に異変はないのかと…つい」
「あぁ、心配してくれたんだね…ありがとう。
その事は兎も角、僕達は故郷でもある、その古い国を何とか取り戻そうとした者達の末裔って事」
身体の異変や負担の話には触れたくないと言う事だろうか…セルが話したがらないのであれば、フィーが無理やり聞き出す事も出来ない。
『兎も角…じゃないです!』と、叫びたい気持ちを必死に抑え込もうと、グッと拳を握りしめた。
「そしてその為に『ガヴォッドラーヘン』が必要だと伝えられているんだ」
不用意な言葉を叫ばないよう、唇を引き結んでいたフィーの耳に届いたセルの言葉が、脳裏でカチリと音を立てた。まるでパズルのピースが合わさった時のように。
「…鍵…」
「え?」
「鍵…なんですね?」
確認する様にフィーは繰り返す。
ゲーム内の『ガヴォッドラーヘン』も、遺物で鍵で武器だった。
もう同一の物と断定しても良さそうだ。
だが『辿り着く為の鍵』と言う事は、つまりセル達の故郷は、何らかの封印を受けていると言う事だろうか?
確かにゲームではラスボスに至る為の鍵であった。
(……ちょっと待って…。
それってつまり…セル様達の故郷にラスボスが居るって事?
いやいや……なんだか不穏になってきたんですけど?
結局の所、セル様達こそが、かぼちゃラーメンの正当な継承者って事なのよね?
………つまりよ? セル様達がラスボスと戦わないといけないって事?
待って…その前に……ラスボスのいた場所って……どこだった??)
目紛しく思考を回転させていたが、セルが再び話し出したので、一旦中断する。
「まぁ、そうなる、の…かな。
形状が鍵かどうかはわからないけど、父から聞いた話では武器にもなるとか…。
それがないと皇王国に辿り着けないと聞かされている」
今度はフィーの方が目を丸くした。
「皇……王、国…。
皇王国って、ただの伝説じゃなかったんですか?」
フィーは書庫で写本を手伝っていた。
実を言うと、まだ完遂出来ていないのだが……。
その時担当となったのが、皇王国と言う、最早御伽噺のような国の調査考察。
調査考察と書かれてはいたが、『皇王国』と言うのは、妖精郷や神界と同レベルな扱いが一般的で、本の内容も各地に散らばる伝承を集め、それらを机上考察したものに過ぎなかった。
つまり、現存した国だと言う認識は、今を生きる者達には『ない』のも同然なのである。
そんなフィーに、セルも苦笑する。
「その反応が普通だよ。
あ、小屋が見えてきたね。話は中断して、まずあの小屋から調べようか」
もっとしっかりと話を聞きたいが、調査の方が優先されるのは仕方ない。
その為に休日であるにもかかわらず、学院にやってきたのだから。
「……はい」
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。
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