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本日より投下開始です。
相も変わらず拙いですが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら幸いです<(_ _)>
メイド服に身を包んだフィーは、軽快に走る馬車の車窓から外を眺めてはしゃぐ公爵令嬢アンネッタ・オファーロの横顔を、チラと見てから目を伏せる。
とうとうこの日がやってきた。
ゲームの開始日である今日……ボーカイネン王立学院の入学式。
この日に備えてはきたが、油断は出来ない。
そう、フィーには生まれる前の記憶がある。
元居た孤児院から、金で売られるような形で公爵家に引き取られる事になったフィーは、王都にある公爵邸に着いたその日、先輩メイドとなるユーミ・ヘダーに預けられた。
自身が仕える事になる公爵家の人々への顔合わせは、メイドとしての最低限の教育が済んでからとなったのだが、まずはメイド長への挨拶を…と奥へ案内される途中、想定外の事が起こった。
フィーはユーミに連れられて玄関ホールを横切り、使用人用の私室エリアに向かう途中、正面階段を上がった先から激しく罵り合う声を聞いた。
思わず足を止めて階段上を見上げる。
気付いたユーミに叱責されるが、その時だ。
階段上で少女が、少年に突き飛ばされるのを目撃してしまう。
孤児院から出る時、たった一つだけ持ち出す事を許された、小さくてぼろい鞄を咄嗟に放り投げ、ユーミの制止を振り切ってフィーは駆けた。
階段上から落下してくる……自分より年上そうな少女の身体を受け止め、フィーはそのまま自身の身体を下敷きにして、少女諸共階段から激しく落ちてしまう。
結果的に、少女――公爵家の令嬢であるアンネッタ・オファーロは、ドレスが破れる等はあったが身体は無事だった。
しかし彼女を庇ったフィーは、そうはいかない。
全身を激しく打ち付け、酷い怪我を負ったのは勿論、意識が戻らないまま昏睡状態となってしまった。
意識をなくしたフィーは、ベッドに横たわったまま夢を見ていた。
いや、夢を見ていたと言うのは正確ではない。
フィーはこの世界に生を受ける前の事を、夢の中で思い出していたのだ。
一番はっきりしているのは、フィーとなる前の記憶。
織田 芙美子と言う名の日本人女性だった時の事。
芙美子は大学を出て就職1年目のひよっこ社会人だった。
しかし同期入社した人達が、退職代行なども使って次々と辞めていき、部署の全員が忙しくなってしまった。そして一番の皺寄せは、まだまだひよっこで未熟な芙美子に襲い掛かる。
他にも諸々あって、虚しく過労死に至ってしまった……チ――ン……である。
連日終電は当たり前、酷い時には会社に泊まりとなってしまう事もあった。
そんな日々の中、ホッと息を吐ける時間なんて、コンビニのおにぎりや弁当を摘まんで、スマホを弄っている時くらいだった。
動画にも飽きたし…と手を出したのが乙女ゲームである。
と言っても選択肢でストーリーを追うだけのアドベンチャー系ではなく、しっかりと主人公のパラメータを上げる必要のある育成系。
それに恋愛要素の加わった内容で、スチルが美麗だった事もあり、ついつい嵌ってしまったのが運の尽きだったと思う。
タイトルは『流星の贈り物~恋も乙女の大事なお仕事~』と言う、はっきり言ってしまうと、とても内容の軽そうなゲームに思えたので手を出したのだ。
つまりは…育成系ではなくアドベンチャー系が希望だった。
それはそうだろう。疲れ切っているのに、ガッツリ系なんて言語道断だ。
気分転換になる程度で良かったのだが、タイトル詐欺に引っ掛かってしまった。
いや、この場合ゲームが悪い訳ではない。
芙美子の自業自得だ。
結果、ただでさえ少ない睡眠時間が削られ、見事此岸と彼岸の狭間にある川を渡ってしまったと言う訳だ。
自業自得過ぎて、苦い笑いしか出てこない。
話はズレてしまったが、その『流星の贈り物~恋も乙女の大事なお仕事~』と言うゲームが問題だった。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。
リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。
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誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>




