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Project:Heart Sings ープロジェクト・ハートシングスー  作者: 翔峰 リアン


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第三話 さやの戦い

閲覧ありがとうございます。

ここからさやの初陣です。どんな戦いが待っているのか。

お楽しみください。

【第三話 さやの戦い】


 リオとジンが異変を察知して、妖精界へとまたやってきた。いつもの部屋でマスターは窓の外の様子を見ている。マスターの視線の先にはゴーストが2体いた。ゴースト同士の距離は少し離れている。それが救いだろうか。ゴーストたちはノイズを取り込もうと追いかけまわしている。小さいノイズたちは捕まらないように逃げ惑っていた。無数の小さいノイズたちが取り込まれるのも時間の問題だった。急いで、ゴーストを鎮静する必要がある。さやの初陣が、まさかの2体で、莉奈も内心焦っていた。だが、行くしかないと思って、さやを呼んだ。

 さやは初めてゴーストの姿を見てこの世界で初めて不安を抱えた。


「さや、初めてだからわからないと思うけど、行くよ!いい?」

「、、、うん、、、いい、、、行こう!」


 マスターとの協議の結果、今回の鎮静の方法は2人で1体を集中的に鎮静する事にした。別れて鎮静するには不慣れなさやにとって、責任が重いだろうとの判断だった。マスターはこの部屋でサポート役に徹する。そして、莉奈とリオ、さやとジンは転移装置に移動し、外界へと転移した。

外界に転移すると近くにいるゴーストから逃げ惑うノイズたちは逃げた先にいるもう一体のゴーストに取り込まれそうになっている。この場面では、早めに1体目を鎮静するしかなかった。さやはゴーストの存在に怖さで体が硬直してしまっていた。莉奈もまた、前回のゴースト鎮静化の時を思い出していた。ハートプロジェクションで核を鎮静した時の事を。ゴーストから流れてくる苦しみを耐えるには精神的にも辛かった。不安を抱えながらも、莉奈はリオを呼び、戦闘態勢へ移る。


「さーや、ジンを呼んで!今回はみんなで協力しないと!2体目を鎮静できない!」

「・・・・うん、、、わかった。」

『莉奈、さや、聞こえるか?今から大事なことをいうからな!ハートプロジェクションは合わさる特質によって進化する。莉奈の観測で心の痛みを見抜き、さやの鎮静でその痛みを受け流す役割がある。きっと、2人なら力を合わせて、立ち向かえるはずだ。頼む。』


 さやは怖かった。だけど、誰かを助けたい思いはずっと持っていた。アイドルになったのだってそう。ファンの子の生きる道に光を与えたいと思い、始めた。今やっていることは、直接的に人を助けることが出来る。さやは心が決まった。

 

 まず、飛び出したのは莉奈の分身リオ。続いてさやの分身ジンがゴーストの方へと飛んでいった。ゴーストは人間よりも大きい。妖精から見たら、相当な巨人なのだが、勇敢な2人は小さい体も上手に活用しながらゴーストの物理攻撃をかわしていった。莉奈とさやは2人を見守りながら、莉奈はゴーストを観測して、核の場所を探してみた。しかし、やはり、見つけることが出来なかった。リオは魔法を試みた。


「アクアピ、、、、、、、、、、、!!!?????」


 突然、リオとジンはシャボン玉のような風船に捕らえられた。ふわふわと浮かんでいて、莉奈とさやもリオとジンを呼ぶが返答がない。声が届かない。念話も出来ない。風船の中にいるリオたちはリオたちに向かって叫んでいるようだが、聞こえない。見えるのは口をパクパク動かして、何かを伝えようとしている動作だけだった。

 莉奈は焦っていた。リオとジンが動きをとれなくなった時、どうすればいいのか悩んでいた。あの2人がいなくては鎮静が出来ない。ハートプロジェクションは核を狙わなければ効き目がない。覆われてる影を破る必要がある。他の魔法もない。


(どうすれば・・・。)

『莉奈、お前の観測で何か見つからないか?この窮地を打開できるのはお前たちだけだ。』


 莉奈はハッとした。莉奈の特質である観測をゴースト中心に見て見ることにした。ゴーストを何度も調べたが核は見つけられない。何度も何度も、、、。しかし、ふわふわと浮いているリオとジンの方に目をやった時、莉奈は違和感があった。しかし、遠くてあまりよく見えない。この状況をみて賭けてみることにした。


(さーや、聞こえる?今から魔法を打つから手伝って、声に出すと発動するから念話で話してる。タイミングを見て、一緒に唱えて、“ハートプロジェクション”って。)


 莉奈はリオとジンに向かって、手を掲げた。それを見たさやもまた同じ方向に手を掲げ、魔法を唱える準備をした。本当にこの方法があっているかなんてわからない。でも、やるしかない。あの2人を開放しないと進めないんだから。


「「ハートプロジェクション!!」」


 2人は叫んだ。その時、眩しい光の線が莉奈とさやの手から放出された。光りの線は途中で交わり、一本の線となった。そして、その交わった光の線は再びリオの風船とジンの風船へ分岐していった。莉奈とさやの精神に若干の心の痛みが流れてきた。これは核の痛みと同じ感覚に近かった。静かに消えていく風船の中で、リオとジンは魔法の準備をしていた。もう一体の別のゴーストは、ノイズを取り込み、また少し巨大化していた。


「アクアピラーーーーーーー!!」

「ライティングバースト!!!!」


———バリバリバリィィィ———

 2人の魔法はゴーストに直撃した。水魔法に雷魔法が重なり合って、パワーも段違いになっていた。


「莉奈!今だ!!」


 莉奈は観測の力を使って、核を特定した。さやは鎮静の準備に入る。二人で力を合わせて、鎮静を試みる。


「「ハートプロジェクション!!」」


 パッと出た光の線は一直線に核を目指していった。核に直撃をした光の線から、また、負の感情が流れ込んでくる。しかし、莉奈が経験したあの時の負の感情とは考えられないほどに抑えられていた。


(自分のせいだ…。どうしてうまくいかない…。教え方が悪いのか…。……もう少し頑張ってみようかな…。)


 そのゴーストはシングスブライトのトレーナーの思いだった。映像としても流れてきたが、最終的には緩和され前向きになっていた。莉奈にとっては不思議な感覚だった。さやの鎮静の力によって、ここまで変わることに驚いていた。

 無事に鎮静が終わり、さやにとっての初陣は幕を閉じた。だが、もう一体、巨大化したゴーストが暴れている。休む間もなく、次の鎮静へと巨大化したゴーストに近づいた。1体目を倒したことにより、小さいノイズたちの逃げ道は確保され、巨大化は収まっていた。

 リオとジンは、ゴーストに近づいて、攻撃の準備をしている。その時、ゴーストの口から一本の黒いビームらしきものがリオに向かって飛んできた。リオはギリギリで攻撃を避けた。凄い速さの攻撃だった。今まで以上に巨大化したゴーストからは威圧感さえ感じられた。リオの一瞬の判断で、この攻撃に当たると大ダメージだということを判断することが出来た。リオもまた観測の力に長けている。


———ドーーーーン、、、、ドン!!!!!———


ゴーストは、無差別に黒いビームを打ち続けた。近くの木は穴があき、山はえぐれ、地面には大きなクレーターが出来ていく。リオたちは容易に近づくことさえできなくなっていた。そして、莉奈たちが見守っていた場所でさえ、安全とは言えない。いつ、あのビームに当たるかとひやひやしていた。


『莉奈!さや!今は危険だ!退避しろ!!』


 マスターの声だった。莉奈は観測を続けた。諦めたくなかった。危険なのはわかっている。けど、救ってあげたい。守ってあげたいとの思いが強かった。なんとか、この状況を打開する方法を探っていた。


「マスター!きっと何か方法がある!やらせて!」

「ダメだ!帰還しろ!」


 その時、一本の黒いゴーストのビームがリオの足をかすめた。


「ぐぁーーーーーーーーー!!!!!!!!???」

「リオ―――――――!!??」

 

リオの足が少しえぐれ、出血をしている。そのままフラフラと、地面に落ちた。すかさず、ジンがリオのもとへと飛んでいき、リオを連れて、莉奈のもとへ帰っていった。


「リオ、リオ―――!しっかりして!目を覚まして!」

『ここはいったん帰還してくれ!頼む!』


 リオは痛みで気絶してしまったようだ。莉奈はいったん帰ることにした。リオを莉奈の体内へ戻し、転移装置で帰還した。莉奈は涙ぐみながら、責任を感じ、言葉にならない悲しみを感じていた。莉奈のせいで、ゴーストを助けるどころか、リオを傷つけてしまった。莉奈の判断ミスで危険を招いてしまったこと。心から悔やんだ。


「暫くは、莉奈の体の中で休ませてやってくれ!体の中にいれば、いずれ回復する。傷も消えるから大丈夫だ!」

「そっか。よかった、、、、。」

「ただ、あのゴーストはしばらく様子を見ないといけない。もし、また、動きがあったら、呼ぶかもしれないが、覚悟しといてくれ。」

「はい!」


(リオ、ごめんね。ゆっくり休んで。)


 莉奈とさやはゴーストが気になりつつも、人間界へ戻った。レッスン場で休憩して、練習が再開するころ、またも、問題が発生していた。


———バタバタバタバタ、、、、、ガチャ、、、、———

練習中のレッスン場に急いで入ってきた事務所のスタッフが、叫んでいた。


「マネージャーが倒れました!!急いできてください!!危険な状態だって、救急隊の方が、、、。」


 最初は何を言っているのか理解が出来なかった。現実を受け止めたくなかったのかもしれない。デビューの日を心待ちにしてくれて、初ステージも一緒に喜んでくれたマネージャーが今は危険な状態だなんて、信じたくなかった。慌てて、莉奈はさやと共にマネージャーの向かった病院へ向かった。事務所スタッフに連れられて到着したのは救急外来。この辺では有名な病院だ。2人が着いたころにはマネージャーは集中治療室に移されていた。窓越しに様子を見ることは出来る。ただ、沢山のチューブに繋がれ、口元には酸素マスクが装着され、酸素の供給を受けていた。マネージャーの姿を見て、2人は涙が止まらなかった。沢山の思い出が2人の頭に蘇っていた。


「なんで、、、?、、、起きてよ、、、、。ライブ見てくれるんでしょ!?これからも一緒って言ったじゃん!!」


 さやの嘆きのような言葉だった。悲しみに打ちひしがれ、どん底のような気分だった。この一週間が山場なんだとか。もし、この一週間で目覚めることが無ければ、植物人間になると忠告されたようだ。悲しみが次から次へと押し寄せてくる。


(起きて!お願いだから!)


 願うように莉奈は心の中で語りかけた。莉奈はマネージャーの言葉を思い出していた。マネージャーとの約束でファンの子を大切にする、という約束。今の状況で、ちゃんと約束を守れるのだろうか。莉奈は自問自答を始めた。マネージャーはこの状況でも、きっと、ファンの子たちの事を考えるだろうなぁ。そんなことを考えていたら、悲しみは消えないにしろ、前を向いて歩く決心がついた。


「さーや!行こう!私たちにはシングスブライトを待ってくれてるファンの子たちがいる!マネージャーなら、きっと大丈夫!」


 泣きはらしたさやに声を掛けて、次のライブまで一緒に頑張ろうと、力強く言葉を発していた。ここで、潰れてしまうシングスブライトではない。良くない状況だとしても、莉奈とさやはアイドル。どこかに苦しんでいる人がいれば、光をさしてあげたい。そんなことを思った莉奈だった。レッスン場に戻って、ダンスを再開した。


 ライブ当日の朝、いまだマネージャーが目を覚ます気配はない。残り日数も少ない中、マネージャーも病院で戦っている。莉奈もこのライブを成功させるために必死に練習した。本当は一緒に見ててもらいたかった。今はシングスブライトとして、莉奈とさやでファンの子たちを救っていくことがマネージャーにとっても喜んでもらえることと信じて、ライブに立った。沢山の歓声を浴びて、シングスブライトはライブを終えた。


『莉奈!ありがとう!治ったよ。これからもちゃんと動けるから。』

(ん!?リオ!?、、、あれから、声も聞かなかったから心配してたんだよ。ごめんね。ごめんね。)


 リオの声を聞いてホッとしたら、急に涙があふれ出てきた。リオに怪我をさせてしまった責任と重圧に押しつぶされそうになり、さらにマネージャーの件もあり、かなり心が疲弊していた。


『そういえば、さっき、妖精界の様子を見てたんだけど、あのゴーストいなくなってた。』

「え!?どういうこと、、、?だって、まだゴーストは居たじゃない?」

『そうなんだけど、3人ぐらいの人間が妖精界にいた。詳しくはわからない。』


 莉奈は困惑していた。巨大化したゴーストはかなり手強かった。しかし、それを3人で、鎮静化したのだろう。莉奈と同じように分身の妖精を連れて、鎮静させる人がいるとなると、会ってみたくなってきた。そんな時、事務所スタッフから朗報が入った。


「マネージャーさん、目を覚ましました!もう大丈夫ですって!!」


 莉奈とさやはまた涙した。今度の涙は嬉し涙だった。急いで、病院へと向かった。マネージャーは集中治療室から個部屋へと移っているみたいだった。


「マネージャー、気分はどう?今日はライブだったんだよ。楽しかったぁ。」

「そうか、、。一緒にいてやれなくてごめんな。見ていたかったな。」

「仕方ないですよ。今度からは、しっかり見届けてもらいますからね!。」


 病室は笑い声で包まれた。

 莉奈はまだ気づいていなかった。妖精界にいた見知らぬ3人とこれから大きく関わることを。


ありがとうございました。

おやおや?何か新しい影がありましたね。次回はその影のお話しです。


次回の更新はしばらくお待ちください。現在執筆中です。

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