巨大美神サラスヴァティー(仮)
よし、スケールの大きいホラーを書くぞぉおおおお。
あれ?これ?まぁ、いいか。
むかし、むかし の 大昔の大陸で……
人間と仙人と神様の境界線が曖昧だった頃。
それはそれは美しいが凶悪な妃が封印された。
仙道士達の活躍によって、凶悪妃の封印は成し遂げられる。
封印される時、妃の最後のお願いがなされた。
「ワラワを封印せしめる仙道士達よ。せめてもの情けじゃ、暗く冷たい水の底に、ワラワを沈めておくれ。ワラワの躰が土の中で蟲に喰われるのは我慢ならぬ」
凶悪で凶暴であったが、それはそれは美しい女性だったので、仙道士達は、大陸北部の山中にある湖の中に封印することにした。
そして封印から、およそ3千年の時が過ぎた、現在。
「あっついんじゃ、ヴォケェエエエエエ」
妃は封印から目覚めた。
地球の温度は上がっているからである。
暗く冷たい水面の底は、生ぬるい温度になっていた。
「つったくよぉ、ワラワが湯あたりでもしたら、なんとする」
凶悪妃が起き上がると、なんと、湖の水全体が体になっていた。
水の重さを利用した封印であったが、三千年の力の蓄積が、凶悪妃の力の源となり、
身長150メートル、体重48000トン の水像となって動き出したのだ。
ゴジラが118.5メートルなので、それよりも少し大きい。
ずしん ずしん と 大陸を南下する。凶悪妃
「おお、なんということだ。水の女神、弁財天の化身に違いない」
「サラスヴァティーさま」
「おんそらそばていえいそわか」
まったく異なる仏神の名前をつけて、拝みだす民衆。
「人違いじゃ、ヴォケェエエエエ」
信心深い民衆は、巨大美神サラスヴァティー(仮)による腕の一振りで、浄土に送られた。
そして、巨大美神サラスヴァティー(仮)は、体制に反対する人民達を戦車でひき潰した事件で有名な、かの門の建造物に迫る。
しかし、軍事大国で有名である国家も、黙ってはいない。
「ミサイル発射!ターゲット、サラスヴァティー(仮)」
雨雲すらミサイル爆破で晴れにしてしまうのだ。かの国は。
巨大美神サラスヴァティー(仮)にミサイルが着弾するものの、水しぶきが上がっただけで、ダメージは確認できなかった。
進撃の巨大美神サラスヴァティー(仮)に、かの軍事大国であったとしても、対応しきれない。
国家主席は、いたしかたなく、二つの国に救援を求めた。
「オーイェー、アイシー」
「ハラショー、ハラショー」
せっかくの機会ということで、最近調子にのってる、かの軍事大国に、複数の核ミサイルが発射された。
20XX年 大陸は核の炎に包まれた!!
核の炎は、地上の微粒子や灰をはるか上空に巻き上げ、地球を覆い太陽光を遮る膜となる。
そして引き起こされる寒冷化現象。
「おお、涼しく、暗くなった。ワラワはもう一度あの湖で寝ることにするのじゃ」
凶悪な妃は再び、眠りについた。
核の冬により人類の7割が死に絶え、海底に沈んでいた戦艦を宇宙船に改造し、放射線除去装置「コスモレーザー」を受け取る旅が始まる。
地球に残った人達は、秘孔を突く拳法の人達に統率され、ヒャッハーと大声で叫ぶのだった。
(おわり)
地球温暖化ホラー&核戦争ホラー
怖いですね、恐ろしいですね、ホラーですね。
っていうか、弁天宗の人達に、石投げられそうで怖いですね。
そんなこと言っても、超兄貴シリーズで弁天のイメージがブレブレ。
いや、そんなことは、どうでもいいか。