一日の終わり
戸を閉めるついでに、チラリと外を見ると少し朱色の空が染まっていた。もう直ぐ夕暮れのようだ。
「さてと、この子のことも決まったことだし、君のことも決めようか。もう日が傾いているよ」
(君は君で厄介なことになっているみたいだしね)
と、考えながら、探りをいれる。
「そうですね、今からでも、ホテル探すかな・・・」
(どうやら、決まってないようですね。)
「なら、ここに泊まってはどうです?」
「マジですか?いいんですか?しがない高校生ですよ?」
「いいですよ。ここで見放すと大楠の爺さんに叱られるので」
「それなら、お言葉に甘えて・・・でも、何も無しに泊めてもらうのは良くないので、何かさせてください!」
「うーん、そう言うのなら、部屋の掃除とか任せてもいいかな?」
「家事とかですか?」
「うん、任せたよ。」
と梵は歩き出そうとする。
「ちょ、どこに行くんですか?」
「どこって、部屋案内だよ?」
「そ、そうですよね」
九尾を抱きかかえたまま、トコトコと階段を上がっていく。いいなと思っていた三階は、予想通り、夕暮れと合間って廊下に差し込む日がとても心地よかった。すると、梵さんが立ち止まった。
「ここの三階は時々掃除してもらうけど、全く使ってないんだ。あ、一番左端の部屋だけは物置と化しているから、そこ以外はご自由に」
「なら、右端の部屋をお借りしますね」
こうして、一日が終わり、僕の不思議な眼鏡屋さんでの生活が始まった。
プロローグ終わりって感じかな?
自由気ままなので、投稿頻度上がったり下がったりします。ごめんなさい。