覚悟
「恋さん、本日はとても大切なお話がございますの……
そう……凍えそうな季節に愛をどーこー云うぐらいに大切なお話が……」
「どーだっていい話じゃねぇか」
「もうすぐ来たるユウくんの誕生日……
ユウくんに新しいご家族をお与えするべく、わたくしの操をユウくんに捧げたいと考えている、というお話をしたことを貴女は覚えていらっしゃるでしょうか」
「思い出したくなかったよ」
※短編「私と親友の弟くん」参照
「あれからわたくしは考えを改めました。
もっと慎重にならねばと。
どこぞの澄まし顔で人の弟に手を出す色情魔の如き所業は慎まねば、と……」
「その言葉、宣戦布告と判断する。
当方に迎撃の用意あり」
「まあまあ、恋さん。
怒りの余り覚悟完了する前にもう少しお話を聞いてください。
そこでわたくしは別の方法を考えました。
ユウくんの寂しさを紛らわす事が出来る素晴らしい案です」
「1ミクロンも期待できねぇんだが」
「その名も『戸籍を改竄して恋さんの代わりにわたくしがユウくんの姉になり、常日頃から一緒に居続けることでユウくんに私の存在を感じ続けて貰おう作戦』
別名『ユウくん補完計画』」
「じゃあアタシはそろそろ覚悟をススメさせて貰うぞ」