小説
「小説コンテスト?」
「ですか?」
「うん、僕達の学校の取り組みでクラスの皆で町内の小説コンテストに作品を提出することになったの」
「内容は創作小説だろうがエッセイだろうがなんでもいい、ってことなんですけど……俺達何にも思い浮かばないんですよね……」
「ふっ……
ならばこの紫ノ宮愛華、愛しのユウくんの為にひと肌脱ごうではありませんか。
ちなみにわたくし、ユウくんの前ならいつでも全裸になれますわ」
「もうハナから不安しかないんだが」
「それではわたくし秘蔵の作品『転生したら盾の無職幼女スライムだった世界に祝福を!』などをどうぞご参考にしてくださいな。
他にも『ソード・アート・オーバー・シャングリラ・ホライズン』なんかもありますわよ」
「おいテメェなんだそのパクリのミルフィーユは」
「あら、いけませんでしたか?
これら以外となると『ユウくんとの愛と肉欲の未来予想図』くらいになりますが……
そのコンテストってR-18作品は提出可能ですか?」
「盗作するか倒錯するかしかねぇのか」
「よーし、それじゃあ僕は愛華さんの面白トークショーをエッセイとしてしたためてみようかな!」
「怪文書にしかならないと思うぞソレ」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ユウ、お前の作品『超ユーモア賞』を受賞したらしいな」
「そういうアキくんはお姉ちゃんとの思い出を元に恋愛小説を書いて『甘酸っぱい青春賞』を受賞したんだよねー」
「それこそR-18作品ではありませんか」
「殺すぞ」