偽りの愛のカタチ
1998年
大雪が舞う1月
私は産声を上げた。
父は小さい私を見守り
姉はそっとおでこを撫で
母は私を抱きしめた。
いつからだろう。
家族の彩りが褪せたのは。
飼っていた犬が死んだ
誰にも看取られずに。
。
(美津子)
私の姉はなんでも話せる一番の友達のような存在。
幼いころは共働きの両親に代わり
いつも面倒を見てくれていた姉
11歳も離れているので、姉が高校生の頃は
親子にみられることもしばしばあった。
習い事に行くときの送り迎え
私の宿題の宿題の採点
熱を出した時の看病
時には一緒に夜更かしをしたり
私にとって母親のような温かさを感じた。
姉は鼻は高く髪にはつやがあり、色白で俗にいう高嶺の花のような女性だ。
そんな姉が昔から自慢だった。
誰にでも好かれ、頭もよく母にとってもも自慢の娘であった。
いつからだろう
姉が憎く感じたのは
それをきずいた母は私のことも虐げた。
それでも無償の愛をくれたのは私の父だった。
父は私が幼いころから私を溺愛していた
私が欲しいものはすべて与えてくれて
行き会い場所には休みの日に連れて行ってくれて
思春期を過ぎるころにはその愛に嫌気がさしていた
そんなころ父の会社が倒産した