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その公爵様とメイドの事情  作者: ロマンスメーカー
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第18-2話  グレース皇子宮での生活

挿絵(By みてみん)


私とグレース皇子、そしてメイドのシャーロットは、グレース皇子の出かける準備を終えた後、一緒に皇子宮を出た。

グレース皇子宮の外に出ると、ベイリオ皇宮のあちこちに植えられている香ばしい花の香りが漂っているようだった。

ベイリオ皇国の皇居は1800年も経った皇居らしく、明らかにものすごく広かった。

宮と宮に移動するために歩くだけでも、運動しなくてもよさそうだった。

15分ほど歩いたような気がしたけど、薔薇宮どころか建物の屋根さえ見えなかった。

足が痛くなってくる頃、しばらくして約5分くらい歩いたかな?やっと私たちは薔薇宮に到着することができた。

薔薇宮は宮殿の名の通り、入り口から赤いバラが華やかに咲いていた。

もうちょっと歩いていくと、白いバラとピンクのバラの木が庭師たちにより綺麗に整頓されていた。

色とりどりのバラが植えられている庭園の横には素晴らしい彫刻が並べられていて、まるで美術館の野外ギャラリーのようだった。

もう少し歩いていくと、白い大理石に花の彫刻が施された薔薇宮の華やかな野外バルコニーが現れた。

その野外バルコニーの後ろには、イスラム寺院のような丸い屋根の非常に印象的な大きな建物が建っていた。

ここがまさにグレース皇子が一番行きたがらないと言っていた薔薇宮だった。

グレース王子は薔薇宮内の長い廊下に立って、入りたくなくていたずらにぐずぐずしていた。


「あの…、グレース皇子様。もうそろそろ本当に入らなければならないようです。そろそろ食事の時間です」


私の言葉に、グレース皇子はもの凄くつんとした表情で口を開いた。


「エレイン。僕は本当に入りたくないよ。はぁ、正直食事もしたくないし…、胃もたれしそうだし…。このまま帰っちゃダメかな?」


「グレース皇子様…」


しかし、入らないわけにはいかなかったのか、グレース皇子は結局ダイニングルームのドアの前に立って悲壮な表情を見せた。

まるで屠殺場に連れて行かれるような彼に、薔薇宮の案内係が丁寧に挨拶して近づいてきた。


「グレース皇子様。さぁ、どうぞ中へ」


侍従が丁寧な身振りでグレース皇子を薔薇宮の中のダイニングルームに案内した。

私とメイドのシャーロットは薔薇宮のダイニングルームの中に入ることができず、廊下の片隅で静かに待つしかなかった。

もう少し時間が経つと、他の皇子宮から来た一人の小さな皇子が到着した。

青みがかった黒い髪に異国的な外見のとても可愛い男の子だった。

10歳くらいに見えたけど、彼の外見は私が会った3人の皇子たちと目鼻立ちが少し違うようだった。

突然、私の頭の中にベイリオ皇子たちは、父側の人間なのか、母側の人間なのか、という疑問が沸いてきた。

幸いにも、私はその疑問をすぐに解決することができた。

薔薇宮の廊下の端で、ベイリオ皇国皇帝ゲリマンと皇后ジェイラルが薔薇宮の中にゆっくり入ってきたためだった。

実際に私の小説のヴィランに直接会うなんて、両腕が鳥肌の立つのを感じた。

しかし、私が想像しながら書いた小説の描写と現実は、微妙に違って見えた。

まず、ジェイラル皇后は小説の中では美しい薔薇の花のような華やかな女性と描写したが実際、ゲリマン皇帝より10年は老けて見えた。

年の割には若く見えたけど、彼女の美貌は年月が経ち色あせたようだった。

逆にゲリマン皇帝は、年を取っても大きな目鼻立ちがとても秀麗に見えた。

50代中半にも関わらず、30代後半や40代前半のように見え、20代中半のカルロス皇太子とハエリス公爵とは年が大きく離れたお兄さんのようだった。

今もこの程度なのに、彼の若い頃はどれほど華やかだったか、私の頭の中には自然に描かれていた。

私と廊下で待機していた侍女たちは、一緒に皇帝と皇后に礼を尽くし、恭しく頭を下げた。

私はカルロス皇太子、ハエリス公爵、グレース皇子は確実に父側の外見を譲られたという大きな悟りを得ることができた。

ゲリマン皇帝とジェイラル皇后がダイニングルームに入るやいなや、皇太子であるカルロスが薔薇宮に入ってきた。

彼は薔薇宮ダイニングルームに入る前に、廊下に立っている侍従と女中の中で誰かを熱心に探しているようだった。

私は彼が誰を探しているのか気になる表情で見ていたが、ちょうどカルロス皇太子と私の目が合った。

彼は明るい笑顔でまず私にウィンクをした。

私は照れくさそうに微笑んで、カルロス皇太子に頭を下げて挨拶した。


⦅人がとても明るくていいね。カルロス皇太子閣下は…⦆


(ギイィ)


カルロス皇子が薔薇宮内のダイニングルームに入ると、すぐに巨大なドアが閉まった。

私は今日、薔薇宮ダイニングルームでどんな言葉が飛び交うのか分からなかったけど、内心ではグレース皇子のことがかなり心配になっていた。




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