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ファントムシュナイツ  作者: 聖花 シヅク
第1指令:学園入学
5/18

4話:入浴と夕食

本日3話目の投稿です

次話の更新は、明日6時から8時の予定です

寝坊してしまったら、すみません


では、4話『入浴と夕食』お楽しみください

 部屋の片づけを終えてから1時間ほどが過ぎた。

 30分ほど前に白崎様は入浴へと向かった。

 この学園の入浴場は合計で5つある。


 そのうち3つはこの寮に存在している。

 その日その日で、学年やクラスごとに2つの入浴場に分けられる。3階建てである(地下も合わせると7階建てになる)寮で、そのうち2つは地下1階にある。大きさはかなりちがうらしく、一つの浴場はかなり大きく、大浴場と呼ばれているらしい。もう一つはその半分程度しかないらしい。

最後の一つは地下3階にあり、基本的には戦闘に直接関わらない生徒で、夜遅くまで仕事をしていた際に疲れを癒すために用意されたと言われている。事実のほどはほとんど知っている者がいないらしいです。かくいう私も知りません。

 もう一つは教員寮に存在している。こちらは教員専用なので、生徒が使うことはまずないでしょう。

 最後の一つは別棟に存在しています。

 理由はいくつかあるが、戦闘などで汚れた体や、怪我などで追った傷口を洗浄するためです。


 今日私達のクラスが使用するのは、小さな方のお風呂だ。大きい方の入浴場を使う際には二クラス同時に使用するらしいです。


「ただいま、緋和李」


「おかえりなさいませ、お姉さま。お姉さまが上がったという事は、入浴場が空いたという事でしょうか」


「ええ、そうね。あと5分ほどで、あなた達のクラスの時間になるわね。そろそろ、行っても大丈夫だと思うわよ」


「教えていただき、ありがとうございます。では、いってまいります」


「いいお湯だったから、ゆっくりと使ってくるといいわ」


「はい」


 私は部屋を出て、今度こそ間違えないように慎重に行きました。

 先程間違えてしまったのは、話し込んでいたからという事もあったのですが、それは言い訳にしかなりませんね。

 方向音痴とまでは言いませんが、私は少し道を覚えるのが苦手です。地図を見ながらならばその限りではないのですが、少し物覚えが悪いと思ってもらえれば。


「確か、ここを降りればよかったはずですね」


 階段を下りた先にあるエレベーターで地下へ降ります。


「何、やってるの?ふわぁ~」


 この声は麻川さんですね。

 眠たそうな感じからしても、確かだと思います。


「入浴場へ、向かっているところですよ。麻川さん」


「何でこっちに来てるの?お風呂は反対側だよ」


「え?」


「?」


 あ、あれ?おかしいなー。曲がる方向間違えたかなー‥‥

あはははは‥‥


「本当ですか」


「うみゅ」


「なら、何で麻川さんはこちらへ」


「逆に向かっている緋和李が見えたから」


「何で、途中で声をかけてくれなかったのですか」


「めんどくさかったから」


「そ、そうですか‥‥」


 ええ、認めますよ!私は方向音痴ですよ!


「すいませんが、一緒に連れて行ってはもらえませんか」


「いいよ~」


「ありがとうございます」


「こっち、ついて来て」


 麻川さんについていくと、10分ほどで入浴場に着くことができました。

 何をやっていたのでしょうね‥‥私は。


「あ!緋和李さん、遅いですよ!何やってたんですか」


「すいません、道に迷ってしまって」


「緋和李さんにも、苦手なことがあったのですね」


「それは当然ですよ。人間ですもの。他にもたくさん苦手なことはありますよ」


「そうなんですか‥‥私は苦手なことばかりです」


「これから克服していけばいいのですよ。一緒に頑張りましょう」


「はい!」


 体を洗い、お湯につかり雑談をしていると、30分ほど過ぎてしまいました。


「そろそろ、交代の時間ですね」


「え?あ、本当です!」


「あがりましょうか」


 残っているメンバーは私達を含めても、10名ほどしかいませんでした。

 まだ初日という事もあって、あまり集団を作ったりも出来ていないようですね。


「では、また後で」


「はい」


 私は楓花さんと別れると、一人で部屋へと戻りました。

 流石に今度こそは迷いませんでしたよ。一度言った場所ならば、迷う事はありません。

 自室へ戻った私は、明日の授業の予習を終え、夕飯を食べに向かいました。

 夕飯は学年ごとに別々の階で食べることになっているようです。

 私達1年生は1階です。


「緋和李さん!こっちですよ!」


「楓花さん、ありがとうございます」


 楓花さんが席を取っておいてくれたようです。

 この場では席は自由だそうです。他のクラスのメンバーとの交流を深める、といったような目的もあるのではないでしょうか。


「取りに行きましょうか」


「そうですね。緋和李さんは何にするのですか?」


「私ですか?そうですね‥‥今日は、比較的軽めに行こうかと思います」


 あまり食べ過ぎるというのも体には悪いですし、あと2時間ほどで就寝の時間になりますからね。

 食券を購入する列に並び、待つこと5分。

 私達の順番が回ってきました。


「私は、この『サバ味噌煮定食』にします」


「それだけで足りるのですか?」


「はい。元々、あまり食べる方ではないので」


「そうなのですね。私は弁当にします」


「弁当もおいしそうですね。今度私も頼んでみようと思います」


 んん?あれ、枚数がおかしい様な気が‥‥見間違いでしょうか?


「お願いします」


「16番一つ入りました」


「お願いします」


「え?2,24~30番一つずつ入りました」


 受付のお姉さんも少し、いえ、かなり戸惑っているようです。

 どう考えても私よりも小さい見た目には入るようには見えませんからね。


「16番出来ました」


 私のものができたようです。


「24~30番どうぞ」


 弁当は元々出来ているものを出しているようですね。


「はい、どうぞ」


「ありがとうございます」


「持てるかい?」


「はい大丈夫です」


「そ、そうかい」


 売店のお姉さんも、かなり驚いています。一人で全部持つとは思ってもいなかったのでしょう。

 楓花さんはなんてことなく弁当7個を軽々と持ち上げました。

 楓花さんの顔の前まで来ているため、床が見えているようには見えません。


「楓花さん、手伝いましょうか?」


「いいえ、大丈夫です!」


 ま、まあ、大丈夫と言っているので、とりあえずは様子見にしておきましょう。

 先程とっておいた席に座り、食事を始めます。


「いただきます」


「いただきます」


 楓花さんは弁当を一番上に積んである弁当を取り、ふたを開きました。

 誰かに頼まれたという訳でもなさそうですね。

 楓花さんのことばかり見ていないで、私も自分の物を食べてしまいましょう。


————10分後

「ご馳走様でした」


「御馳走様でした」


「緋和李さん、美味しかったですね!」


「え、ええ。美味しかったですね」


 目の前で、起こったことが未だに理解できません。あの小さな体のどこに、あれだけの量が入るのでしょうか?

 私には難しいですね。一つでもかなりの大きかったので、一つでも食べきれるかどうか‥‥

 楓花さんの弁当の中身は、鮭の塩焼きや生姜焼きなどのありふれたものから、ちらし寿司などお祝い事の時に食べるようなものまで多岐に渡っていました。


「そろそろ、部屋へ戻りましょうか?」


「そうですね‥‥ちょっと待っていて貰えますか」


「はい、大丈夫ですが‥‥」


「行ってきます」


 そういうと楓花さんは食券の前に向かいました。

 何かを選び、受付へ持っていきました。再び来た彼女に、受付のお姉さんは凄い驚き用です。

 大きなケースを受けとると、こちらへと戻ってきました。


「緋和李さん!デザートです!」


 そう言って、楓花さんが置いたのは、ケースにいっぱいのプリンとアイスでした。


「で、デザートですか?」


「はい!夕食の後はデザートですよね!」


「そ、そうですね。では、一つずついただきます」


 正直言うと、少々きつそうですが、流石にこの笑顔を前に断ることは出来ません。


「はい、どうぞです!」


 純真無垢な笑顔をここまで怖いと感じたのは初めてです。

 まさか、昼間のことを怒っているのでしょうか?いえ、そんなことは無さそうですね。そもそも、気付いていなそうです。


「美味しいですね!」


「は、はい。そうですね」


 ちょっと、いえ、かなり無理をしています。

 おなかも一杯で、味を楽しんでいる暇はなさそうです。

 う、吐きそうです‥‥


 結局、私が1つずつアイスとプリンを食べている間に、楓花さんはそれぞれ5つずつ食べてしまいました。

 見ているだけでも胸焼けけしそうですね。明日からは、楓花さんと二人でではなく、他の人も誘う事にしましょう。


「では、楓花さん、ごきげんよう」


「はい、緋和李さん。また明日です」


 楓花さんと別れた私は、ゆっくりと、口を押さえたまま自室へと向かいました。

 しかし、自室の前で力尽きてしまい、倒れてしまいました。吐かなかっただけでも良かったと言いましょう‥‥

 そして私は気を失いました。最後に見たのは焦っているような白崎様のお顔でした——————




——————知らない天井です。

 体を起こし周りを見てみると、隣のベッドには白崎様がいました。

 白崎様が中まで運んでくれたのでしょうか?

 とりあえず着替えましょうか。少し運動もしたいですからね。

 昨日は入学式もあったので、早朝に運動が出来なかったので、今日は少し多めにしましょう。




 30分ほどかけて、学校の周りを一周してきました。

 まだ朝が早かったからか、誰も外にはいませんでした。

 今の時間は———5時を過ぎたくらいですね。

 昨日の夜は気を失ってしまったからとはいえ、いつもよりも2時間近く早く寝ました。

 それを考えると、起きた時間としては、妥当なくらいなのかもしれませんね。


 一度寮室へと戻り、タオルと着替えをもって、お風呂へと向かいました。

 朝は運動した生徒のためにと、お風呂を開放しています。

 5時ごろには開けているらしいので、もう開いているでしょう。


 二度目の正直です。流石に今度は間違えず、お風呂へと辿り着くことができました。

 シャワーを浴び、体と頭を洗ったらお風呂を上がりました。

 朝から長風呂をする気はありませんからね。




 寮室に戻ると、白崎様が何か慌てていました。


「お姉さま、どうしたのですか?」


「ひ、緋和李がいなくなって‥‥あれ?緋和李?」


「はい、お姉さま。お姉さまの緋和李ですよ」


 何を焦っているのかと思いましたが、起きたら私がいなかったことに驚いていたようですね。

 置手紙くらいはした方が良かったかもしれません。


「どこに行っていたの?」


「少し運動に行ってきました。その後はお風呂でシャワーを」


「良かった。朝起きたら、いなかったから。誘拐でもされたのかと思った」


「そ、そうでしたか。この学園にいる限り、そうそう誘拐などされないように思えますけど」


「それはそうだけど・・・・・心配なものは心配だった。無事に帰ってきてくれたなら、それでいい」


「心配していただき、ありがとうございます。この通り、無事でしたので安心してください」


「分かった」


 私は白崎様に無事の報告をし、今日の授業の準備を始めた。


ここまでお読みいただき有難うございました

では、次話の予告を文華さんにしていただきましょう


「初めまして、白崎文華

今話では、緋和李の方向音痴という意外な弱点と、緋和李のお友達の暴食という意外な部分が見られる話となった

では、次話の予告に移る

次話では、私と緋和李が生徒会長へと呼び出される

理由は○○○〇○○

?これは言ってはいけなかったよう


では、これで次話の予告を終わりにする

次話の投稿は明日6時から8時の間らしい」


文華さん、ありがとうございました

愛想は今後覚えていきましょう


では、作者からのお願いです

面白い、また見たい、続きを早く読みたい、と思っていただけた方は、ブックマークと下にある☆を★にしていただけると嬉しいです

励みになるので、どうかよろしくお願いします!


では、また次回お会いしましょう!

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