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ファントムシュナイツ  作者: 聖花 シヅク
第2指令:ESS
14/18

4話:ESS予選・終幕《前編》

おはようございます

本日一話目の投稿です


では、13話『ESS予選・終幕《前編》』お楽しみください

 さて、行きましょうか。

 私達は心霊装のチェックも終え、会場へと出ました。

 観客の熱はこちらにまで伝わってきます。

 準決勝はA会場とB会場に分かれてやっているので、これでもかなり減っているはずなのに、そんな気が全くしません。


「さて、この勝負には勝つわよ。ここで勝つのと勝たないのでは、天と地ほどの差があるわ。確かに、ここで負けても本選に出ることは、出来る可能性があるわ。でも、それとこれとでは話が別よ。より良い成績で、私達は本選へと進むわよ!」

『はい!』


『両者準備は出来たようなので、試合を始めさせていただきます。Ready Fight!』


「じゃあ、行くわよ!」

『はい!』


 会長と白崎様、倉崎さんは敵の本陣へ向けて駆け出しました。

 途中まで進んだら、白崎様の超絶技(スキル)によって、気配を消しながら進むそうです。


「さて、緋和李君。ある程度の役割分担は決めておこうか」


「はい」


「僕が近距離1人とエンチャンターを抑えるから、近距離2人を頼めるかい?」


「分かりました。その分担で大丈夫です」


 まあ、妥当な分け方ですね。

 正直言って、逆でも多分水智様は出来るでしょうけど、こちらの方が、分担が楽なことは確かですね。

 私がエンチャンターを含めて相手にする場合には、両方の間に位置しなければなりませんが、水智様の場合には二人が直線状に来ても問題ありません。

 それを防ぎきるだけの防御能力があるからです。


「あと30秒ほどで接敵します」


「分かったよ。じゃあ、分担通りに行こう」


「先に行きます」


 私は駆け出し、横に回り込み奇襲をかけました。

 奇襲をしかけるつもりだったところに、奇襲を仕掛けられた割には落ち着いていますね。

 まあ、如何でもいい事ですが。取り敢えず、4人を2人づつに分断することは出来ました。


「あなた達2人は、私が相手します」


「なめられたものですね。私達も」


「ええ。でも、負ける気はありませんよ」


 二人ともそっくりですね。

 一卵性の双子ですか。かなり珍しいですね。


「では、いきます!」


「「倒す!」」


 私の後ろにいた二人は、背中に攻撃を仕掛けることはせず、私達の本陣へ向けて走り出しました。

 とりあえず、本陣から抑える作戦だったようです。


 それはそうと、この二人。近接とは言っても、格闘型でしたか。

 流石に予想外ですね。間合いが、この心霊装では取りづらいです。

 この双子、午前の試合では戦っていなかったので、情報が殆どないのですよね。


「負ける気はしませんね」


「何故武器を置く」


「私達をなめているのか」


 そう取られてもおかしくないかも知れませんね。

 私が突如、心霊装を地面へとさしましたから。


「さて、これで戦いやすくなりましたね」


「徒手で私達にかなうとでも?」


「なめ過ぎだ。負けない。行くぞ!」


 さて、どれほどのものでしょうかね。


「【紅流:流し】」


 攻撃を受け流す技です。

 手と腕だけを使い、ほとんど動きません。

 足場は半径15㎝でも多いくらいです。


「なに!?」


「受け流している?」


「次【紅流:柔拳】」


 相手の攻撃に合わせて、こちらの攻撃を合わせ敵の攻撃の衝撃吸収、そのまま相手に跳ね返す技です。

 手首の使い方などが肝ですが、まあ、難しいですね。


「くそ!」


「まだだ!」


「次【紅流:穿ち】」


 こちらが反撃を狙っていると悟ったのか、2人が見に回ったのでこちらから攻めることにしました。

 装甲を越えて肉体へとダメージを与えるための技ですが、直接うつと内臓にダメージが入ります。

 二人の胸のあたりに撃ったので、よっぽど脂肪が邪魔しなければ、今ので呼吸すら困難な状態になったはず‥‥だったのですが、あの脂肪忌々しいです。捥いでやろうか!

 おっと、いけない、いけない。

 集中、集中。


「これで終わりです。【紅流秘拳:星穿ち・(ながれ)】」


「かはっ!」


「こはっ!」


 二人のみぞのあたりを狙い、先程の強化版の技を放ちました。

 相手の体内に直接ダメージを与えるところまでは同じですが、その後に衝撃を体の外へと流させるまでがこの技です。

 この技は殺さないための技です。主に、情報が欲しいときに拘束するために使います。


 ちゃんと気絶しているようですね。

 一応校章を切っておきましょう。


 水智様の所に戻ると、丁度こちらも終わるところだったようです。


「水智様お疲れ様です」


「そっちも終わったようだね。先に終わらせて、手伝おうと思っていたんだが‥‥」


「その気遣いだけで結構ですよ。そこそこ楽しめたので」


「ははは、そこそこか。少し、相手に同情してしまうな」


「そうですか?」


「ああ。まあ、取り敢えずこっちは終わったから、会長たちの報告を待とうか」


「はい」




数分後

『勝者、不滅の戦姫(シルヴィン)


 この機械音も聞きなれてきましたね。

 無事、会長たちも作戦通りに動けたようです。


「お疲れ様。皆疲れているところ悪いけど、B会場の方を見に行くわよ。こちらよりも切迫した試合になっていると思うから、まだ終わっていないはずよ」

『はい』


 お互いの今の実力が相手に出来るだけ知られずに決勝では戦いたい、と言った昔の生徒会長の一言で、準決勝までは会場をわけることにしたそうです。

 まあ、先に試合を終えた方が、試合を見に行くのは先に勝ったものの権利として認められているそうですが。


 しかし、B会場では予想もしていなかった結果が広がっていました。

 試合は確かに終わっていませんでしたが、一方的に勝利の剣(ジャンヌダルク)が攻撃されていました。

 名前のセンスは置いておいて、まさかここまで一方的な試合展開になるとは思っていもいませんでした。

 恐らく、この会場にいる誰もが、こうなるとは予想していなかったはずです。現在試合をしている、無窮の幻想(ファンタズム)を除いて‥‥




「さて、みんなの言いたいことは分かるけど、今考えるのは明日の試合のことよ。明日勝つのと勝たないのでは、トーナメントの良さが変わってくるわ」


「分かっています。明日も負ける気はありませんよ」


「僕も緋和李君と同じ意見かな。予想外の出来事に少し驚いただけだよ」


「私も同じく。驚きはしたけど、勝てないとは全く思わない。見ただけではまだ、こちらの方が強かったと思う」


「‥‥私も同じ意見ですね。1年生にしてはずば抜けた実力を持っているとは思いますが、同じ|攻撃型

《ポジション》の(れい)さんには負けてはいないと思います。総合的な実力では、彼女の方が上かも知れませんが、同じ土俵ならばそう簡単に負けませんし、勝つことも出来ます」


 倉石さんが特に饒舌ですね。

 少し焦っているのかもしれませんね。

 目の前であんなものを見せられたのなら、当然かもしれませんが。


「まあ、あの子1人であそこまで戦えるとは思っていなかったけど、負ける気は私も無いわ。こっちにも、常人離れした1年生ならいるじゃない」


「私のことですか?」


「そうよ。最悪、あなた一人でも勝てる可能性はあるでしょう」


「‥‥流石に無理ですね。特にイリアさんが厄介です」


「彼女ねぇ。超絶技(スキル)かしら?」


「はい。恐らくではありますが心読者(トランサー)である可能性が高い、と私は思います。そして、おそらく彼女は覚醒しています。今日の戦いで見られれば良かったのですが、見られなかったので、確証はありませんが。私の知っている情報では、その可能性が最も高いです。そして、明日の試合。最後には彼女が近接攻撃型として、戦うかもしてません」


 私の予想は一応話しておきました。

 これだけでも、先輩の予知能力の制度はかなり上がるはずです。


「分かったわ。そのことも視野に入れて、明日の試合には臨みます。今日は明日に向け、もう休んでください。では、解散」


 恐らく、会長はこの後も作戦を考えるのだろう。

 だが、私達にそれを手伝うすべはない。彼女と同じ視点を持てないからだ。

 だから、私達は会長を信じ、今日は休んで明日に疲れを残さないことが、私達に出来る唯一の手伝いと言えるだろう。




 翌日、私達は体調も万全の状態で試合を迎えました。

 心霊装のチェックも終え、会場へと入場しました。


『さて、皆さんお待ちかね!この大会もいよいよ大詰め、決勝戦を迎えました!対戦チームの紹介を不肖、(わたくし)からお送りさせていただきます!

まずは、今大会の優勝候補筆頭!我ら栄菟女学院が誇る、最強!不滅の戦姫(シルヴィン)!メンバーは以前紹介した通り。作戦参謀、我らが生徒会長、《白麗貴人》雲雀様!我らがお姉さま、《鉄壁(フォートレス)》水智選手!クールビューティ、我らの学院が誇る最強の一角、《幻影女帝》文華選手!敵を狙い撃つ、冷静沈着の《千手弓士(サウザンドアロー)》千寿選手!昨日の試合では新聞部をたった一人で下し、炎狼の双子姉妹を1人で破った、《天才(ジーニアス)》緋和李選手!

こちらの5人が、今年の不滅の戦姫(シルヴィン)です!』


 顔写真と名前と一緒に、選手の二つ名が出てきました。

 一人ずつ上げられ、最後に私の晩でした。二つ名が付いている事すら、今初めて聞きました。と言うか、知りました。

 先に教えといて欲しかったです。勿論知っていたら、許可しませんでしたが。


「緋和李さん、天才ですって」


「まあ、間違いではないかな。緋和李君は確かに天才だろうね」


「緋和李は天才」


「緋和李さん、可哀想です」


「私天才などではないですよ!それ言うなら、会長のとかお姉さまのやつも痛いじゃないですか!倉石さんのは‥‥良く分かりませんが」


「千寿さんのは超絶技(スキル)からついているのよ」


「倉石さんの超絶技(スキル)ですか。見た事ありませんね」


「普段は使わない。今日の試合では、戦況によっては使うことになっている」


 千手、ですか。

 名前からして、千の矢を一気に放つ能力、または、放った矢を分身させる能力ですかね。


『続いて、私達のだれもが予想していなかった新星(ニュービー)無窮の幻想(ファンタズム)

リーダーを務めるは生徒会長の妹である、《硝煙の死神(スナイパー)》鈴選手!メンバー最後の砦、《騎士》天音選手!メンバーのマスコット、《狂気の戦姫》イリア選手!いつでもどこでも寝られる、《眠り姫》樋波選手!

以上4名が、今年の推薦枠で入ることとなった無窮の幻想(ファンタズム)です!』


 相手である無窮の幻想(ファンタズム)のメンバーの紹介も終わりました。

 そろそろ試合が始まるころですかね。


『最後に決勝戦の解説をしてくださる、獅子鐘(ワン)先生です。今日はよろしくお願いします』


『こちらこそ』


『先生、ずばり質問です!先生の予想では、どちらが勝つと思いますか?』


『そうだね。私はやはり、不滅の戦姫(シルヴィン)だな。やはり、選手に2、3年生で、1年生の二人も実践経験はかなりあるらしい。経験豊富な選手がそろっている不滅の戦姫(シルヴィン)の方が、有利だと思う』


『有難うございました!経験の差というものは、それだけ大きいという事なのでしょうか!私は一度も実践は経験していないので良く分かりませんが、良く怪我をして帰って来るクラスメイトや相部屋の友達を見てきたので、少しではありますが分かる気もします』


 実戦経験の豊富さですか。

 それは確かに私達の方が多いかもしれませんね。

 私を含め、会長と白崎様も厄災を経験しています。

 あれを経験したのと経験しなかったのでは、大きな差があるのだと思います。


『それでは、そろそろ試合に移るとしましょう!両者準備は出来たようです!』


『Ready Fight!』


ここまでお読みいただき有難うございました

次話の予告を生徒会長さんにしていただきましょう


「初めまして、雲雀・F・リンネと申します

栄菟女学院にて、生徒会長を務めさせていただいています

今話では炎狼との試合をお送りしました

実力差としては大きいようにも感じましたが、手を抜いていたら負けていたかもしれませんね

次話では私の妹、鈴が率いる無窮の幻想が相手です

素の実力では私よりも上の妹ですが、私は最高のメンバーを集めたつもりです

そう言えば、竜ケ崎さんさんはどこのレギオンに所属しているのでしょうね

今大会では出場していなかったようですが‥‥その内分かりますかね


これで、次話の予告は終わりにさせていただきます

次話の投稿は本日中だそうです

昼頃か夕方の投稿だそうですよ」

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