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ファントムシュナイツ  作者: 聖花 シヅク
第2指令:ESS
13/18

3話:ESS予選・急

二話目の投稿です

先程投稿したばかりなので、そちらを見ていない方はそちらからお願いします


では、12話『ESS予選・急』お楽しみください

「皆さん。この試合は私達の大事な初戦です。伝統ある不滅の戦姫(シルヴィン)のメンバーとして、この試合に負ける訳にはいきません。全力で勝ちに行きます!」

「当たり前のことを」「当然ですね」

「この試合だけじゃないですからね」

「‥‥負けない」


 会長の言葉に、みんなが思い思いに言葉を発する。

 会長は苦笑い気味だ。


「では、円陣でもしましょうか」

「分かりました」「そんなのあったのですね」

「初めて聞いた」「噛まないでくださいね」


 本当に初めて聞きました。

 まあ、数年来にわたってあるレギオンですからね。円陣くらいはあっても不思議ではありません。


「そそうだったかしら?じゃあ行くわよ。スゥ。

私達は不滅の戦姫(シルヴィン)

学園内最強のレギオン

私達は念願の本選優勝を果たすために此処に居る

まずは大事な初戦

絶対に勝つぞ!」

『はい!』


 気合は十分ですね。では、気を抜かず一つ一つの勝負を取りに行きましょうか。


『3回戦、第1試合に出場する選手は、控室から出てきてください。最後に心霊装(マギア)のチェックがあります』


 簡単に心霊装に不備が無いか、また、即効性の死に至るタイプの毒を使用していないかなど、様々なチェックを行います。

 まあ、不備は早々ありませんし、毒に至っては今まで出た事すらありません。

 そもそも、心霊装の素材に剣の型ならば、剣の鞘に少量の銀を使用していると聞きます。


 5分とかからずにチェックを終え、私達は会場へと入っていきました。


『両者、同じタイミングで出てきました。まずは、簡単に両チームの紹介から。東から出てきたのは、新聞部。今年新しく入った1年生を3人含め、新体制で臨んだ今大会。一年生の活躍もあり、堂々と3回戦へと駒を進めました。

対するは、西から出てきた栄菟女学院の絶対王者、不滅の戦姫(シルヴィン)。3回戦からの出場となる不滅の戦姫(シルヴィン)。調子はいかがなものか!?

下馬評では不滅の戦姫(シルヴィン)の勝利が確実視されているが、我が新聞部はどう対抗するのか。見ものです!』


「さて、みんな。放送では私達の勝利が確実視やらどうやら言っているけど、それは忘れなさい。私達の勝利は絶対よ。勝つわよ!」

『はい!』


 やはりこういう時に発破をかけられる存在がいると違いますね。

 まあ、無くても大丈夫でしたけど、あった方が調子は上がりますからね。


「では、いきますよ」


 その言葉を合図に私達は、それぞれの心霊装を構えた。


『両者心霊装の準備は良さそうですね。では、Ready(レディー)Fight(ファイッ)!』


 試合開始と同時に、私は(・・)走り出しました。




 不思議な感覚ですね。

 相手の本陣に一人で速攻を仕掛けるというのに、負ける気が全くしません。

 先輩の予知の通りに試合が進むのならば、この後本陣に仕掛けて切るのは、昨日の試合と同じく一年生3人となるでしょう。

 本陣を守るのは水智様一人となっていますが、まあ、何とかするでしょう。


 問題は他の3人ですが‥‥まあ、こちらも作戦通りに進めてくれるので、あとの問題は私がミスらないかどうかですね。


「さて、行きましょうか」


 敵の本陣へと近づいた私は、一気に速攻を仕掛けました。


「敵襲!相手は‥‥な、一人です!」


 驚いているようですね。あたふたしています。


「相手は!」


「1年生、近接!」


「了解、3人で足止め。3人のバフと相手のデバフは任せる。必ず2人以上で攻めて!」

『了解!』


 思ったより、作戦指示は乱れませんでしたね。

 もう少し乱れてくださると、楽に進められたのですが‥‥


「ですが、もう遅いです。《場を制せよ》【支配者(ルーラー)】」


「そう簡単に、攻め入らせるわけがないでしょう!《敵を遅くせよ》【弱体化(バッドステータス)(スピード)】」


「あら?ですが、この程度では止められませんよ。《場の支配者よ、敵の能力を防げ》【害悪排除(プロテクト)】」


 少しスピードは落ちましたが、問題はありません。すぐに戻しましたしね。


「そのくらい想定済みよ!《罠よ》【罠設置(トラップ)】」


「その程度に引っかかるとでも?」


「まだよ!《罠よ》【罠設置(トラップ)】!」


 『トラップ』の一言で、能力の範疇であるならば、どんな罠でも作れる能力ですか。

 少し厄介ですね。流石に、罠設置の無効化は出来ませんからね。


「まだまだ!《罠よ》【罠設置(トラップ)】」


 無限生産ですか。流石に、無暗に作り続けるわけにもいかないでしょうから、多くても10個程度が限界でしょうけど‥‥面倒ですね。


「《変質せよ》【変質者(アルテレーション)】」


 名前、嫌いなんですよね。この超絶技(スキル)

 変質者とか、いやじゃないですか。意味が違うのは分かっていますよ。

 《変質者》では無くて、《変化する者》ですからね。ですけど、ネーミングセンスはどうにかして欲しかったですね。

 まあ、如何でもいいですけど。


「《理解せよ》【解析理解(インテレクトス)】」


「二つ目!?次は私よ!《拘束せよ》【拘束蛇(スネークバインド)】」


 そう言えば、二人いましたね、拘束系の超絶技(スキル)使い。

 昨日見たのは罠作成だけだったので、忘れていました。


「捕まりませんよ」


「そう、ね」


 なんでしょうか、少し歯切れが悪い?

 それに、少し音にも違和感がある気がするんですよね‥‥

 気のせいならいいのですが‥‥8人分の音がする気…気のせいではないですね。

 先輩の予知がズレたと考えましょう。恐らく、この作戦は試合が始まった直後に変えましたね。

 元々、全ての予知であって、未来を強制する能力ではありませんからね。ズレが生じても、多少はリカバーが効きます。


 私は一度止まり、蛇の姿をした土塊を切り裂きました。

 そして、虚空に向かって、声をかけました。


「楓花さんを含めた1年生3人。その程度ではバレていますよ。私から隠れたければ、音まで消してもらわないと」


「流石に、そこまでは無理」


「事前の情報では1年生には超絶技(スキル)使いは居ないとの事でしたが、前の2つでは隠していましたか」


「バレましたか。だから何ですか!行きます」


 バレたからなんだ、ですか。確かにそうですね。私が相手出ないならば、ですが。


「遅いですよ」


 特攻を仕掛けてきた一人を躱し、首に一撃。気絶をしたようなので、そのまま棄権扱いですね。


「次、どうぞ」


「負けない!はぁ!」


 残りの二人。と言うか、楓花さんともう一人は、使えないようですね。

 使えても問題はありませんでしたが、無い方が楽なのは確かですね。


「《場を制せよ》【支配者(ルーラー)】」


「な!?おも、い」


「終わりですね」


 胸にある校章を切り、棄権扱いです。


「次!楓花さん。胸を貸してあげますよ」


「本当に緋和李さんは強いですね。まさかここまで強いとは‥‥ですが、負けるわけにはいきません!はぁぁ!」


「疾ッ!」


「はや、い!」


 ギリギリのところで、体をかがめて避けましたか。

 かなり体は柔らかいようですね。


「今ので、やれたと思ったのですけどね」


「簡単にはやられませんよ!」


「そう言えば、先輩の作戦指令(オーダー)無視していいのですか?」


「オーダー?来ていませんけど」


「‥‥最初のですよ」


「ああ!忘れてました!でも、もう仕方ありません。ペア二人ともやられてしまったので。一人でやります!」


「そうですか」


 そこまで、真面目な話でもなくて、ただ時間稼ぎになれば、と言った程度の話でしたが、思った以上に真面目な回答が返ってきましたね。


「まあ、こちらとしてはどっちでもいいのですけどね。今度はこちらから行きますよ。《模擬せよ》【強化模擬イミテーションブレイカー】」


 模擬とは言いつつも、自分なりにアレンジを加えより強くする。

 簡単に言えばそう言った技です。

 先程の楓花さんの攻撃。それから無駄をなくし、攻撃を仕掛けました。


「それは!ムムムムム!」


 必死に私の心霊装を押さえようとしますが、私の大きな心霊装に対し、楓花さんのは私の物の半分もない短めな心霊装。

 防ぎきれるわけがありません。これで終わりです。


 心霊装を二つに分けた私は、銃を使って楓花さんの校章を撃ち抜きました。


「次、どうしますか?」


「こ、降参するわ」


『勝者、不滅の戦姫(シルヴィン)


 機械の音による勝利宣言を聞き、完全に勝利をしたことで少し力を抜きました。


『結果としてみると、下馬評通りとなりましたが、予想とはかなり違った戦いとなりました。一方的ともいえるほどの緋和李選手の実力を前に、新聞部は押さえ付けられてしまいました!不滅の戦姫(シルヴィン)は、本陣に残していたのは1人。残りの3人は、新聞部本陣の裏へと回っていました。恐らくは、数人倒したところでの突撃、という算段だったのではないでしょうか。予想以上の緋和李選手の実力を前に、新聞部は降参しましたが、一つ一つの試合に全力で臨んだ新聞部に、そして、見事初勝利を収めた不滅の戦姫(シルヴィン)に大きな拍手を!』


 私達と新聞部には大きな拍手が送られ、その中を堂々と退場していきました。

 新聞部の3年生の中には、涙を流している人もいました。

 彼女たちの涙を見ると、それを背負う事がどれだけ大変なことかが分かった気がしました。




「まずは最初の一戦目お疲れ様。皆のおかげで‥‥と言うよりは、緋和李さんのおかげで必要以上に手札を見せる事無く勝つことができたわ。ありがとう」


「当たり前のことをしたまでです。それに、予測と少し変わってしまったので、そこも変わっただけだと思います」


「そう言ってくれると助かるわ。今日の午後の試合は、緋和李さんと水智さんで本陣を守ってもらえるかしら」

「分かりました」「了解。頑張るよ」

「では、私達三人で敵の本陣は攻めましょうか」

「はい」「分かった」


 簡単に作戦会議を終え、とりあえず上へあがって試合の経過を見ることにしました。

 私達のところ以外では、部活動が残ったところは無かったので、いい勝負になっている可能性も高いです。


 まあ、思った通りでしたね。

 予想と結果は変わりませんでした。

 Aリーグの準決勝は、私達不滅の戦姫(シルヴィン)炎狼(えんろう)の対戦に決まりました。


 炎狼は3年生8名によって組まれたレギオンです。

 実力は全員高く、3年生では全員が20番以内。学院全体で見ても50以内には入っているそうです。

 8名中5人が近接攻撃型。残りの3人は回復役1人とエンチャンターとデバッファーが1人ずつです。

 超近距離戦闘を得意としたレギオンで、後方支援型の3人もどれだけ離れても中距離の位置にはいるそうです。

 相手によっては、全員で近距離戦闘を繰り広げることもあるそうです。この試合では、全員による近距離戦闘は見られませんでした。

 それどころか、実力が見られたのは3人だけです。昨日のうちに会長と倉石さんが見てくれていたので、ある程度の情報はそろっているので、物凄く助かりましたね。

 まあ、最悪昨日の試合ビデオを見るだけでしたが。


「会長、作戦は先程のままでいいのですか?」


「はい。恐らくですが、近距離型3人とエンチャンターが本陣に攻め入ると思います。私達三人で奇襲を仕掛ければ、近距離二人も抑えきれますので、本陣を守ってくれさえすれば、負けることはありません。もしもの場合には、緋和李さん。全力で相手を倒してください」


「分かりました。期待にそえるように頑張りますね」


 まさか、最後の手段が丸投げだったとは‥‥会長には驚きました。

 こういった突発的な考えも、時には必要なのかもしれませんね。


「では、昼休憩の後は遅れずに戻ってきてくださいね。では、解散」


 それぞれに別れて、私達は昼休憩を取りました。

 そして、午後2時前。いよいよ、準決勝。私達の夢でもある、本選出場をかけた1戦が始まることとなります。


ここまでお読みいただき有難うございました

次話の予告を水智様にしていただきましょう


「やあ、久しぶりだね

今話では、緋和李の実力の一部が明らかになったね

私達レギオンの中でも随一だろう

会長の戦い方だと、スピードについていけないだろうからね

私はそもそも、守りに特化しているし

千寿君は遠距離型だ、近づかれたら負けだろう

唯一対抗できるとしたら、文華君だろうね

では、次話の予告に移ろうただき有難うございました

次話の予告を水智様にしていただきましょう


「やあ、久しぶりだね

今話では、緋和李の実力の一部が明らかになったね

私達レギオンの中でも随一だろう

会長の戦い方だと、スピードについていけないだろうからね

私はそもそも、守りに特化しているし

千寿君は遠距離型だ、近づかれたら負けだろう

唯一対抗できるとしたら、文華君だろうね

では、次話の予告に移ろう

次話ではついに準決勝だ

準決勝の相手は炎狼だ

実力ではこちらが勝っているだろうが、最後まで手を抜くことは無く、全力で挑もうと思う


これで、次話の予告はお終いだね

次話の投稿は明日の予定だそうだ」


水智様ありがとうございました


では、作者からのお願いです

面白い、また見たい、続きを早く読みたい、と思っていただけた方は、ブックマークと下にある☆を★にしていただけると嬉しいです

励みになるので、どうかよろしくお願いします!


では、また次回お会いしましょう!

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