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ファントムシュナイツ  作者: 聖花 シヅク
第2指令:ESS
12/18

2話:ESS予選・破

二日も開けてしまい申し訳ございませんでした

色々と用事が立て込み、二日ほど休ませていただきました

体調不良などではございません


では、11話『ESS予選・破』お楽しみください

 無事、1回戦が終了しました。

 楓花さんの入っている新聞部も、苦戦はしつつも何とか勝利を収めました。


 私達不滅の戦姫(シルヴィン)のトーナメントの番号は1番。

 第1シード枠で2回休憩が入ります。2回戦もなく、3回戦では最初の試合です。


『1回戦お疲れ様でした!無事部活予選枠を勝ち抜いた6つの部活動に拍手を!』


 まばらにではありますが、拍手が起こりました。


『では、昼休憩に移ります。2回戦は昼休憩を挟み、2時からの開始となります。2回戦の第1試合は、新聞部対覇龍隊(ファフニール)の対戦となります。準備の整った生徒から控室へと入ってください。控室には10分前までにはいてください。10分前までに来られなかった場合、その生徒は棄権となります』


 先程までのハイテンションとは打って変わり、平坦な声で説明していました。


「じゃあ、みんな。昼食に行こうか」

「はい。水智様」「うん」「そうですね」「分かりました」


 私達不滅の戦姫(シルヴィン)は、観客席で5人集まって試合を見ていました。

 部活動が相手になることは少ないですが、昨年のような例もありますからね。

 まあ、昨年の部活動の準決勝進出は、かなり特殊な例ではありましたが‥‥


 昼食を終えた私達は、再び試合会場の一つへと戻ってきました。

 私達が見ようとしているのは第1試合です。次の試合相手がどちらになるかは、分かりませんからね。

 下馬評では圧倒的に新聞部が不利ですが、実力の代わりに情報の量は他に比べても圧倒的ですから、もしかすると勝って上がってくる可能性もあります。

 その場合は作戦の立てようもないのですが、見ていないよりはマシでしょう。


 さて、そろそろ第1試合が始まる頃ですね。

 ああ、言い忘れていました。会場は予選会では2カ所使っています。

 一つは私達がいるA会場。2回戦では1試合目から3試合目までを執り行います。

 もう一つはB会場。4回戦から6回戦を執り行います。

 Aリーグの試合をA会場で、Bリーグの試合をB会場で行っています。

 一試合にかかる時間は、実力差にもよりますが大抵は30分近くはかかります。

 実力差がなく、拮抗した試合にもなると1時間近くかかることもあります。

 午前の試合はほぼ全ての試合で1時間近く使ったため、休憩時間は1時間と少し程度しか余りませんでした。


「お姉さま、どちらが勝つと思われますか?」


「実力通りならば覇龍隊(ファフニール)。でも、実力差はあっても相手がなめてかかれば、実力差は覆ることも多い」


「そうねー。私は新聞部が勝つ確率は半々だと思うわよ。新聞部には他と比べても圧倒的なほどの情報量がありますから。でも、情報だけで勝てるほど試合は簡単では無いわ。午前の試合では、情報を使って相手の先手を取って、常に有利な状態で試合を行えたけど、今回はそうも言ってられないから‥‥何処まで有利な状態で戦えるかが、新聞部の勝利条件だと思うわ」


「僕は新聞部を応援するかな。個人的な理由もあるが、僕の(ソラー)も試合に出ているからね。もしこの試合に勝って、上がってきたら手加減は出来ないけどね」


「‥‥私は新聞部が勝つと思います」


 珍しく、倉石さんが自分から発言しました。

 いつもは話かけられない限りは話さないので、とても意外です。


「どうしてですか?」


「‥‥覇龍隊が結成したのは、今期最初のファントム侵略の後のこと。この試合に向けて作ったレギオンだと思う。でも、彼女たちはあのレギオンでは実戦を経験していない。そして、彼女たちは部活動の出場者たちを、なめてかかっている。去年の白崎先輩のような人はいないからだと思う」


 なるほど。確かに、そう考えると新聞部が勝つ確率も高い気がしてきました。

 ですが、それだけの理由では、新聞部が勝つとは言い切ることは出来ないはずです。


「あと最後に、新聞部には超絶技(スキル)を発現している人が、出場者の中に5人いる。1年生以外は全員発現している」


「そうなのですか?ですが、それは覇龍隊の人たちも知っているはずでは?」


「能力は一人が会長と同じ能力。でも、まだ覚醒はしていない。他の4人は二人が拘束系。残りの二人は補助系。だから、戦う力は小さいと思われていると思う」


 そこまで調べていたのですね。


「会長の能力は未来を読むことでしたよね?」


「ええ。でも、それは覚醒した能力よ。元の能力は、情報を基に未来を予測すること。あくまで情報が無いと使うことは出来ないわ。その点は新聞部だし、問題ないと思うけど‥‥やはり、情報だけで未来を完全に読むことは出来ないわ。実力の差は縮められても、埋めることは出来ないわね」


「覇龍隊の方たちの能力は何でしたっけ?」


「リーダーは攻撃力強化系よ。メンバーのうち2人は補助系ね。それぞれ攻撃と防御を上げられるわ。残りは前衛の盾系(タンク)と、白崎さんと同じ暗殺者型、そして倉石さんと同じ遠距離型が2人よ」


「バランスは良さそうですね」


「その点は考えてメンバーを集めたのではないかしら」


 バランスはいいですが、前衛2人、遊撃1人、後衛4人、ですか。

 少し防御力が足り無い気もしますが‥‥よっぽど上手なのでしょうか?


「最後に、新聞部の1年3人は、全員実力は高い方。そして、戦い方もさっきの試合でしか見れていない。でも、その試合で1年生は殆ど戦っていないから、実力や戦い方がほぼ未知数。だから、1年生たちの使い方次第で、新聞部が勝つ確率は大きく上がる」


 楓花さんも実力は高い方だとは思いましたが、そこまで高かったのですね。

 クラスでは真ん中くらいだったので、全体で見ても真ん中から少し下ら辺かと思っていました。


「緋和李のクラスは他のクラスと比べても、実力がかなり偏っている。だから、緋和李のクラスで真ん中なら、中の上から上の下くらいの実力はある」


「そうだったのですね。他のクラスで知っている方が少ないので、あまりそこら辺が分かっていませんでした」


 他のクラスで知っている方と言えば、茨ヶ咲さんと倉石さん、竜宮院さんくらいでしたからね。

 皆さん実力が高いので、他のクラスも私のクラスと同じくらいなのかと思っていました。


「という事で、新聞部が勝つ確率の方が高い」


「そうでしたか。教えていただき有難うございました」


「ん。大丈夫」


「そろそろ試合が始まりそうよ。静かにしましょう」


 その後すぐに試合が始まりました。

 その結果には会場のほぼ全ての人が驚くこととなりました。


■■■■■■■

楓花side.


 試合が始まりました。

 今回の一年生の仕事は隠密による敵への接近。

 そして奇襲です。リーダーは井伊(いい)さんがやっています。


「あと少しで敵の本陣よ。注意して」

『『はい』』


 出来る限り小声で返事を返します。

 残りの1人は甲斐(かい)さんです。二人の実力は私と同じくらいです。

 私よりも二人の方が実力は高いのですが、地形を有利に活かせれば私が勝つこともあります。

 戦い方の違いも理由のうちですね。


「後ろに回り込んだわ。行くわよ」

『『はい』』


 後ろに回り込んだ私達は、一気に奇襲を仕掛けました。

 後ろに回り込まれていたことにすら気付いていなかった、覇龍隊のメンバーは焦っているようです。

 その間に、1人2人と倒していきます。

 倒すと言っても、胸に付けている校章を切るだけです。

 それだけで、選手は負け判定になります。また、気絶した場合にもその時点で負けという判定になります。

 負けの判定をされた生徒へと追撃は反則(ペナルティー)を取られます。その選手も負けという判定になります。

 また、負け判定をされた生徒がさらに攻撃を仕掛けるのも禁止です。負け判定を貰った直後に、攻撃する姿勢を取っていて、そのまましてしまった場合には特に何もありません。もしその攻撃によって、校章を切られても新しいものに変えることができます。

 ただし、故意的に行った場合には、最悪そのレギオンの反則負けとなります。


「残り1」

『『はい』』


 ここで倒せたのは3人だけでした。

 他の4人は私達の本陣の方へ仕掛けたのでしょう。

 ですがまあ、後数秒もすれば決着がつくでしょう。


ビー

『勝者、新聞部』


 機械音によって私たちの勝利が言い渡されました。

 恐らく、敵のメンバーが罠にはまったのでしょう。

 (トラップ)とは言っても、拘束系の超絶技(スキル)です。

 拘束とは言っても、色々種類があります。

 私達の先輩の場合は、今回使った罠でした。


「お疲れ様!皆のおかげで、今回も勝つことができたわ。ありがとう」


「先輩のおかげです。先輩の予測のおかげで有利に戦えたのですから!」


 控室に戻ってきた私達に、リーダーの先輩がお礼を言ってきました。

 ですが、本当にお礼を言うのは私達の方です。

 先輩の能力で敵は本陣に数人残して、残りは正面から攻めてくるという事を予測しました。

 そのおかげで、こちらには全くの被害も出さず、試合に勝利することができました。


 今回のような、全員を倒すまで勝てないようなルールだと、突出した実力者のいない私達のような部活動組は不利になります。

 ですが、その差を先輩の能力のおかげで埋めるどころか、追い抜くことができました。


「でも、次の試合は今回のようには行かないわ。次の対戦相手はあの不滅の戦姫(シルヴィン)よ。彼女たちは油断なんかしてくれないわ。次の相手は本気で潰しに来るわ!でも、私達だって勝つためにここまで頑張ったのよ!全力で勝ちに行きましょう!」

『はい!』


 先輩のおかげで、私達の士気も大きく上がりました。

 明日の試合相手、不滅の戦姫(シルヴィン)には緋和李さんやお姉さまがいます。

 先程の覇龍隊とは地の力も大きく違います。そして、覇龍隊とは違い油断はしてこないでしょう。

 ですが、今回は全力で勝ちに行きましょう!


「みんな!勝つわよ!」

『オー!』


 士気も上がったところで、今日は解散になりました。

 今日の所は休んで疲れを癒しておけとのことです。


■■■■■■

Back side.


 少し驚きましたね。流石に5分とかからずに、試合が終わるとは思いませんでした。

 試合が動いたのは3分ほど経った頃ですね。楓花さん達1年生が本陣を攻め落としました。

 その後はそのことに気付いた覇龍隊の攻撃部隊が、少し焦ったのか急いだ様子で、新聞部の本陣へと攻め入ろうとしましたが、そこに張ってあった罠に引っかかり、動けなくなったところに校章を切られ、覇龍隊の敗北が決まりました。


 ふたを開けてみると、新聞部の作戦勝ちになりますが、そう簡単なことでもないでしょう。

 あの大きな差を作戦だけで埋めきり、尚且つ追い越した。

 会長の下位互換とは言えど、侮れませんね。


「今日の確認はここまでで大丈夫よ。この試合だけは私が皆にも見てもらいたかったから、集まってもらったけど、明日は大事な初戦よ。落とす訳にはいかないわ。残りの試合、私は見るけど、みんなは解散して大丈夫よ」


「‥‥私は見ておきます」


「僕はいいかな。今日は部屋に戻ることにするよ」


「私も部屋に戻ります」


「じゃあ、私も」


「では、見ていくのは倉石さんだけね。分かったわ。明日は頑張りましょうね」

『はい!』


 それぞれ解散しました。

 明日は第3試合の準々決勝です。大事な初戦を落とさないように、頑張らないといけませんね。

 そして、明日の午後には準決勝も控えています。

 初戦を落としてはいけないとはいえ、ペース配分は考えないといけませんね。




 それぞれの夜を過ごし、一夜が明けた。

 誰が優勝するのか。誰もまだ知らない‥‥


ここまでお読みいただき有難うございました

では、次話の予告を倉石さんにしたいただきましょう


「倉石千寿、1年

…よろしく

今話では新聞部の実力の一端が見られた

新聞部を倒すために私達がどのような手を使うのか、こうご期待


これで、次話の予告はお終い

次話はすぐに投稿するらしい」


倉石さん、有難うございました

今後、予告の仕方覚えていきましょうね!


では、作者からのお願いです

面白い、また見たい、続きを早く読みたい、と思っていただけた方は、ブックマークと下にある☆を★にしていただけると嬉しいです

励みになるので、どうかよろしくお願いします!


では、また次回お会いしましょう!

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