2話:ESS予選・破
二日も開けてしまい申し訳ございませんでした
色々と用事が立て込み、二日ほど休ませていただきました
体調不良などではございません
では、11話『ESS予選・破』お楽しみください
無事、1回戦が終了しました。
楓花さんの入っている新聞部も、苦戦はしつつも何とか勝利を収めました。
私達不滅の戦姫のトーナメントの番号は1番。
第1シード枠で2回休憩が入ります。2回戦もなく、3回戦では最初の試合です。
『1回戦お疲れ様でした!無事部活予選枠を勝ち抜いた6つの部活動に拍手を!』
まばらにではありますが、拍手が起こりました。
『では、昼休憩に移ります。2回戦は昼休憩を挟み、2時からの開始となります。2回戦の第1試合は、新聞部対覇龍隊の対戦となります。準備の整った生徒から控室へと入ってください。控室には10分前までにはいてください。10分前までに来られなかった場合、その生徒は棄権となります』
先程までのハイテンションとは打って変わり、平坦な声で説明していました。
「じゃあ、みんな。昼食に行こうか」
「はい。水智様」「うん」「そうですね」「分かりました」
私達不滅の戦姫は、観客席で5人集まって試合を見ていました。
部活動が相手になることは少ないですが、昨年のような例もありますからね。
まあ、昨年の部活動の準決勝進出は、かなり特殊な例ではありましたが‥‥
昼食を終えた私達は、再び試合会場の一つへと戻ってきました。
私達が見ようとしているのは第1試合です。次の試合相手がどちらになるかは、分かりませんからね。
下馬評では圧倒的に新聞部が不利ですが、実力の代わりに情報の量は他に比べても圧倒的ですから、もしかすると勝って上がってくる可能性もあります。
その場合は作戦の立てようもないのですが、見ていないよりはマシでしょう。
さて、そろそろ第1試合が始まる頃ですね。
ああ、言い忘れていました。会場は予選会では2カ所使っています。
一つは私達がいるA会場。2回戦では1試合目から3試合目までを執り行います。
もう一つはB会場。4回戦から6回戦を執り行います。
Aリーグの試合をA会場で、Bリーグの試合をB会場で行っています。
一試合にかかる時間は、実力差にもよりますが大抵は30分近くはかかります。
実力差がなく、拮抗した試合にもなると1時間近くかかることもあります。
午前の試合はほぼ全ての試合で1時間近く使ったため、休憩時間は1時間と少し程度しか余りませんでした。
「お姉さま、どちらが勝つと思われますか?」
「実力通りならば覇龍隊。でも、実力差はあっても相手がなめてかかれば、実力差は覆ることも多い」
「そうねー。私は新聞部が勝つ確率は半々だと思うわよ。新聞部には他と比べても圧倒的なほどの情報量がありますから。でも、情報だけで勝てるほど試合は簡単では無いわ。午前の試合では、情報を使って相手の先手を取って、常に有利な状態で試合を行えたけど、今回はそうも言ってられないから‥‥何処まで有利な状態で戦えるかが、新聞部の勝利条件だと思うわ」
「僕は新聞部を応援するかな。個人的な理由もあるが、僕の妹も試合に出ているからね。もしこの試合に勝って、上がってきたら手加減は出来ないけどね」
「‥‥私は新聞部が勝つと思います」
珍しく、倉石さんが自分から発言しました。
いつもは話かけられない限りは話さないので、とても意外です。
「どうしてですか?」
「‥‥覇龍隊が結成したのは、今期最初のファントム侵略の後のこと。この試合に向けて作ったレギオンだと思う。でも、彼女たちはあのレギオンでは実戦を経験していない。そして、彼女たちは部活動の出場者たちを、なめてかかっている。去年の白崎先輩のような人はいないからだと思う」
なるほど。確かに、そう考えると新聞部が勝つ確率も高い気がしてきました。
ですが、それだけの理由では、新聞部が勝つとは言い切ることは出来ないはずです。
「あと最後に、新聞部には超絶技を発現している人が、出場者の中に5人いる。1年生以外は全員発現している」
「そうなのですか?ですが、それは覇龍隊の人たちも知っているはずでは?」
「能力は一人が会長と同じ能力。でも、まだ覚醒はしていない。他の4人は二人が拘束系。残りの二人は補助系。だから、戦う力は小さいと思われていると思う」
そこまで調べていたのですね。
「会長の能力は未来を読むことでしたよね?」
「ええ。でも、それは覚醒した能力よ。元の能力は、情報を基に未来を予測すること。あくまで情報が無いと使うことは出来ないわ。その点は新聞部だし、問題ないと思うけど‥‥やはり、情報だけで未来を完全に読むことは出来ないわ。実力の差は縮められても、埋めることは出来ないわね」
「覇龍隊の方たちの能力は何でしたっけ?」
「リーダーは攻撃力強化系よ。メンバーのうち2人は補助系ね。それぞれ攻撃と防御を上げられるわ。残りは前衛の盾系と、白崎さんと同じ暗殺者型、そして倉石さんと同じ遠距離型が2人よ」
「バランスは良さそうですね」
「その点は考えてメンバーを集めたのではないかしら」
バランスはいいですが、前衛2人、遊撃1人、後衛4人、ですか。
少し防御力が足り無い気もしますが‥‥よっぽど上手なのでしょうか?
「最後に、新聞部の1年3人は、全員実力は高い方。そして、戦い方もさっきの試合でしか見れていない。でも、その試合で1年生は殆ど戦っていないから、実力や戦い方がほぼ未知数。だから、1年生たちの使い方次第で、新聞部が勝つ確率は大きく上がる」
楓花さんも実力は高い方だとは思いましたが、そこまで高かったのですね。
クラスでは真ん中くらいだったので、全体で見ても真ん中から少し下ら辺かと思っていました。
「緋和李のクラスは他のクラスと比べても、実力がかなり偏っている。だから、緋和李のクラスで真ん中なら、中の上から上の下くらいの実力はある」
「そうだったのですね。他のクラスで知っている方が少ないので、あまりそこら辺が分かっていませんでした」
他のクラスで知っている方と言えば、茨ヶ咲さんと倉石さん、竜宮院さんくらいでしたからね。
皆さん実力が高いので、他のクラスも私のクラスと同じくらいなのかと思っていました。
「という事で、新聞部が勝つ確率の方が高い」
「そうでしたか。教えていただき有難うございました」
「ん。大丈夫」
「そろそろ試合が始まりそうよ。静かにしましょう」
その後すぐに試合が始まりました。
その結果には会場のほぼ全ての人が驚くこととなりました。
■■■■■■■
楓花side.
試合が始まりました。
今回の一年生の仕事は隠密による敵への接近。
そして奇襲です。リーダーは井伊さんがやっています。
「あと少しで敵の本陣よ。注意して」
『『はい』』
出来る限り小声で返事を返します。
残りの1人は甲斐さんです。二人の実力は私と同じくらいです。
私よりも二人の方が実力は高いのですが、地形を有利に活かせれば私が勝つこともあります。
戦い方の違いも理由のうちですね。
「後ろに回り込んだわ。行くわよ」
『『はい』』
後ろに回り込んだ私達は、一気に奇襲を仕掛けました。
後ろに回り込まれていたことにすら気付いていなかった、覇龍隊のメンバーは焦っているようです。
その間に、1人2人と倒していきます。
倒すと言っても、胸に付けている校章を切るだけです。
それだけで、選手は負け判定になります。また、気絶した場合にもその時点で負けという判定になります。
負けの判定をされた生徒へと追撃は反則を取られます。その選手も負けという判定になります。
また、負け判定をされた生徒がさらに攻撃を仕掛けるのも禁止です。負け判定を貰った直後に、攻撃する姿勢を取っていて、そのまましてしまった場合には特に何もありません。もしその攻撃によって、校章を切られても新しいものに変えることができます。
ただし、故意的に行った場合には、最悪そのレギオンの反則負けとなります。
「残り1」
『『はい』』
ここで倒せたのは3人だけでした。
他の4人は私達の本陣の方へ仕掛けたのでしょう。
ですがまあ、後数秒もすれば決着がつくでしょう。
ビー
『勝者、新聞部』
機械音によって私たちの勝利が言い渡されました。
恐らく、敵のメンバーが罠にはまったのでしょう。
罠とは言っても、拘束系の超絶技です。
拘束とは言っても、色々種類があります。
私達の先輩の場合は、今回使った罠でした。
「お疲れ様!皆のおかげで、今回も勝つことができたわ。ありがとう」
「先輩のおかげです。先輩の予測のおかげで有利に戦えたのですから!」
控室に戻ってきた私達に、リーダーの先輩がお礼を言ってきました。
ですが、本当にお礼を言うのは私達の方です。
先輩の能力で敵は本陣に数人残して、残りは正面から攻めてくるという事を予測しました。
そのおかげで、こちらには全くの被害も出さず、試合に勝利することができました。
今回のような、全員を倒すまで勝てないようなルールだと、突出した実力者のいない私達のような部活動組は不利になります。
ですが、その差を先輩の能力のおかげで埋めるどころか、追い抜くことができました。
「でも、次の試合は今回のようには行かないわ。次の対戦相手はあの不滅の戦姫よ。彼女たちは油断なんかしてくれないわ。次の相手は本気で潰しに来るわ!でも、私達だって勝つためにここまで頑張ったのよ!全力で勝ちに行きましょう!」
『はい!』
先輩のおかげで、私達の士気も大きく上がりました。
明日の試合相手、不滅の戦姫には緋和李さんやお姉さまがいます。
先程の覇龍隊とは地の力も大きく違います。そして、覇龍隊とは違い油断はしてこないでしょう。
ですが、今回は全力で勝ちに行きましょう!
「みんな!勝つわよ!」
『オー!』
士気も上がったところで、今日は解散になりました。
今日の所は休んで疲れを癒しておけとのことです。
■■■■■■
Back side.
少し驚きましたね。流石に5分とかからずに、試合が終わるとは思いませんでした。
試合が動いたのは3分ほど経った頃ですね。楓花さん達1年生が本陣を攻め落としました。
その後はそのことに気付いた覇龍隊の攻撃部隊が、少し焦ったのか急いだ様子で、新聞部の本陣へと攻め入ろうとしましたが、そこに張ってあった罠に引っかかり、動けなくなったところに校章を切られ、覇龍隊の敗北が決まりました。
ふたを開けてみると、新聞部の作戦勝ちになりますが、そう簡単なことでもないでしょう。
あの大きな差を作戦だけで埋めきり、尚且つ追い越した。
会長の下位互換とは言えど、侮れませんね。
「今日の確認はここまでで大丈夫よ。この試合だけは私が皆にも見てもらいたかったから、集まってもらったけど、明日は大事な初戦よ。落とす訳にはいかないわ。残りの試合、私は見るけど、みんなは解散して大丈夫よ」
「‥‥私は見ておきます」
「僕はいいかな。今日は部屋に戻ることにするよ」
「私も部屋に戻ります」
「じゃあ、私も」
「では、見ていくのは倉石さんだけね。分かったわ。明日は頑張りましょうね」
『はい!』
それぞれ解散しました。
明日は第3試合の準々決勝です。大事な初戦を落とさないように、頑張らないといけませんね。
そして、明日の午後には準決勝も控えています。
初戦を落としてはいけないとはいえ、ペース配分は考えないといけませんね。
それぞれの夜を過ごし、一夜が明けた。
誰が優勝するのか。誰もまだ知らない‥‥
ここまでお読みいただき有難うございました
では、次話の予告を倉石さんにしたいただきましょう
「倉石千寿、1年
…よろしく
今話では新聞部の実力の一端が見られた
新聞部を倒すために私達がどのような手を使うのか、こうご期待
これで、次話の予告はお終い
次話はすぐに投稿するらしい」
倉石さん、有難うございました
今後、予告の仕方覚えていきましょうね!
では、作者からのお願いです
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では、また次回お会いしましょう!




