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ファントムシュナイツ  作者: 聖花 シヅク
第2指令:ESS
11/18

1話:ESS予選・序

本日最後の投稿です

今話から、新章へと入ります

挿絵(By みてみん)


では、10話『ESS予選・序』お楽しみください

 覚悟を決め、学校へ向かった日から約1月が過ぎました。

 この間に、正式に白崎様に『お姉さま(ソラ―)』となっていただきました。


「緋和李、明日からESSの予選だから」


「分かりました。お姉さまは、体調の方はいかがですか」


「うん。先生からも大会に出ていいと言われた」


「それならば、良かったです。本当にあの時は死んでしまったと思いました」


 あの時のことは一生忘れられない、記憶になるでしょう。

 そう言えば、もう一つニュースがありました。

 私達、不滅の戦姫(シルヴィン)に新メンバーが加わったんです。


 新メンバーの名前は倉石(くらいし)千寿(せんじゅ)さん。

 私と同級生だそうで、半月ほど前に白石様が抜けた穴を埋めるため、私が一時的に軽戦士をやることになったのですが、先日の戦闘で浮き彫りとなった遠距離攻撃の圧倒的少なさ。その穴を埋めるために彼女に白羽の矢が立ちました。

 彼女は中学からの繰り上がりだったそうですが、元々かなりの実力者だったらしいです。

 私は中学時代の彼女のことは分からないので、何とも言えませんが。その後に一度だけあった戦闘では彼女の実力が良く分かりました。

 私のような付け焼刃の遠距離ではなく、純粋にその道を極めている弓士(アーチャー)でした。

 特に、命中率は他の方と比べても圧倒的に高いと思われます。


「じゃあ、今日は明日の打ち合わせがあるから、放課後忘れないようにして」


「はい。では、また放課後にお会いしましょう」


「じゃあ、いってきます」


 白崎様はそういうと部屋を出ていきました。

 私も行かないといけませんが、今日は一時間目が無くなっているので、変則的な日課となっています。




 1時間後、私も学校(本校舎)へと向かいました。


「緋和李さん!明日から予選ですよ!」


「そうですね。何でそんなに元気なのかは良く分かりませんが‥‥」


 本当に、何故そんなにも‥‥ああ、出ないからですかね。


「あ、そう言えば、明日の予選私も出ることになったんですよ!」


「ええっと‥‥楓花さんがですか?」


「はい!」


「レギオンには所属していなかったと思うのですが‥‥どうやって」


「ああ、その事ですか。部活の方で出させてもらえるんですよ。部活でも7人以上のレギオン非所属者がいるところは1つだけ、仮のレギオンとして出場できるんです。その代わり、人数は7人から9人と指定されていますけど」


 7人から9人ですか。まあ、レギオンに所属していない人は、大抵少し実力が低いか、後方支援型の人が多いですからね。

 そのくらいはいないと、一方的な試合にすらなりえますからね。去年の白崎様のようなパターンは例外として、ですが。

 去年は白崎様の所属していた、卓球部が予選でもかなり上の方まで行ったらしいですからね。まあ、彼女の戦い方は対人戦の方が向いていますからね。

 たった一つの個が、試合を分ける事すら存在する、という事ですね。今年の卓球部は大変でしょうね。

 いくら、白崎様の個のおかげとは言え、去年の参加者が5人残っているらしいですから、期待されているところもあるでしょう。


 私が所属したのは、蹴球部です。まあ、簡単に言えばサッカーですね。

 何故か名前が漢字で書かれていましたが。関係はありません。サッカーはサッカーです。

 私は中学時代、いくつかの部活を掛け持ちしていました。

 主としてやっていたのは陸上ですが、手伝いを頼まれたり、人数合わせで入ったりと理由は様々です。

 野球にサッカー、バレー。あとは吹奏楽もやりましたね。

 その中で、一番うまくできたのがサッカーだったので、蹴球部に入ることにしました。


 特にどこというポジションをやっていたわけでもありません。

 トップ下にサイドバック。他にもフォワード以外なら大体やった事があります。

 フォワードは中学のチームにかなりうまい人がいたので、やった事がありません。と言うか、トップよりもそれを輝かせるポジションの方が楽しそうだったので、そちらを優先的にやっていました。多分やってみれば、そこそこできます。


「緋和李さんのサッカー部、じゃなかった。蹴球部は出ないのですか?」


「蹴球部は部員の9割はレギオンに所属していますよ。運動系の部活ですからね」


 なお、人数は20名程度で、これでも人数は多い方です。

 その内3名はマネージャーです。そこそこガチの部活だったので、かなり驚きました。

 シュナイツ育成学校の生徒も、一般の高校と同じ大会に出ることは出来ます。

 ただし、一般の高校も参加する大会の場合にはマギの使用は禁止されますが。シュナイツ育成が校同士で開催される大会では、マギの使用のみ解放されます。超絶技(スキル)の使用は完全に禁止されています。

 超絶技(スキル)の使用がありだと、試合として成り立たなくなるので、当然ですね。


「緋和李さんはどこのポジションやっているのですか?」


「私はトップ下ですね。時と場合によって、攻めと守りを切り替えているので結構大変ですよ。ただ、トップにボールを上手くつなげられた時は凄い快感ですね」


「人それぞれ、好きな瞬間のために頑張るのですね」


「それが部活動の楽しみの一つですね」


 あ、楓花さんの所属しているのは新聞部。

 学園内の情報の伝達や、今回のような大会の運営・進行係を務めていることが多いです。


「楓花さんは、明日の予選では運営の方はいいのですか?」


「まあ、私の入っている部活動は中等部も合わせると50人を超えますからね」


「ああ、それもそうですね。明日は中等部の生徒も運営の手伝いをするらしいですからね」


 中等部にレベルの高い戦いを見せるため、と言った理由もあるそうです。

 確かに高いレベルのものを見ていたのと、見た事の無いのでは目標が大きく変わってきますからね。

 漠然とした目標よりも、分かりやすい目標を立てさせた方が良いですものね。


「ああ、そう言えば忘れていました。ゴホン。緋和李さん、明日の意気込みをお願いします」


 楓花さんは録音機についているマイクを私の方へ向けて、そう聞いてきました。


「そうですね。まずは、レギオンの皆さんの足を引っ張らないように、精いっぱい頑張りたいと思います。その上で、勝つのは私達『不滅の戦姫(シルヴィン)』です。目指すは優勝ではなく、優勝するのが当然ですね」


 言い切りました。

 少し悪役(ヒール)みたいな言葉になっていますが、周りを煽る目的もあるのでそちらの目標は達成できそうです。


「言い切りましたね‥‥緋和李さん、ありがとうございました。流石にこの言葉をそのまま載せるわけにはいかないので、少し変更しますが大まかな言葉は変えずに明日の新聞に載せますね」


「はい。よろしくお願いします」


「では、部室に行ってきます!」


「楓花さん!今から授業ですよ!」


「忘れていました!」


 これ、まだ一月程度しか経っていないのですが、何度目でしょうか?少なくとも10回はやってますね。


「楓花さん、少しは落ち着きを持って行動しましょうね」


「はい‥‥」


 今日は午前の授業を終えた後は、それぞれのレギオンでの訓練、作戦会議の時間になっています。

 明日の作戦を簡単に決め、私達は解散しました。

 その後はお風呂に入り、夕食を食べやることを終えたら、すぐに寝ました。

 最近は少し、量を食べる事にも慣れてきた自分が怖いです。(楓花さんの10分の1にも満たない量ですけど)

 太らないように、きちんと運動しなければ!





『皆さん!ついに、今日という日がやってきました!1年生は初参加という事もあり緊張しているかもしれませんね。ですが、先輩たちはそんなのお構いなしに、全力で攻めてきますよ!2、3年生の皆さんも相手を1年生だから思って、足を掬われないようにしてくださいね!』


 ESSの予選は、新聞部の進行係の大きな挨拶と共に始まりました。


『さて、会場のボルテージも上がってきたところで、本日参加するレギオンで、本選出場候補の皆さんを紹介します!そ・の・ま・え・に、本日の司会進行を務めるのは、(わたくし)。昨年度のミスコン8位の『大木田(おおきだ)亜弥(あや)』がお送りします!では、出場選手の紹介へと移ります。

 まずは、栄菟女学院と言えばこちらの皆さん!【不滅の戦姫(シルヴィン)】の皆さんです!』


 凄い技術ですね。大木田さんと言いましたか?彼女の後ろに、私達の顔写真が浮かび、それぞれの名前とレギオンの名前も浮かんでいます。

 それよりも、大木田さん。ミスコンで8位とは凄いのかどうか、一切見当もつきませんね。何だか、中途半端な順位です。


『リーダーを務めるは、我らが生徒会長『雲雀・(フェルト)・リンネ』様!昨年は【不滅の戦姫(シルヴィン)】メンバーとしてESS本選で準優勝の立役者となりました!

 続いては、我らがお姉さま『島濱(しまはま)水智(みさと)』様!2年生ながら、防御力だけで言えば栄菟女学院1!学園順位も38位とかなりの高順位です!

 続いては、我が学園が誇る最強の一角『|白崎文華(あやか)』様!暗殺者(アサシン)(タイプ)の戦闘型でありながら、学年順位では堂々の1位。学園順位でも2年生に上がった時点で1桁に到達するほどの実力者です!

 続いてはこの方。品行方正、文武両道。我らが姫『倉石(くらいし)千寿(せんじゅ)』!昨年度のミスコンでは中学生にして3位と、高順位をたたき出した、我らが弓道部の姫です!

 最後を飾るはこの方。全くの無名ながら、入学式にて突如と現れ学園最強と名高いこのレギオンへと入った『秋峰(あきみね)緋和李(ひおり)』!今年のESSにて期待を寄せられる新星(ニュービー)です!

 こちらの5名が、今年の【不滅の戦姫(シルヴィン)】のメンバーです!』


 あのテンションを維持するのは大変そうですね。


『え~っと、先日、不滅の戦姫(シルヴィン)の皆様から、今大会に向けての意気込みを聞いてきました。私の方で読み上げます

雲雀様。「今年も皆様の期待を裏切らないよう、予選では優勝を飾り本選へ向かいたいと思います。本選では今まで1度しか達成していない優勝を果たし、優勝旗を持って帰りたいと思います」以上です。雲雀様ありがとうございました。

水智様。「僕がレギオンの皆を守り、みんなで優勝を果たしたいと思っている。折角の機会だ。皆全力でぶつかってきたまえ。僕が全力で阻む!」以上です。白崎様有難うございました

文華様。「目指すは優勝。絶対に勝つ」‥‥以上です。文華様ありがとうございました

千寿さん。「目指すのはやはり優勝です。ですが、上だけ見過ぎて足元を見失わないように、初心に帰る気持ちで一つ一つの試合に全力で臨みたいと思います」以上です。千寿さん、ありがとうございました

緋和李さん。「レギオンの皆さんの足を引っ張らないように、精いっぱい頑張りたいと思います。その上で、勝つのは私達不滅の戦姫(シルヴィン)です。油断せずに確実に勝ちを目指します」以上です。緋和李さん、ありがとうございました

いやー。今年もレギオンメンバーの性格のよく出た、意気込みとなりましたね。雲雀様は落ち着いた感じでありながらも、心は熱く。水智様は根っからのお姉さま気質。文華様は口下手。千寿さんはチームを支える柱。緋和李さんは‥‥悪役(ヒール)でも目指してみたのでしょうか?』


 余計なお世話です!


『さて、不滅の戦姫(シルヴィン)の皆さん、ありがとうございました。続いて我らが3年生の誇る、優勝候補の一角であるレギオンを紹介していきましょう!————』




 その後もいろいろとレギオンについての紹介が行われました。

 その後には今回のルールなどの説明が行われ、早々に一回戦へと移っていきました。

 私達不滅の戦姫(シルヴィン)はシード枠です。と、言うかレギオンとして登録されているところは全てシード枠で、部活動の方たちで1回戦は行われるようです。

 部活動の方で参加した方たちに、少しでも楽しんでいただこう、といった考えなのでしょうかね。


ここまでお読みいただき有難うございました

次話の予告を楓花ちゃんにしていただきましょう


「こんばんわ!楓花です

それでは、今話を振り返っていきましょう

前話で復活を果たした緋和李さんが、今話ではより実力を伸ばして登場しました

私だって、この一カ月でかなり成長したのですよ!

そして、緋和李さん達【不滅の戦姫(シルヴィン)】には、新メンバーが入りましたね

倉石千寿さんですね。実力は学年全体的にみてもかなり上の方

まあ、あのレギオンに所属している時点で、当たり前のことですね

では、次話の予告に入りましょう

次話では私達、新聞部の激闘があります!

私達新聞部がどこまで勝ち残るのか!乞うご期待です


これで、次話の予告を終わりにします

次話の更新は明日6時から8時の予定のようですよ」


楓花ちゃん有難うございました


では、作者からのお願いです

面白い、また見たい、続きを早く読みたい、と思っていただけた方は、ブックマークと下にある☆を★にしていただけると嬉しいです

励みになるので、どうかよろしくお願いします!


では、また次回お会いしましょう!

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