裏庭にて
見ていただきまして、ありがとうございます。
今日は裏のお庭でパックしようかしら。
風通しも良いし滅多に人も寄り付かないし穴場スポットね!
お母様に怒られないように、とボウルにきゅうりとレモンの輪切りを入れて裏庭に向かう。
どうやら先客がいるようだ。
「お兄様っ!」
兄のディオスが本を片手に紅茶を嗜んでいる。
あぁ…なんて絵になるんでしょう!
カメラがあれば何枚も撮るのにっ…!!
「やぁ、レーカ。私の憩いの場が見つかってしまったね」
はは、と立ち上がり微笑みかけあたしが座れるように椅子を引いてくれた。
ス、スマートすぎる…!
「ごめんなさい、お邪魔だったかしら…」
オシャレなガーデニングテーブルにボウルを置き座る。
「いいや、レーカなら大歓迎だよ。ところでこれはいったい何に使うんだい?」
「これはこうするのよっ!」
得意げに顔にきゅうり、レモンを貼り付けていく。
お兄様が唖然とした表情でこちらを見ている。
あ〜…またあたしやっちゃった…?
「こ、これは…とてもお肌に良いってどこかの文献で読んだので…実践してみたくなってしまったの」
「あぁ、そうだったんだね。食べるだけのものだと思っていたよ。本当にレーカは聡明だね」
苦し紛れの言い訳でも、お兄様信じてくれたのね…
いや、優しいお兄様の事だから信じたフリをしてくれているのかしら…
再び本に視線を落とすお兄様に心の中で感謝して、あたしはきゅうりで視界を塞ぐのに集中した。
短い&スローペースで申し訳ございません。
なんとか無い頭しぼるので応援していただけると幸いです。