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2.挑戦! 迷宮『ユグドラシル』!

 レイジは、この大陸で前人未踏攻略不可能と言われた迷宮『ユグドラシル』へと挑戦していた。

 『ユグドラシル』は誰も攻略した事が無い、謎の多い迷宮だ。国の伝説では『ユグドラシル』底深くに、神が秘宝を隠したという。そしてその秘宝を守るために、迷宮は恐ろしい罠と魔物が待ち受けているのだ。


 レイジは冒険が好きだ。

 冒険家の集大成として、この攻略不可能と言われている前人未踏の迷宮『ユグドラシル』に挑戦していた。

 レイジにとって、この迷宮の攻略は悲願だった。嫁さえいないレイジには、冒険家しか残っていない。レイジは迷宮の攻略をやり遂げるしかなかった。


 レイジは『ユグドラシル』に何度も挑戦している。今回の探索では潜り始めてから三か月が経過し、今までの独自の調査も手伝って順調に進んでいる。

 深い階層に潜れば潜る程、最悪の魔物と恐ろしい罠がレイジを襲った。並みの冒険家であれば、いつ死んでもおかしくない。だが豊かな経験と少しの幸運が、レイジを危険から守っていた。


 レイジは、罠は魔法で探知し、魔物は剣で切り伏せた。食料は魔物の肉、水は魔物の血を啜っていた。


 こんなことをしていれば結婚等できるわけもない。女性は近づいてきてすらくれないだろう。

 レイジはそう考えながらも、迷宮の探索を続けるが、嫁への未練は消えそうにもない。


 レイジの迷宮探索は順調に進み、ようやく小さな部屋を見つけた。

 迷宮の最深部には、迷宮を守るボスと呼ばれるモンスターが存在している。ボスは迷宮を守り、ダンジョンの宝を守っているのだ。冒険家は、ボスを制圧し迷宮の資源を得る。


 レイジは、伝説に違わぬ迷宮の最深部にたどりつき、息をのんだ。

 そしてボスがいるであろう部屋の扉を開けた。


 そこには神話で語られる生物、混沌災厄の魔物ジュブ=シュイナが待ち受けていた。


 語るにも悍ましい姿形をしており、冒涜的な触手がうごめいている。並みの冒険者はこれを見ただけで発狂するだろう。しかしレイジは状態異常対策を十全に行っていた。冒険は訓練と装備である。レイジは伊達に冒険に人生を捧げていなかった。


 ――そしてレイジとジュブ=シュイナとの戦闘が始まった。

 

 レイジはジュブ=シュイナに向かって、極大魔法《極滅の業火(シン・フレイム)》を放ちながら、愛剣《雪月花》を振るった。《極滅の業火(シン・フレイム)》は、極大と呼ばれる魔法の最上位呪文である。この魔法の使い手は少なく、そして強力だ。数千度という青い炎が、ジュブ=シュイナを包みこんだ。ジュブ=シュイナは炎に焼かれながら、おぞましい鳴き声を上げていて、耳をつんざくような嫌気がレイジを襲った。


 「ォ”#$%オオオ”##ォォ!!!!! ヴォォオ&オアア#$アア””””!」


 レイジは、ジュブ=シュイナの様子を見て、早期に決着をつけるべきだと決断した。

 ジュブ=シュイナの触手からは、何か粉のようなものが出ており、それを吸ってしまうのは良くないと判断した。《極滅の業火(シン・フレイム)》がその粉のようなものも、ジュブ=シュイナと一緒に燃やしていたが、その効果も長くは続かないだろう。


 それに耳をつんざくような悲鳴は、レイジの心を底冷えさせるような恐ろしさを感じさせ、精神に攻撃されているものだとも判断できた。


 レイジは、意を決してジュブ=シュイナのもとに飛び込む。

 前進することが活路を見出す方法として優れいてるからだ。

 

 神話の生物とは言え、首を落とせば倒せるはずだとレイジは踏んだ。

 そしてレイジは、愛剣である<<雪月花>>を大きく振りかぶり、切りつけた。非常に大柄な大剣は、大木でさえバターのように引き裂いてしまうような大剣である。


 レイジとジュブ=シュイナの視線が交錯する。レイジが激しく燃えているジュブ=シュイナに近づくと、熱気がレイジの肌を焼いた。


 それでもレイジは、ジュブ=シュイナの首筋へ、<<雪月花>>を振り落とした。

 狙うは一点集中、 弱点と思われる触手が絡みついたような首筋のみ。


 レイジの一閃はジュブ=シュイナの首を跳ねて絶命たらしめ、へたりと倒れこませた。


 レイジは額の汗をぬぐった。勝負とは一瞬の出来事。


 レイジは倒れこんだジュブ=シュイナを観察した。いくつかの魔法を打ち込み、間違いなく死んでいるのを確認し、ついに最深層に足を踏み入れた。


 最深層は、ずいぶんと小さかった。明らかに他の階層と雰囲気が違う。

 透き通った小さな湖があり、その中央に宝箱が置かれていた。

 周りを見渡し、注意深く調査するも、下層への道はない。


 ここが迷宮『ユグドラシル』のゴールらしい。


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