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「ええ。田舎から親戚が遊びに来ててね。今日はお祭りだし、案内していたところ」
声も口調も今時の女子高校生のように振る舞う。
すると表情も歳相応に見えるから、とっても不思議。
「ミナさんはご一緒じゃないんですか?」
と外国の女の子が言う。
外見と浴衣が、合わないようで似合っている。
流れるような長い銀髪に、深海色の瞳。
同じく浴衣の生地は深海色で、銀色の鳥が柄になっていた。
色白の肌に良く似合っているな。
…けれど何だろう?
マカとは正反対の容姿と雰囲気を持っているのに、何か…近い存在のように感じられる。
そうだ。マカと最初に会った時にも、同じことを感じた。
―このコ、普通の人間じゃない。
そう言えばマカは言っていた。
『魔女』と。
それはこの外国の女の子のことをさしていたんだろう。