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それを見て、マノンは口の端を上げ、皮肉げに笑った。
「翼を持つ蛇、か…。地を這うモノが、天を飛ぶモノを持っているなんて、おかしな存在だ」
「だから邪教なんて呼ばれていたんじゃないの?」
「リウは意外に辛口だよな」
「キミやマカには心底負けるよ」
リウは何とも言えない複雑な顔をしながら、歩み進める。
やがて十字架の下の部分にたどり着く。
そこで鳥がクチバシを使って、十字架の下の部分をしつこく叩いていた。
「ふぅん。こうかな?」
リウは十字架の下の部分を押した。
そこは胴の部分より、少し太くなっている。
「コレってアレかな? いわゆる男性…」
ゴンッ!
教会の中に、リウがマノンの後頭部を殴る音が響いた。
「いったー!」
「マカは下ネタが大嫌いだったからね。移ったかな?」
そう言いつつ、マノンを殴った手を振る。
「だからって殴ること…」