132/161
6
マカは眼をスっと細めた。
「お前達、贄になった者の中に能力者がいないことは分かった。だが、お前達が死に追い詰めた人間には、あったんじゃないか?」
「あっ!」
マカに言われて、わたしは思い出す。
「…確かに、わたしは出会った人が普通か、普通じゃないかの見分けがつくわ」
マカの時も、あのリリスってコの時も、わたしは無自覚ながら、気付いていた。
普通の人間じゃないってことを。
何で不思議に思わなかったんだろう?
「なら、普通じゃない人間の元へ行った回数は多かったか?」
「…ええ。多かったわ」
何で分かるのかまでは分からない。
けれど確かに、普通じゃない力を持つ人間は分かったのだ。
実際、その力を見たワケでも、教えられたワケでもないのに…。
「…じゃあわたしは、能力者の元に運ばれていたってこと?」




