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翼を乞う  作者: 佐々鈴
1/1

ゴウンゴウンと機械が唸りをあげる機関室から出たジェシカは、額ににじんだ汗を冷まそうと飛行船の甲板へとやって来た。


欄干に寄りかかり、ふぅと一息つくとすっかり暗くなった空を見上げた。地上にいるときよりも、より近くに感じる星々は今日も変わらず美しくきらめきながら、ジェシカを見下ろしていた。

そんな星たちの中心で金色に輝くのはまん丸の満月である。


「今日は満月か。道理でいつもより明るいわけだ」


そう呟くと、右手を月にかざした。


「昔から満月は吉兆の証と言うけど、今夜は何かいいことでも起こるのだろうか。どうせなら樽ごと酒が降ってくればいいんだがな」


最近は忙しくて、ろくに酒も飲めん、と一人ごちるジェシカの目のはしに何か黒いものが写った。


「は?ほんとに酒樽が降ってきたのか?」


興奮したジェシカは欄干から精一杯身をのりだし、黒い影を目で追った。それは月明かりの下どんどんこちらへ近づいている。

と、一瞬月に雲がかかり辺りは闇に包まれる。


再び明かりが指したときジェシカは二つの意味で驚いた。

一つは、当たり前だが酒樽ではなかったこと。

もう一つはそれが人の形をしていたこと、更にその背に...


「...翼?」


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