おおきなケーキ ~ちいさいの~
あるくにに4人のおひめさまがすんでいました。
4人のおひめさまはさまー、おーたむ、うぃんたー、すぷりんぐといいました。
さまーはおそとであそぶのがだいすき。ぶらんこやすべりだいがとってもだいすき。
おーたむはおべんきょうがだいすき。いつもなぜ、なぜ、ってきいてます。
うぃんたーはほんをみるのがだいすき。いつもえほんをもっています。
すぷりんぐはおままごとがだいすき。おかあさんやくがだいすきです。
4人のおひめさまはだいのなかよしでいつもたのしくあそんでいました。
そんなおひめさまたちでしたが、あそんでばかり?ではありません。
ちゃんとおひめさまにはおひめさまのおてつだいがあるのでした。
それは塔からおそとをながめて、みんななかよくしているかな?ってみることでした。
まるでおかあさんですね。
塔ってなあに?
塔っていうのは、たてにながーいおいえです。
てっぺんからおそとをみるととおくまでみえるいえのことです。
おひめさまたちはその塔からとおくまでおそとをながめてみんななかよくするのをみるおてつだいがあるのです。
でもながめているだけだとたいくつなので、じゅんばんにおてつだいをします。
さまーのあとはおーたむが。おーたむのあとは、うぃんたーが。うぃんたーのあとはすぷりんぐが。すぷりんぐのあとはまたさまーがおてつだいをします。
そうやってみんななかよくするのをいつもいつもみています。
いまはうぃんたーが塔でおてつだいをしています。
うぃんたーはおそとをたのしそうにながめています。
あのこはすべりだいであそんでいます。あっちのこはえほんをよんでいます。
こっちのこはおようふくをたたんでいます。そっちのこはおつかいをしています。
あれあれ?あのこはいたずらしておかあさんにおこられています。
あのこもそう。おねしょしておかあさんにおこられています。
うぃんたーはたのしくおそとをながめているのですが、ひとつこまっていることがあります。
「すぷりんぐちゃん、おそいなー」
そうです。
すぷりんぐがおてつだいをするばんなのですが、まだすぷりんぐはきていないのです。
「どうしたのかな。すぷりんぐちゃん」
おなかいたいのかな。ころんだのかな。わるいこにとおせんぼされてるのかな。
だんだんと、うぃんたーはすぷりんぐがこないことにうーんうーんとなやんでしまいます。
ういんたーはよいことをおもいつきました。
そうです。すぷりんぐを塔からみつければよいのです。
うぃんたーはすぷりんぐがどこにいるか塔からながめることにしました。
まあ、なんということでしょう。
すぐにすぷりんぐはみつかりました。
すぷりんぐはさまーとおーたむといっしょでした。
そして、うぃんたーがおてつだいをしているのに、みんなでなかよくケーキをたべていたのです。
ふわふわあまーいまっしろケーキ。いちごがのった、まっしろケーキ。
それをすぷりんぐはおいしそうにたべていました。
おてつだいのことなんて、まったくきにしていないようでした。
「すぷりんぐちゃん。おてづだいさぼって、ずるい」
うぃんたーはおこってしまいました。
ういんたーはおてつだい。でもすぷりんぐはおてつだいをさぼってケーキをたべているのです。
おこってあたりまえです。
ういんたーは塔からすぷりんぐをみています。
すぷりんぐはケーキをたべおえるとようやくおてつだいをおもいだしたようです。
すぷりんぐは塔へとやってきましたが、うぃんたーは扉のかぎをかけてしまいました。
すぷりんぐは塔にはいれないのでこまってしまいました。
こまったすぷりんぐは、なかにいるうぃんたーにいいました。
すぷりんぐ:「うぃんたーちゃん、あけてー」
ういんたー:「やだ」
すぷりんぐ:「どうしてー?」
ういんたー:「すぷりんぐちゃん、おてつだいさぼって、ケーキたべた」
すぷりんぐはびっくりしてしまいました。
そうです。
すぷりんぐはちょっとだけならいいかな、なーんておもってたのです。
でもうぃんたーはおこっています。
どうしよう。
ういんたーはどうしても扉をあけてくれません。
すぷりんぐはどうすればいいのかほんとうにわかりません。
うーん、うーんとなやんでもほんとうにわかりません。
うぃんたーが扉をあけてくれないので、すぷりんぐはしょんぼりして家にかえることになりました。
かえりみち、もぐらのおかあさんとこどもがおはなしをしていました。
もぐらのおかあさん:「どうしてお皿をわったのかくしてたの」
もぐらのこども:「だって、おこられるから」
もぐらのおかあさん:「こんどから、ちゃんというのよ」
もぐらのこども:「ごめんなさい」
てくてくとあるいていると、かめのおかあさんとこどもがおはなしをしていました。
かめのおかあさん:「どうしてこなかったの」
かめのこども:「あるくのおそいから、まにあわなかったの」
かめのおかあさん:「じゃあつぎからは、ちゃんとじかんをみましょうね」
かめのこども:「ごめんなさーい」
またてくてくあるいていると、白鳥のおかあさんとこどもがおはなしをしていました。
白鳥のこども:「ごめんなさい。おそくなっちゃった」
白鳥のおかあさん:「いいのよ。まだちいさいから。こんどはちゃんとしましょうね」
白鳥のこども:「うん。つぎはちゃんとする!」
白鳥のおかあさん:「いいこね」
白鳥のこどもはあたまをなでてもらっていました。
またてくてくあるいていると、ライオンのおかあさんとこどもがおはなしをしていました。
ライオンのこども:「ごめんなさい。あそんでたらおもちゃこわしちゃった」
ライオンのおかあさん:「まあ、わるいこね。でもちゃんとかくさずおはなししたからおてつだいしたらゆるしてあげる」
ライオンのこども:「ほんと?おこらない?」
ライオンのおかあさん:「ちゃんとおはなししたからおこらないわ」
ライオンのこどもはおかあさんといっしょにかえっていきました。
どうしてうぃんたーがおこっているのかすぷりんぐはわかってしまいました。
そうです。すぷりんぐはおてつだいをさぼったことをまだうぃんたーにごめんなさいしてないのです。
「わたし、うぃんたーちゃんにごめんなさいしてない」
すぷりんぐはあわてて塔にいきました。
やっぱり扉はしまっています。
すぷりんぐ:「うぃんたーちゃん、あけてー」
うぃんたー:「やだ」
すぷりんぐ:「うぃんたーちゃん、あのね、わたし、ごめんなさいしたいの」
うぃんたー:「どうして?」
すぷりんぐ:「うん。おてつだいさぼってごめんなさい。おそくなってごめんなさい。わたしのこと、きらいにならないで」
うぃんたー:「じゃあ、こんどいっしょにケーキたべてくれる?」
すぷりんぐ:「うん!みんなでいっしょに!」
うぃんたーは扉をあけてすぷりんぐににこっとしました。
すぷりんぐもうぃんたーににこっとしました。
そのあと、うぃんたーとすぷりんぐはなかよくくらしました。
みんなでにこっとするのはまたのおはなしで。
ちょっとした用語集
くに
パパ、ママ、XXちゃん、みんながいるところ
おてつだい
おかあさんといっしょにうごいておかあさんをたすけること
げんかん
おいえのはいるところ
とびら
おへやにはいるところのうごくところ
かぎ
とびらがあかないようにするところ
あかない、ひらかない
なかがみれないこと
なか
かこまれているところ
かこまれている
まわりにいっぱいあること
まわり
みえるところ
家〔いえ〕
ごはんをたべたり、ねたりするいつもいるところ
くらす
ごはんをたべたり、おねんねしたり、べんきょーしたり、おてつだいしたり、あそんだり、なかよくしたり、けんかしたり、すきになったり、きらいになったりすること