春美と杏花(7)
[春美]:「あ、おいっ!? くそ……」
春美もダッシュして退場
杏花は叫びながら逃げる
数秒後、はけた方とは逆側から出てくる
春美、片膝をつき、肩で息をしながら。
[春美]:「はあ……はあ……」
[杏花]:「大丈夫?」
[春美]:「お前の、せいだろ。はぁ……はぁ……」
[杏花]:「私のせい?」
[春美]:「お前の動きが早すぎるから、ずっと走りっぱなしだったんだぞ。疲れないわけ、ないだろが……」
[杏花]:「だって、捕まったら負けなんだから、本気で逃げないとおもしろくないじゃん。それに、手加減されても嬉しくないでしょう? 男のプライドに傷つけるのはよくないって聞いたことあるし」
[春美]:「鬼ごっこぐらいで、プライドに傷なんかつかねぇよ。……はぁ、はぁ……」
[杏花]:「わぁ、本当に疲れてる。運動不足?」
[春美]:「何度も言わせんな。お前が早すぎるからだ」
[杏花]:「幽霊ですみません」
[春美]:「幽霊の動きは速いっていうのは、本当だったんだな……」
[杏花]:「そっか、私って足速かったんだ!ねえ、今ならオリンピックで良いところいけるかな?」
[春美]:「エントリーの段階で確実にアウトだ」
[杏花]:「えー? 差別? 差別なの?」
[春美]:「差別じゃなく、死別してるんだろ……」
[杏花]:「あ、上手い。ステーキ一枚」
[春美]:「いらん。つうかステーキって何だよ」
[杏花]:「座布団もらっても嬉しくないかなって思ったから」
[春美]:「ステーキなんて尚いらんわ。もらっても困るだけだ」
[杏花]:「私はステーキもらえたら嬉しいよ?」
[春美]:「お前の価値観で判断すんな」
[杏花]:「そんな~。でもそうだよね、人間、それぞれ価値観は違うものだよね。みんな違ってみんないいんだよね」
[春美]:「大胆にパクるな」
[杏花]:「え? これは私オリジナルの言葉だよ?」
[春美]:「嘘つけ。お前がそんな言葉を残せるか」
[杏花]:「む、言ったな。私だって本気を出せば、金子さんに勝てる言葉残せるんだから」
[春美]:「やっぱりパクってるじゃねぇかよ」
[杏花]:「じゃあ、ちょっとシンキングタイム~。……………………」




