春美と杏花(5)
[場所:公園、桜の木の下]
杏花、既に檀上にいる。
春美、ゆっくり登場。
[杏花]:「あ、おーい、お兄ちゃ~ん!」
[春美]:「目の前にいるのに、手を振らなくても分かるって」
[杏花]:「来てくれたんだね、嬉しいな~」
[春美]:「何も予定がなかったからな」
[杏花]:「えへへ、ありがとう」
[春美]:「……それで、今日の用件は何だ?」
[杏花]:「うん。今日は、一緒に遊んでほしいな」
[春美]:「は?」
[杏花]:「遊びよ、遊び。英語で言うならレッツプレイ…プレイ?」
[春美]:「何かオカシイことになってるぞ正気か? お前」
[杏花]:「私はいつでも全力で生きてますよ」
[春美]:「いや、お前幽霊だろう」
[杏花]:「幽霊でも意識があるんだから生きてることと同義だよ」
[春美]:「生きてる幽霊って、それ幽霊じゃねぇだろ……」
[杏花]:「じゃあ、私は人間に戻ったってこと?」
[春美]:「そういうわけでもねぇだろ」
[杏花]:「もう、どっちなの?」
[春美]:「お前が言いだしたことだろうが」
[杏花]:「ああ、そうだった。とりあえず、私は本気で言ってます。そのことに間違いはありません!」
[春美]:「……で遊ぶ理由は?」
[杏花]:「あんまり遊ぶ機会ってものに恵まれなかったからね。ちょっと体験してみたいなーって思ってさ」
[春美]:「それは生きてた頃のことか? 幽霊になってからのことか?」
[杏花]:「両方。りょーほう!」
[春美]:「何でかわいく言おうとした?」
[杏花]:「ふふ、ドキッとさせてみたかったから」
[春美]:「それで何の遊びがしたいんだ?」
[杏花]:「わ、流された。……えーっとね、幾つかあるんだけど」
杏花、指折りしながら。それを春美が見ている。




