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短編集

アンドロイドの少女と少年の悲しくも幸せな物語

読んでください・・・とにかく読んでください・・・

素直に心に響かせて下さい・・・

きっと何かを感じるはずです・・・

降る雨は赤かった・・・


降る雨は鉄くさかった・・・


降る雨は極上のごちそうだった・・・


降る雨は・・・愛すべき人の・・・


血だった・・・


彼は問うてきた・・・


何故俺を苦しめるのか・・・


何故俺を破壊するのか・・・


何故・・・俺が・・・任務対象なのか・・・


何故・・・躊躇なく・・・殺せるのか・・・


憎い憎い憎い・・・ためらい無く私を殺す君が憎い・・・


しかし・・・世界で一番君を愛している・・・


わからない・・・


愛している人を殺したから?


愛してくれていた人を殺したから?


助けれたのに助けなかったから?


殺さなくても良かったのに・・・殺したから?


もう、二度と愛してはくれないから・・・?


もう・・・二度と・・・話して・・・触れ合って・・・愛し合えない・・・・から・・・?


私に愛を教えてくれたのは貴方・・・


私に感情を与えてくれたのも貴方・・・


情も無く言われるがままにこの手を振るっていた私を唯一助けてくれたのは貴方・・・


私も・・・・・・


・・・


・・・・


・・・・・


・・・わ・・・私も・・・貴方を・・・愛して・・・・・・・・・た・・・・


私は確信した・・・愛すべき人を無くし愛してくれた人を無くし・・・私は・・・殺人者となった


あれから幾年が流れ・・・町は滅び・・・人類は衰退し・・・シェルターのような狭い空間に寄り添って生きていた・・・


私は市場を歩いていた・・・彼を殺してからこの身を洗ったことなど無い・・・


第一に私には体を洗うなどという行為は不要なのだ・・・


なぜなら私の体は・・・機械なのだから・・・


私はぼろぼろになり・・・ぼろぼろのマントを着てさ迷っていた・・・


愛すべき人をこの手で殺め・・・生きると言う意味を無くし・・・全てが無に見えていた・・・


そんな時・・・ふと見上げた先に一人の青年がこちらを見て佇んでいた・・・


かつて愛した人とその姿形はそっくりだった・・・


だが・・・彼が居るはずが無い・・・私がこの手で殺したのだから・・・


私はその場を逃げるように去ろうとした・・・だが・・・


神は何を思ったのか・・・それを許さなかった・・・


ッ!!!


青年が叫んだ・・・


かつて愛した彼と同じ声で・・・


かつて私を読んだ同じ名前で・・・


かつて愛していた人の名前を叫んだ・・・


しかし私はこの手で彼を殺めた者・・・


彼を愛することは許されない存在・・・


私は逃げた・・・


逃げて・・・


逃げて・・・


追いかけてくる彼から逃げて・・・


逃げ続けた・・・


彼がどんなに叫ぼうとも私は逃げ続けた・・・


だが・・・


私は・・・石に躓いた・・・


私は思った・・・神は無慈悲だと・・・


なぜこのまま逃げて彼と二度と会えないようにしてくれないのか・・・


なぜ私に罪の意識を再び思い出させるのか・・・


彼は私のそばに来た・・・


彼は私を抱き起し抱きしめてくれた・・・


彼は言った・・・


俺が死んでも変わりなく・・・人間のように生きてくれと言っただろ・・・


なのに・・・なぜ・・・こんな姿になるまで・・・


彼は泣いていた・・・むかしのように・・・私を愛してくれていたときのように・・・


私は言った・・・私は自分で幸せを断ったのだ・・・人間のように生きる意味など無い・・・


彼は私を正面に向かせた・・・


私は彼の顔が見たくなくて下を向いた・・・


彼の足もとにはしずくが垂れていた・・・


いくつも・・・いくつも・・・数えきれないぐらい・・・


彼は言った・・・君が俺の望みどおりに生きてくれなかったから・・・


神はもう一度チャンスをくれた・・・


一緒に生きよう・・・人間として・・・二人の恋人として・・・


彼はそう言い私の頬を抑え何年も洗っていない私の体を抱きしめ・・・私の唇に・・・


キス・・・・を・・・・した・・・・


私は驚いた・・・彼にキスをしてもらった瞬間感情が膨れ上がったのだ・・・


もっと抱きしめてほしい・・・もっとキスをしてほしい・・・もっと愛してほしい・・・かつて・・・彼に人間であり続けると誓ったあの頃のように・・・


私は懇願した・・・


人間のように生きる・・・だから私をまた愛してくれと・・・


彼はむかしのように笑顔で頷いてくれた・・・


私はこの時もう一度確信した・・・


彼は私を愛し・・・私も彼を愛していたのだと・・・


私は長年に渡りついた体の汚れを落とし・・・


長年着続けた服とマントを脱ぎ・・・


一糸纏わぬ姿で彼の前に立った・・・


彼は赤面して視線をずらした・・・


私は彼の両手を掴み言った・・・


ワタシヲアイシテクダサイ・・・コノミニキザミツケテ・・・ニドトウラギラナイヨウニ・・・と・・・


彼はしばらく躊躇した様子を見せた後・・・決心した顔をこちらに向け・・・・わかった・・・と、言ってくれた・・・


私は・・・彼を殺す前よりもずっと人間らしく・・・そして・・・彼の恋人にふさわしい人間になった・・・


私は・・・永遠に忘れないだろう・・・この100年間を・・・


彼と初めて出会い彼を愛し・・・


彼を初めて殺し彼と別れを告げ・・・


彼が記憶を持ち続け私の前に現れた事・・・


始めて・・・私の体に愛を刻みつけてくれた事・・・


彼と・・・結ばれた事を・・・


アンドロイドにとって比較的低確率であるが・・・


彼の子を宿せた・・・こと・・・を・・・・・・・・・


私は自分が生きてられる時間が少ないと悟っていた・・・


だが・・・彼には話さなかった・・・


私は子供を産んだ・・・


しかしそれが節目だったのだろうか・・・


私の体は活動をするのには限界だった・・・


彼は言った・・・なぜ・・・こんなになったのか・・・もっと早く言わなかったのか・・・と・・・


私は言った・・・


愛していた人を殺し・・・


二度と会えないと思っていたのに会え・・・


愛してもらいその証を生む事が出来た・・・


これほどの喜びは無い・・・私はそう告げ二度と息をしなかった・・・


彼は泣いた・・・


泣き続けた・・・


彼は叫んだ・・・


叫び続けた・・・


彼はわかっていた・・・泣いても叫んでも彼女は戻ってきてくれないと・・・


もう二度と手の届かない場所へ行ってしまったと・・・


彼女は機械で私は人間・・・


幾ら人間らしく生きても人間では無い・・・


彼は祈った・・・


彼女ともう一度会いたい・・・


彼女ともっと愛し合いたい・・・


彼女と子供を一緒に育てたい・・・


彼女と一緒に老いて行きたい・・・


彼女と・・・彼女と・・・


彼の願いは幾重にも重なり時間がたつにつれてその思いは強くなって行った・・・


ドクン・・・


彼女の体が脈を打ち始める・・・


彼女の体が・・・冷たい機械の体から・・・


彼女の体が温かい血液を流した体へと変わっていく・・・


彼は信じられなかった・・・目の前には・・・かつて愛した機械の女の子ではなく・・・


かつて愛した姿形をした人間の女の子だったのだ・・・


彼女は眼を覚ました・・・


彼女の唇はこう動いていた・・・


また・・・会えたね・・・


また愛し合おう・・・


今度こそ人間同士・・・


人間らしく・・・・


子供を育てながら・・・


家庭を築き・・・幸せになろう・・・と・・・


彼は感謝した・・・かつて自分の記憶をそっくりそのまま転生させてくれた神に・・・


彼女も感謝した・・・この世界で彼と人間の肉体で過ごしたいと言う願いをかなえてくれた神に・・・




          そう・・・これは・・・


          一人のアンドロイドの少女が任務として少年を殺めに行った時・・・


          彼に恋をし共に過ごし・・・


          愛し・・・


          絆を深めあい・・・


          しかし彼女の体は彼を殺し・・・


          少年の願いに背いた彼女を不憫に思った神が・・・


          救いの手を差し伸べ・・・


          二人を引き合わせ・・・


          彼らが真に愛し合うのを・・・


          助けたと言う・・・


          お話である・・・


神の力を借りて生き帰った少年は愛した少女と共に幸せに暮らしました・・・(どうも表現が足りなかったのでここに加筆します・・・)11/05/02

どうでしょう・・・?

何か感じましたか・・・?感じてくれたら嬉しく思います・・・


私が愛すべき全ての者へこの言葉を・・・


愛してくれてありがとう・・・たとえ死んでも愛し続けます・・・

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― 新着の感想 ―
[一言] 過去編、書くべし(キリッ)
[一言] うぉー!! かなりえぇ話ですやん!! せやけど、アンドロイドが殺してもうた少年と、最終的に結ばれた少年は、結局別人なん?
感想一覧
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