表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

ヘスティア先生の解説。その1

第一弾に解説するのは『岩琰龍ヘスティア先生』です。


女神ハルモニアちゃんが魔法世界へと派遣される少し前の約1万5千年前に魔法世界に赴任して来た龍の先生。


龍の中でも最大クラスに大きな身体(体長は尻尾まで入れると推定120m。あまりにも大き過ぎて体重などは測定不能)には似合わない俊敏な動きと可愛いらしい歌声で生徒達と遊んでくれる心優しき女教師。


オリュンポス12神の女神ヘスティアと同名ではあるのですが完全に別の存在です。

なぜ彼女は「ヘスティア」と名乗る事になったのか?その時のお話しをしましょう。


ここは天界の外れにある「家庭と秩序の女神ヘスティア」の炉。


神殿にて最初と最後の供物を受け取る特権を持つ女神ヘスティアは来たるべきオリュンポスの神事(忘年会と新年会)に向けて準備をしていた。


「この時期は忙しいです。色々と忙しいですねぇ~」

女神ヘスティアの前の炉に並べられた10個の大鍋からはモクモクと湯気が立ち昇っている。

まあ要するに宴会で出てくる食事の準備を担当しているのだ。


と言うのも他の12神達も含めるオリュンポス神族は食べる一方で大半の神が料理がほとんど出来ないポンコツ揃いなのだ。

他の神族には「料理を司る神様」が必ず存在するのですがオリュンポス神族には居ませんね?なぜでしょうか?


まあ一応、愛と美と豊穣の女神アフロディテも料理が出来るのだが彼女は現在主張中で不在である。

女神ヘスティアと女神アフロディテの他は農耕と収穫を司る女神デーメーテールが料理が得意なのだが残念ながら彼女も出張中である。


ちなみに、わたくし知恵の神メーティスの料理は旦那様いわく「美味くも不味くもないけど、なんか薬っぽい」らしいです。

根がマッドサイエンティストですので薬品ぽくなるのは仕方ないですね。


なので忘年会と新年会の全ての命運は女神ヘスティアに委ねられているのだ。


「皆さんたくさん食べますからねー」


今年の忘年会に出席予定の神は「天界で事務作業中の約120万の神」・・・そしてどいつもこいつもめっちゃ食べるのだ。

120万柱用の料理を一柱で用意するのはさすがの女神ヘスティアでもキャパオーバー感は否めない。


「さて。次は豚肉用の林檎ソースでも作りましょうかねー」


ホイホイと料理を拵えていたヘスティアだが、ここで忙しいが故のミスが発生する。

黄金の林檎の中に冥界の柘榴ざくろが混入していたのだ。出荷業者のミスである。


通常なら一個一個ちゃんと食材の確認をするヘスティアなのだが、なにせ今回は物量が違う。

確認せずに箱ごと一気に火鍋に入れてしまったのだ。


冥界の柘榴は黄金の林檎とは下処理が違う。まして黄金の林檎と一緒に火に焚べるなんてどんな魔法的ディザスターが起こるのか予想が付かない。


ドゴォオオオオオオーーーーーーンンン!!!

「きゃあーーー?!なんか炉が爆発しましたよーーー?!」案の定、炉から火柱が上がる!


そして立ち昇る火柱は徐々に変化して行く。

ゴウンゴウンと音を立てながら炎が魔法陣を形成していく・・・


「わあ?!黄金の林檎と冥界の柘榴を一緒に火に焚べると「召喚魔法」に変化するんですね~?」


そして・・・


「わあ~?」


ガシィイイイイインンン!!!バリバリバリバリバリバリ!ドドドドオオオンン!!!

召喚魔法陣が女神ヘスティアの神力に呼応して時空が裂け、その裂け目から星々をも揺るがすが如くの轟音が天界に鳴り響く!!!


「わあ?何か出て来ますよ~?」

裂け目からスルスルと何者かが召喚されて出て来る。


顕現した何者かはとにかく大きい・・・

徐々に形を成して行く何者かの色は「ルビーの様に赤く美しく輝いている」


「わあ?地龍さんですかね~?」


女神ヘスティアの言う通り、地龍の特徴である屈強な体格に大きな牙と長い尻尾、体格に似合わない控え目の翼・・・

別の宇宙からとんでもない超高位の地龍を召喚してしまった様子の女神ヘスティア。


もし女神アテネがこの場に居たら・・・『ヘスティアちゃんのばかぁ!!』と泣きながら卒倒する事間違い無し!の凄え大事になってしまった「超絶大大大失敗」なのだが・・・幸いな事に今は周囲には誰も居なかった。




「「あらあら?あらまぁ・・・ここは何処なのでしょうか?いきなり呼ばれて先生もビックリです!」」



時空の切れ目から現れた巨大な地龍は見た目にそぐわない可愛いらしい声を上げる。

そして物珍し気に周囲をキョロキョロと見回している。



「わぁ?わたくしったらとても立派な地龍さんを召喚してしまいましたわ?」

大失敗をやらかした女神ヘスティアだが生来の天然を発揮して「わぁ?大きいですわ~」とか言いながらホゲェ~と龍を見ていたら・・・


「「あらあら?まあまあ?可愛いらしい貴女はどちらの生徒さんですか?」」と女神ヘスティアに気が付き話し掛けて来る地龍。


「はじめまして龍さん。わたくしはヘスティアと申します。

よろしければ龍さんのお名前を教えて頂けましたら幸いです。

後、わたくしの失敗で勝手にお呼び出ししてしまい申し訳ありませんでした。

お料理をしていて失敗してしまったのです」


一応は自分がヤベェ事をやらかした自覚は有る女神ヘスティア。

真なる天然は直ぐに自分の過失を認めて謝る事が出来るのだ。


「「先生はビックリしましたがお料理に失敗したのでしたら仕方ありませんね!

先生のお名前ですか?・・・そうですねぇ・・・特にこれと言ったお名前は・・・

でも私は先生なので皆からは「先生」と呼ばれております」」

どうやら元の宇宙では先生をしていた様子の地龍。


そして最初から論点が2人共ずれています。普通なら「どう言う要件で召喚したのか?」とかが論点になりますがなぜか「お名前」の話しを始める。


真なる天然は論点がずれる事が多いのだ。


「わぁ先生様でしたのね?・・・でも、お名前が無いのは寂しいですわ。

そうだ!勝手に呼び出した事へのお詫びではありませんが「わたくしの名前」で良ければお使い下さいませ」


龍に対してとんでもない提案を始める女神ヘスティア。

神が自身の名前を他の超高位存在に預ける事は相手に「真名」を掴まれて支配される危険があるのだ。


しかし心配はご無用。


「「あらあら?まあまぁ?!「ヘスティア」なんて可愛いらしいお名前を先生に下さるのですか?大変に素晴らしいお話で先生もビックリです!」」

真なる天然にとっては「他者を操る」なんて概念自体が存在しないのだ。


「よろしければ是非ともヘスティアをお使い下さいませ」


「「分かりました!それではこれから私は「ヘスティア先生」と名乗りましょう」」


アッサリとヘスティア先生を名乗る事にした地龍。

真なる天然は話しが早いのだ。


ここで宇宙に「ヘスティア先生」が爆誕したのだった。

ちなみにこの時のヘスティア先生は「目の前の可愛らしい子が先生にお名前をくれたから先生は貰いました」だけだったらしい・・・先生として生徒からの好意を断る事などあり得ないのだ。


図らずも出会ってしまった二柱の真なる天然・・・

時空を超えた「真なる天然同士」の邂逅は更なる科学反応を引き起こす。


「お気に召しました様子で何よりですわ・・・あっ!そうですわ!

とある世界でわたくしのお友達のハルモニアちゃんが大変苦労しそうな様子なのです。

出来ればヘスティア先生にその世界に先生として赴任して頂きお友達を助けて頂きたいのですわ」


なんの脈絡も無い・・・と言うか普通ならとても馴れ馴れしく無礼千万な頼み事なのだが相手も真なる天然・・・真なる天然は「お話すれば誰とでも直ぐにお友達」になれるのだ。そして真なる天然は「お友達のお願いは断らない」のだ。


「「新しい勤務先ですね?そして「ハルモニアちゃんを助ける」んですね。

分かりました!先生にお任せ下さい」」と快諾してしまった・・・


「お願い致しますわヘスティア先生。

あ・・・でも、お料理に失敗した事を知られるのは恥ずかしいのでハルモニアちゃんには内緒で・・・」


「「分かりました!先生に任せて下さい」」


いや・・・料理に失敗したとかそう言う問題でもない気がします。


そしてこの時のヘスティア先生は「ヘスティアちゃんに魔法世界に行けと言われたのでヘスティア先生は来ました!」だけだったらしい・・・

真なる天然の本質は「お願いされると断れない」事に有るのだ。


「「それでは先生は「魔法世界」に赴任します」」


「よろしくお願い致します」


こうして、あれよあれよと言う間に魔法世界へと赴任してしまったヘスティア先生・・・

本当に話しが早すぎてマッドサイエンティストもドン引きです。


ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ


おや?

さて。ヘスティア先生の神力の波動データを天界のデータバンクに送って彼女が一体何者なのかの調べてもらっていましたがその結果が到着しました。


それでは調査結果を見て見ましょう。


えーと?なになに?

ヘスティア先生の真名は「オグドアドさん」と言うらしいです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


えーと?オグドアド・・・どこかで聞いた事が?・・・んーと?オクドアド?・・・・・オクドアド、オクドアド・・・


?!?!?!?!


「オクドアド」ぉおおおお?!?!オグドアド創世8神の母神様?!?!

わたくし達ティーターン神族の原初のご先祖様ーーー?!?!


想像以上に凄い神様だったぁーーー?!?!いや何してくれてん?!ヘスティアちゃーん?!


普通ならノーアポで別の宇宙から召喚するなど無礼千万!言語道断!の創世神様です!


えーと?まあ・・・分かり易く現状を人間社会的に解説しますと、「アメリカの大統領をノーアポで魔法で拉致して俺の自宅に召喚しちゃいましたぁ!!ドヤァ!」と、そんな感じだと思ってくれて良いです。


もしバレたら向こうは激怒・・・いや完全無欠な外交問題、下手したら戦争になるわ・・・


多分・・・向こうでは大騒ぎ、お祭り騒ぎになってんだろうなぁ・・・

当のヘスティア先生が怒ってないのが唯一の救い・・・かな?


旦那様(ゼウス神)の報告するべきか?


うーーーーーん?・・・・・・・・・・・・・・・・内緒にしとくか?

薮を突いて蛇を出す必要性もあるまいて。何だかんだで解説対象として面白いしね!


ヘスティア先生が自分の真名を忘れたのは周囲の者達があまりにも畏れ多くて安易にヘスティア先生の真名を呼べなかったからで、気が遠くなる時間の流れの中でヘスティア先生も自分の真名を忘れたんだろうな。


つーか、こんなヤベェ案件を全宇宙に公表出来る訳が無いのである・・・わたくしのせいでもありませんからね!うん!内緒にしとこ!そうしましょう。


この事を知るのは宇宙においても女神ヘスティアとヘスティア先生だけ。

そしてヘスティア先生も天然同士の堅い約束を守り続けてその内、女神ヘスティアに無理矢理召喚された事実をアッサリ忘れるだろう・・・

真なる天然の本質は「都合の悪い事は直ぐに忘れる」事に有るのだ。


なのでこれから暫くはヘスティア先生を観察して行きましょうね。

次回はヘスティア先生が「岩琰龍」の字を名乗る事になった出来事を解説します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ