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ファミリー異世界マート  作者: ハシバミの花
ラスボスのダンジョンへ
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翼竜リントヴルム

 気がついたら、デーモンキング城の前にいた。

 デーモンキング城の前には超なんかでっかいドラゴンがいて、やばい空気かもしてた。

「リントヴルム、炎をはく伝説の翼竜です! ある意味デビルフィッシュよりも危険な相手ですよ! 気をぬかないでください!」

「うっひょー、やっべえわ」

 元格闘家のよっぱらいの1000倍ぐらいのヤバさ。

「いや一万倍あるしょ」

「あるねー。あいつつれてきて特攻させたい」

「デーモンキング城、冒険おわったらゴミ焼却場につかえますねー」

 リントヴルムはボーボー火を吹いてた。

「っべーなこれ。鬼城さーん、一発強いのお願いしまーす」

「いきます。ファイヤーボール!」

 でっかい火の玉が飛んでって、ドドーンとリントヴルムにあたった。

 だが平気そうだった。

「これ、火を吹いてるリントヴルムに火属性は、効かないのでは? 水か氷の属性魔法あったしょ」

 周防くんが言う。

「えーとえーと、水か氷の属性ですねあわわっいきます。こ、これだ! アイスアロー!」

 グリコのポッキーぐらいの氷の矢がピョローっと飛んでウロコにはじける。

「ああっぜんぜん効かない」

「鬼城さんダガーだ」

「ええっと、アイスダガー!」

 子供用スコップぐらいの氷がペーっと飛んでってウロコにはじかれる。

「スピアスピア。氷系の最強魔法あるでしょ」

「こ、これ? アイススピア!」

 清掃モップ大の氷が飛んで、ついにウロコをつらぬいてささった。

「クゴオオオ!」

 リントヴルムがほえる。

 こわ。

「やーばいっすね石動さん。光とか火とか発熱系じゃないですか。そういうのは鬼城さん超トクイっすけど」

「うん。冷却系弱いっぽいね。ギムさん俺のうしろでリントヴルムつつく役おねがいできます? 周防くんと鬼城さんはロングから攻撃して。店長、あんまちかよらないでいいから、エアガン使って俺らの反対側でボッチ(まと)しくよろ」

「りょ」

「わ、わかりました」

「ボッチ的了解しましたー!」

 さあひさびさの全力戦闘だ。

 俺と店長はV字に飛びだした。


 リントヴルムの大きさはタンクローリーぐらい。

 何トンという重さだしそんなに機敏じゃない。

 ただ、長いしっぽを思いっきり振ってくるんだけど、これがまあヤバい。

 先端をムチみたいに加速させてバチんとやられた。

 どうにか盾でうけたのに、原付で突撃されたぐらい吹っ飛ばされた。

「やべー。ギムさんこれ踏みこんだら死ぬっすわ!」

「先端から少しずつ斬りとばしていきます! 今です!」

 ギムさんが、ライオンの剣で先端3メートルのところをぶった斬った。

 切断されたれたしっぽは飛んでって、落ちたとこでビクビクうごめいてる。

 やべえ。

 かっけえ。

 ギムさんまじ勇者。

 はじめて会ったときよく焼けるまでまっててごめんなさい。

「グオオオオ!」

 俺とギムさんの反対側でパチパチエアガン撃ってた店長だが、あばれるリントヴルムに轢かれて、高さ3メートルぐらい飛ばされる。

 ごろごろ転がった店長に、リントヴルムがとどめをさそうとズシズシせまったところに、周防くんの矢と鬼城さんのアイススピアでの急所攻撃が連続ヒット。

「やべ、店長生きてるかな」

「わかりませんが、今ならとどめをさせます! 石動さんいきましょう!」

「ガッテンだ!」

 ぼくらは一気に距離をつめ、リントヴルムをタコタコに殴ってきざんで、やっとでたおした。

「店長生きてます?」

「ああ……だけどアバラが痛い。また折ったかも」

 やっちまった。

 これは都留凛さんに土下座コースだ。

「土下座までしなくても、石動くんは立派に働いてくれてるよ」

「知ってます。でも時間帯責任者の俺の不注意ではあるので」

「責任感強いね」

「ちなみにまだ働かせます」

「君は悪魔だ」

 手をさしだして、俺は店長を立たせた。

「いい場面のとこ言いにくいっすけど、鬼城さん限界っす」

 みんなが鬼城さんをみる。

 目の下のクマ、紫のくちびる、土気色の肌、あらい息。

 全身でチアノーゼの症状をあらわに、鬼城さんは魔力切れをおこしていた。

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