プロローグ
周りは薄暗く空気も少しよどんでいるのか湿っぽい雰囲気を肌で感じる。大広間の屋根を支える円柱の柱が何本かある。ふとに目を足元に下ろすと白いのペイント?か何かで書かれている丸い円に不思議な模様がが描かれている。
この状況に困惑しているのは俺だけではない。他にも三人いる。三人とも同じ服を着ていて、どこかの高校の制服だろうか。一人は少し長めの黒髪の高身長で見た感じ爽やか系の男子高校生だ。二人目は短髪黒髪で背丈は爽やか系の子より少くいが、何かスポーツをしてるのか、制服越しでも分かる筋肉質な男子高校生だ。三人目は唯一の女の子。部屋が暗いから分かりずらいが、髪色は黒色に近い茶色がかっているセミロングで容姿端麗な女の子だ。
三人は困惑した様子で周りを見渡しながら何やら会話をしている。
困惑しているのは三人だけではなく、俺もその一人だ。
「おおー!成功したか!?勇者様と聖女様の召喚に成功したぞ」
謎の声と共に周りから歓声が上がっている。
歓声で俺だけではなく高校生達も少しビクッとなった。
声がした方に目線をやると黒色のローブを身にまとっていて口元だけが見えている男性が俺たちの近くに立っている。
謎の男は手元に石板のような大きい物を抱えて俺達の近くに歩み寄ってくる。
「勇者様方、早速ですが鑑定をさせていただいても宜しいでしょうか」
謎の男は俺達を鑑定とやらをしたいらしい。この状況で断ると何されるか分からないから大人しく従うしかないのか。高校生達も同様に素直に従っている。
謎の男は初めに高校生達の元へ行き、爽やか男子高校生の前で石板を傾けて何やら小声で呟いている。直後に石板が白く光り始めた。
「貴方様人種族でお名前はケンヤ様、クラスは勇者。能力値も素晴らしいです。魔法は聖属性、闇属性以外はオールSランク、固有スキルも戦闘に特化したスキルが多数です」
謎の男がなにやらステータスの内容を読み上げると周りからも歓声があがる。
爽やか高校生改めてケンヤ君は何を言われているのかあっけに取られている。ただ勇者という事だけは理解できたのか。
「僕が勇者?」
と呟いていた。
謎の男はもう一人の男子高校生の元へ行き、先程と同じように石板で鑑定を行っている。
「貴方様は人種族。お名前はタクミ様。クラスは重盾剣士。巨大なシールドで仲間を守るまさに縁の下の力持ち。ステータスも筋力、防御力はSランク、その他はAランク。固有スキルは防御系が多いですが、戦闘スキルもあるので守って戦う騎士様ですね。これで皆さんお守りできます」
筋肉質な男子高校生改めてタクミ君は重盾剣士彼にの外見にぴったりなクラスだ。彼もまんざらそうではない。
次に謎の男は女子高校生の元へ行き鑑定を行う。
「貴方様は人種族、お名前はミサキ様。クラスは聖女様。固有スキルでは聖属性、回復魔法、補助魔法を保有してます。固有スキルでは魔力操作もあるので魔法発動が早く、威力も上がっています」
女子高校生改め、ミサキちゃんのクラスは聖女様か。確かにあの子は聖女と言われればそんな雰囲気がある。
「私が聖女様ですか?それに魔法ってなんですか」
ミサキちゃんの質問に謎の男が答えている。
質問がが終わって謎の男は俺のところにも来た。
「はて。文献には勇者召喚は三人としるされていたのだが。何かの間違いか?まぁ召喚出来たということは何かしらクラスとスキルがあるだろうから鑑定するかの」
嫌々鑑定されるのか。ちょっと複雑な気分だな。
謎の男は俺を石板で鑑定する。
「貴方は人種族。名前はユウジ様。クラスは、、、無し。固有スキルはアイテムボックスとチラシ?なんだこれは?」
えっ?おれのクラス無し?それに固有スキルもチラシってなんだ?もしかしてハズレなスキルなのか!?
「戦闘職でもないし、魔法が使えるわけでもけど、召喚したからには国王さまに謁見しないといけないから着いてこい」
謎の男は不機嫌そうに俺に言った。
「そんなに露骨に不機嫌にならなくてもいいのに、、、」
俺の独り言は虚しく俺を慰めてくれる声はない。
黒色のローブを着ている男に連れられ、国王がいる広間へ向かう。
広間は、先ほどいた広間とは違い魔法か何かで室内を明るくしているのだろうか、とても明るい。周りの装飾品も豪華そうな物が多い。
「勇者様方。このまま真っ直ぐ進んで下さい」
黒色ローブの男は俺たちにそう伝えて来たので真っ直ぐ進む。
足元には刺繍が入っている真っ赤な絨毯が入り口から玉座前まで繋がっている、左右には銀色の鎧を全身に身につけ、槍を片手に俺たちが通るのを見守っている。いや、警戒してるのかもしれない。
玉座の前に着いて黒色のローブの男は片膝を地面に付けて頭を下げた。
俺たちも見よう見まねで同じようにする。
「宮廷魔導士ロドリゲス。勇者召喚成功をお伝えしたく参りました。後ろにおります方々こそ勇者様、聖女様、騎士様でございます」
俺の紹介は無しですか。まぁクラス無しですからね。
「おー。良くやってくれたロドリゲスよ。勇者様たち無事召喚を成し遂げたから褒美をとらす、後ほどワシの元にこい」
国王とやらが褒美を渡すと聞いたロドリゲスは深々と頭を下げる。
「勇者たちよ面を上げよ」
国王の号令があったので、顔を上げる。どんな国王なのか気になるからな。
でっかい狸の置き物みたいなオッサンがこれでもかってくらい財宝を指輪やネックレス、腕輪、王冠を身に付けている。
国王の横に座ってるのは王妃なのか?こっちも厚化粧に国王並に財宝を身に付けている。
国王よりも財宝の方が主役なんじゃないかと思う。
それに比べて周りの兵士やメイドはやつれている感じがする。
国民からの税金とかを王たちだけで蓄えていて、周りの人にはそういった感じがなさそうだ。
この王に俺たちは仕える事になるのか?
「さて、勇者たちよ召喚に応じてくれて感謝する。貴殿達は魔王や魔物達を打ち倒し、この国に平和をもたらしてもらいたい。貴殿らが元いた世界に戻る方法は魔王が知っているはずだ。」
魔物討伐に、魔王討伐に俺たちを召喚したって訳か。
ここにいたらアレだな。良いように使われて死ぬ未来が見える。
早いところこの国から遠い場所に逃げた方が良さそうだな。
高校生たちはどうするんだろう。
「この国の人達が困っているなら勇者である僕たちが守るまでです」
「私も聖女として国を救いたいです」
「俺も二人の助けて、この国を平和にします」
ネームバリュに負けたか。それとも今の若い子達はこう言ったことに慣れているのか即答したよ。
俺には出来ん。
「あーよく言った。貴殿らの働き期待しておるぞ」
これはマズイ。このままだと俺もここに残ることになりかねん。
俺はゆっくりと立ち上がり、手を挙げる。
「あのーすみません。陛下。私には勇者様たちとは違って、クラスは無くてスキルも戦闘にも役に立ちそうなものがないため、皆さんのお邪魔になってしまいそうなので、私は国を出て余生を過ごしたいと思います」
国王は一瞬こっちを見てすぐに黒色ローブに目線をやった。
それを理解したのか、黒色ローブは説明をする。
「陛下。彼もまた勇者召喚で召喚されましたが、おそらく召喚に巻き込まれてこちらに来たと思われます。彼の言う通り、クラスは無し、スキルもアイテムボックスとなっています」
黒色ローブの説明を聞いて、国王は少し悩み僕に告げた。
「そうか。クラスが無いなら必要ないな。金貨を渡すから好きにすると良い」
手切れ金って勝手に召喚したくせに。まぁここは素直に喜ぶべきか。
「ありがとうございます。陛下」
片膝を下げ深々と頭を下げる。
兵士の一人に連れられ王城の門の前までいく。
兵士は俺に手のひらくらいの茶色の布袋を俺に渡してきた。中には金貨?が10枚入っていた。
これがどのくらいの価値なのかわからない。
「この金貨は陛下よりお前に授けた物だ。今後、王城内に立ち入りることは許されなさない。また、勇者召喚された事を他言することを禁ずるとの事だ」
なるぼど。口止め料と手切れ金って事ですか。
「分かりました。ご迷惑おかけしました」
俺は兵士にお辞儀をして、王城から見える街の方へ歩み始めた。