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私、お題で書く。  作者: ヨリ(間内りおん)
11/16

噂話し。

●噂話し●


「久しぶり」


『久しぶり』


「元気にしてた?相変わらず変わらないね」


『元気も何も、こんなんだし。

…貴方はまた、年を取ったね』


「失礼な。まぁ、生きてるからね。年も取るよ」


『生きるって楽しい?』


「…何?突然」


『楽しい?』


「楽しいより、辛い事の方が多いかなー」


『そう…』


「何しょぼくれてるの。

少なくともここで、

あんたと喋ってる今は楽しいよ」


『…そっかぁ』


「そういえば、まだ続けてるの?

変な噂話を流す遊びみたいなの」


『うん。続けてるよ。私の使命だから』


「噂話流して、楽しんでるのが?使命?」


『楽しんではないよ。

この街の噂は、誰かの想いの形だから…。

誰かの噂話しが、

いつか必要としてる人に届くまで、

私は届け続けるよ。誰かの想いは、

誰かの助けになったり、道しるべになるからね』


「相変わらず小難しい…」


『…確かに最初は遊び半分だった。

大昔の事だけれど、この街を守る為に、

犠牲になってくれって、埋められた時は、

おばば達連中を呪ってやろうかと思ったけど、

やっぱり、私もこの街が好きで大切だからね』


「呪ってやればよかったじゃん…」


『大昔の事だし、こうやって、

怒ってくれる友達もいるしね、

私は私で、この街での役割を見つけたから、

ずっと楽しいよ。

…あ!これって、生きてる事に似てる?』


「…大昔からずっと、あんたは生きてるし、

この街を守ってくれてると思う。

少なくともあんたは、

生涯忘れられない、あたしの友達だよ」


『…ありがとう。でも、まだ死なないでね、

寂しいから』


「はいはい」


『でも、貴方が死んだら、

私を覚えててくれる人、居なくなっちゃうな』


「そんな時こそ、噂話しを流せばいいじゃん。

“出会ったら幸せになる

海辺の座敷童の噂!”とか、

そうしたら、

忘れられない存在になるんじゃない?」


『…自分の事を噂に?自分で自分の事を、

噂として流すの?それは何だか恥ずかしい…』


「恥ずかしいなら、あたしが流そうか?

あんたの噂話し」


『んー。一瞬それもいいかなって、思ったけど。

やっぱ、いいや。昔も今も楽しいし、

今後も、一期一会でやっていくよ。

それが私にとっての“楽しい”と思う』


「そっか…」


『…うん。ありがとう』


「いえいえ。どーいたしまして。


所で、あんたと初めて会った時に

教えてもらった、

なんちゃらおじさんの噂話しの事だけどさ…」



ーーーーー


浜辺に響く楽しそうな話し声は、

波の音と共に、月が出るまで続いていた。



fin.


→#今回のテーマ(お題)は、

【忘れられない、いつまでも】でした。

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