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MERCENARY GIRLs/EXCEED-WARRIOR  作者: 来賀 玲
Chapter 4

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MISSION 14 :ヨークタウンは赤く燃えていた








 傭兵系美少女大鳥ホノカちゃん、

 任務も終えて帰還したら、まさかの住んでる街のヨークタウンが物理的に大炎上してます!!



「ホノカさん、ラジオを聴いてみてください。

 中々、面白い放送を流しておりますよ?」


 なんて、燃える愛しい我が家がある街の上で、カモメちゃんがそんなことを言いながら私の頭の無線のラジオ無線を流すのだった。




『─────人類生存圏外、ヨークタウンの市民諸君へ、そして火星全ての人類へこの言葉を届ける。


 企業連合体『トラスト』は、もはやこの火星を蝕む癌にすぎない。

 永遠に和解できない3つの陣営、事実上のトラスト私兵と成り果てた傭兵(スワン)達による絶え間ない戦火。


 その全ての元凶はトラストにある!


 我々は、トラストの横暴を止めるべく立ち上がったものである。


 手始めに、この地区のトラストの息のかかった施設へ聖戦を行う!


 我らは『レッドセイバー』。

 我々赤き星の未来を守るもののために、どうか良識ある住人は協力を求む』



「…………言うこと立派だけどその住人のいる場所燃やしてるのコイツらなんだよね?」


《何が『赤い救世主(レッドセイバー)』だよ、放火魔のクズテロリストどもめ!

 お前らを燃やして文字通り赤くしてやろうか?》


「コトリちゃんがブチ切れておられる!

 まぁ残念ながら当然だね」


「レッドセイバーって今言った!?

 アイツら……トラストに市場を奪われた商会が集まってできたアンチトラストを掲げた過激派テロリストじゃない!」


「ルキちゃん。知ってるの?

 てかそれ、逆恨みじゃね??」


《トラストに弾かれた無能が。お前らに『赤い救世主(RED SAVIOR)』なんて名前もったいない。

 せいぜい『血に飢えた剣(RED SABRE)』がお似合いだよ狂人ども》


「コトリちゃん、何言ってんの??」


 と、コトリちゃんは私の顔を見て、少ししてそのデフォルメのカメラアイ二つだけの顔で『ヘッ!』とでも言ったのだった。


 そして、おもむろに私の携帯を勝手に取り出して、メモ帳に何か書く。



 R E D S A B R E



「れっどさぶれ?」



 …………


「ぶっ!」


《はははははははッ!!》


「え、何間違えた??

 赤サブレ違うの????」


 はははははははッ!!!


 いや、カモメちゃんまで笑うレベル!?!


「うふふふ……おっと!」


 と、笑いすぎて操縦をミスるなんて、人間みたいな事をしながら、対空砲を慌てて回避させるカモメちゃん。


「わー!?」


「きゃっ!?」


 ヘリはすんごい動きをして揺れるわ私たちは浮くわの大変な感じ!


「もぉ!!いくらホノカさんがアホっ子だからって!!

 電子頭脳に響くような面白いことは禁止ですよ!?」


「何!?私そんな面白いこと言った!?」


「言いました!!

 もうここはヨークタウンの対空砲射程内なのに!!」



 気がつけば、私の家のある巨大な脚と、翼見たいな甲板と、馬鹿でかい大砲のあるいつもの場所!


 足元で燃える都市の名前というか、ここがヨークタウンの1番地!


 巨大歩行要塞『エデン・オブ・ヨークタウン』の、

 甲板はもうすぐそこ!!



「来た来た!ユナさんとソラさんに、私のティタニスまで……あらら??」


 なんというか、ついでに私の視界には、


 見たことある真っ赤な4脚と、ピンクで可愛い色のガチのタンク脚と、


 見たことある同業者(ナカーマ)が二人いるぅ!?







「よっす!!まーたペラゴルニス派手に壊したみたいっすねホノカちゃん!?」


 ヘリから飛び降りて、開口一番にユナさんにそう言われる。


「毎度ごめんね!!」


「こっちこそ毎度ありっす!!

 ティタニス、オーダー通り左腕は『スナキャと違って取り回しはいいけど、そこそこ強い強力な武器に変えて欲しい』って事だったので、」


「私が選んどいたよ!」


 と、後ろから現れたソラさんが笑顔でサムズアップ!

 この人、マジでコトリちゃん以上に私の大雑把なお願いを的確に『コレじゃん!』にしてくれるお人なのだ!


 ユナさん曰く『機体構築屋(アーキテクト)では間違いなく最高峰』らしい。



「というかねぇ、君の今回の指示は、」


「どーせ、あやふやって言うんでしょ?」



「いいや!

 最高に選びやすかったよ!!


 何せ、ある企業の理念と合致しているからね!!」



 な、なんだって!?


 あんぐり口開けちゃうよ!?

 そんなに良いものあったの!?



「何を選んだのソラさん!?」



「『ハウザー』さ」



 はうざー?



「あ、その顔みりゃ知らんって分かるよー?

 そういえば、ホノカちゃん『グレネード』は扱った事ないっけ?」


「あー……そういえばない気もするー……」


 考えても見れば、火力の高い武器は割と扱ってきたけど、グレネードはやったことないな。


「このコトリちゃんにアセン系は割と一任してたけど、グレネードはやったことなかったね?」


《私をネコを伸ばす持ち方した上で聞くのもアレだけど、まぁ君には合わない武器と思ってたしね》


「そうなの?」


「そうだよ。

 だって、君中〜遠距離からの狙撃戦とか撃ち合いが得意じゃん?

 近距離もどっちかというと距離を離すためのブーストチャージが主体で、剣とか振る感じもマシンガンばら撒くぞって感じもしないじゃん?」


「そうだねー」


「そうでしょー♪

 となると、グレネードって結構弾速が遅い代わりにHEAT弾頭と爆発でダメージ稼ぐ物だしさ、使う距離適性が近距離から中距離で君との相性微妙なんだよね。


 でも威力がすごい。

 そんな威力を、中距離から遠距離でも使いたい。


 それが人情じゃん?

 そこで『ハウザー』です!」



 バーンとソラさんと、もはやソラさんの助手のユナさんが手を広げて指し示すは、


 ティタニス左腕の、なんだかデッカいキャノン!

 そうとしかいえない!!


「……なんかデッカいキャノンだ!!」


《ハウザーって英語の『榴弾砲』って意味だよ。

 まぁ、カノン砲も榴弾砲も1000年近く前には既に一緒だけどさ》


「そんな違いあるの!?というかキャノンと違うの!?」


「ハウザーは、ここだとやや高初速の爆発系武器だよ。

 『HEATキャノン』っていう方がわかりやすいかも。


 ただ、弾の速度で言うと、いわゆる貫通弾的な運動エネルギー武器の『キャノン』に比べちゃうと気持ちちょっと遅いかも。


 まぁ、ただ威力はあるけど、ハウザー作ってるのがグレネードといえばあそことしか言えない、いつものリボルバーリバティー社だしさ。


 強い!デカい!重い!


 って感じで、良い威力だけどタンク脚とか重量2脚向けなんだよ。


 相変わらず反動もアホだし、ティタニスに使ってる重量級の腕部パーツじゃないと扱いきれないね!」


「あー……リボルバーリバティー社って、なんかデカくて強い武器は大体そこって会社とは思ってたけど……


 確かに、言う通り、デカくて強そう」


「実際、ガチタン使うなら、この『H1『アースクエイク』』は必ず候補に上がる武器だよ?


 というか、リボルバーリバティー社製品、エンフィールドラボラトリー社製以上にガチタン適性が高いんだよねー。

 君のティタニスのタンク脚もリボルバーリバティー社製だし、こう言う雑に戦っても強い武器はやっぱあの会社さ!」



「なるほど!」


 ………………ん?


「じゃあ、私の言ったことって雑って事なんだ……」


「分かってるじゃん、ホノカちゃん」


「その通りっすよホノカちゃん」


《おぉ気付いたんだね?賢くなったぞホノカちゃん?》


 この言われ様〜!もはや反論もできないー!

 しかも偉い偉いと3方向から撫でられてるー!バカにされてるー!!バカだけどー!!ぐぬぬぬ!!




「────安心して、ホノカちゃん!!」




 その時、雑に強い武器で強化された私のティタニスの上から響く声!

 見上げたそこのは───丸くて可愛いちっちゃいツインテールのアイドルの姿が!!



「ナイス、ガチタン!」


 サムズアップするその姿は!


「そのセリフ!ガチタン系アイドルのありすちゃんではないか!?」


「いかにもっ☆

 ガチタン系アイドルのありすちゃんだよー!」


 と言って飛び降りて着地と同時にキラッ☆と決めポーズ!

 これは間違いなく、ガチタン系アイドルのありすちゃんだ!


 歌って踊れる、傭兵(スワン)ランク4だ!!


「ありすちゃん、なんでヨークタウンに!?」


「アレレ??私のおうちここだよ?

 最近ちょっと地方回りのアイドル活動で帰れてなかったけど」


「マジか!

 あ、新曲買ったよ!良い曲だね、『満載積載♡ラブグレネード』!」


「えー、うれしー!ありがとー!!」


 イェーイ、とりあえずハイタッチー!


「─────なんでアンタあのありすちゃんに普通にハイタッチできるのぉぉぉ!?!?」


「うぼあ!?」


 と、真上から叫んで落ちてきたのは、ルキちゃんだった。

 着地して爆速で近づいて、ありすちゃんの前でピタッと止まる。


「どうしたいルキちゃん!」


「ど、どうしたって……あ、あ、本物だぁ……!

 ちっちゃい、顔まんまるで、カワイイ……あのありすちゃんだぁ……!!」


 え、ありすちゃんそんなに人気なの?

 いや人気か。違うな。

 ルキちゃんありすちゃんのファンだったのか……!


「えぇ〜、嬉しい〜♪

 ところでこの嬉しい事言ってくれるモデルさんみたいな美人さん誰だいホノカちゃん?」


「この子?

 ルキちゃんって言って……長くなるけど簡単に言うと前話したうちの顔も知らなかったお母さんがなんかしばらく前まで生きててよそで一緒に暮らしてた子なんだわ」


「へー…………つまり妹ちゃん?」


「は?」


 なぬ!?





「……そ、それもそっかー!」


 言われてみりゃ妹みたいなものじゃないか!!

 歳下だし!




「いや違うでしょ!?DNAレベルで!!」


「でも顔も見た事ないって言ってもお母さんに拾われた子だし。

 あ、大鳥姓名乗る?別に良いよ、多分」


「役所とか便利そうだけどそれで良いのか己は!?」


「まぁまぁ、良いではないか妹ちゃんや!

 細かいことは、履帯で潰せば大体解決♪

 それになんだこのおっぱいは。ホノカちゃんレベルで羨ましいぞい?」


 ちょっとガチトーンで、ルキちゃんのおっぱい下からぽよぽよするありすちゃんなのであった。

 うん……私が言うのもなんだけど、9歳児の大きさじゃないね……


「ウッ……ありすちゃん、ファンだけどそれは……!」


「ははは!

 冗談はさておき、ありすちゃんも出撃かい?」


「おっとっと⭐︎

 そりゃ、住まわせて貰ってる場所だし、結構美味しい依頼だよ?

 見た?ホノカちゃん、今回の内容?」


 そういえばまだか。


「ウチのオペレーターちゃんが選んでるけど、どんな内容?」


「まずは悪い知らせを教えてあげよう。

 敵の数は、400以上なんだよ!!

 街全体がもう敵だらけ!!

 しかも、弾薬費は自腹でーす!!」


「グエー!!ティタニスでで出たらマッハで弾薬費が!!」


「…………ところがね……ウフフ……


 良い知らせは、今回は『歩合制』♪

 なんと、ありすちゃん達がコーロコロした数に応じてお金が手に入りまーす!


 しかも……最低1000cnから♪」



「マジで……!?

 じゃあ全機倒したら、40万稼げちゃうかも……!?」



 ぐへへへ、すっごい稼げるじゃん!!

 ありすちゃんも揃ってぐへへへー♪



「…………ってことは、もうそれだけ多重に敵が出現して暴れてるって事か。

 しかもこれだけドンパチしててまだ減ってないんだ」


「そゆこと。嬉しいねぇ、戦友?

 そう言うとこは頭の回転早くってさ」


「おふざけしてる場合でもないか。

 敵、MWとかがメインなのかな?」


「依頼主さんは状況が状況だしまだ完璧には分かんないと思うよ?

 ただ、私の頼れるありすちゃんファンクラブのみんなが先行した情報だと…………最近流行りの『違法傭兵(ブラックスワン)』さん達がちらほらいるって」


「わーお……派手なライブなんじゃない、ありすちゃん的には?」


「ド派手でちょーっと厄介かも♪」



 仮にもランク4のありすちゃんも目が笑っていない。まじめに厄介ってことか。

 こりゃこっちも本腰入れないとなー。



「───お二人とも、それだけで済むわけではなくてよ?」


 おっともう一人いたっけ。


 ルキちゃんとかに負けないレベルの足長モデル体型長身美人の赤毛の微笑むあの人!


「アンネリーゼさんまでいるなんて」


「あら?一応このヨークタウンは、私ことアンネリーゼ・レーヴェンタール『傭兵伯』の治める()()()なの知らなかったかしら?」



 3大陣営、インペリアルの貴族の一人で、傭兵(スワン)ランク2もアンネリーゼさんだ!!



「「え、マジで?」」


 そして知らなかったそんなの。


「……もぉ!流石に怒るわよ、領民さん達??

 そりゃあ、トラストにこの一番の要の要塞は握られてはいるけれども、この街は一応わーたーしーの、領土なの!

 おわかり?」


「じゃあ、今回の依頼主は……」


「そうしたかったけど、今回はあのグウィンドリン公爵様よ。

 レイシュトローム社のCEOでもあるあの人。

 訳アリでこの街にいるの」


 あー、前の長勤務の時の褐色イケメンさん!


「で、時間もないからちょうどいい二人についでの任務を浮いたお金でやって欲しいの♪

 よろしくて?」


「あら、内容は?」


「簡単よ。

 私についてきて、二つやってもらう事がある。


 1つ、『要人』の回収

 2つ、『大使館』の防衛よ」



「要人……?

 大使館は分かるけど、要人って……?」



「……その前に大使館ってなによ?」



 おっと、一人会話でハブられてプクーとしているルキちゃんを忘れていた。



「ああ、そういえば……

 そっちの妹さんはヨークタウンは初めてだったわね」


「そうそう……って、妹じゃないんですけど??」


「まぁ、妹分って事で一つ」


「それもそれでアンタの下みたいで嫌なんだけど!?」


「かわいいイヤイヤ期ね……

 ま、大使館は『重要施設』ってことだけ覚えてほしいわね。


 まぁ言葉以上の意味はない場所だけど」


 同じぐらいの背丈に美貌の相手に、完全な下の子扱いである。

 ごめんねー、プクーと膨れてるルキちゃん。でも君9歳児だからね?


「……そういえばこの子も傭兵(スワン)?」


「なったばかりよ。文句ある?」


「あら、上出来ね。

 そのぐらい生意気なら、まぁなんとか私達についてこれるんじゃない?」


「…………ねー、おねーちゃん、コイツ後ろから撃っていいー??」


「やめときなって、私より間違いなく強い人だから妹や」


 アンネリーゼさんのからかいにフン、とそっぽを向いてプクーと頬膨らませるあたり、まだまだ中身は子供だねぇ?

 というか、おねーちゃん呼びはおふざけでも良いんだ。



「あははは!やれるものなら、むしろやってほしいわぁ!

 じゃ、やる気のある妹ちゃんも一緒に、そろそろ行かないと?」



 ドォン!


 会話のタイミングを見計らったかのように、ここの甲板下部に1発何かが当たるすごい衝撃と爆発音。



「こりゃ、まだ私達の報酬分は敵いるみたいだわ……!」










<コトリ>

《メインシステム、戦闘モード起動するよ》



 いつも通り、強化済みの体の私の視界が、ティタニスのカメラアイと繋がって、起動完了。


 ユナさんももちろんだけど、ソラさんが加わってから明らかに起動する速度も上がっている。

 つまり機体の調子が常にいい。

 すごい良い整備の腕だ……!



<アンネリーゼ>

『さて、ルート情報を送るわ。

 まずは『要人』の確保のために、あのお方が通ったと思われる道すがら、本来の任務のレッドセイバー達の殲滅をしてもらうわ。


 まぁ、眼窩のお題目に酔って自分達が愚かな暴力を振るう最悪の行為をしていると気づかない相手に、

 気付がわりの弾丸を叩き込んで進めばいいの。


 それはおわかりね?』



<カモメ>

『こちらティタニスのオペレーターです。

 失礼ですが、要人とはまさか……『スカーレットスタリオン』、ですか……?』



 おっと、カモメちゃんどうしたいその震えた声?



<アンネリーゼ>

『あら、相変わらず優秀なオペレーターね。

 大正解♪』



<カモメ>

『だからか…………


 すみませんが、ルート情報を変更します。

 出なければ追いつけません』



 と、なにやら視界の燃える街に映るルートの線が少し変わる。


<アンネリーゼ>

『あらあら、どうやら『殿下』は暴れ回っておられるようね』


「殿下?」



<カモメ>

『ランク18『スカーレットスタリオン』、傭兵(スワン)登録名『エカテリーナ・インペリアル4世』。』



 …………ん?


 インペリアル??



<アンネリーゼ>

『我々インペリアルの皇帝陛下の妹君様よ。

 ついでに言えば、現在皇帝陛下に何かあった時に実権を握る王位継承者の一人でもあるのよ』



「あらまぁ……じゃあアレ?

 要人、って私でも理解できるぐらい明確な『偉い人』ってこと!?」



<ルキ>

『は?なんでそんな重要人物が傭兵(スワン)やってよりにもよってこんなクソ前線にいるわけ?』



 ルキちゃんごもっともである。



<アンネリーゼ>

『言っておくけど、今のインペリアルの皇帝家の血筋はね、上皇様の妃は我がレーヴェンタール家の出身よ。


 200年以上は、このイモ育てるにも一苦労な海側の土地を開墾するために、トラストもeX-Wもない時代から民と共に傭兵業やっていた我が辺境伯の血筋。


 そして、エカテリーナ殿下は、この前のハロウィンスコードロン撃破騒ぎがあったとは言え、今ランク18にされるほどの実力あらせられるの。


 まぁ、確かにそこの妹ちゃんの言う通り、

 昔からお転婆なのよ、エカテリーナ殿下って』



 やれやれ、って感じに言うアンネリーゼさん。

 その口ぶり……


<ありす>

『質問でーす。

 アンネリーゼさんさ、お知り合い??』


<アンネリーゼ>

『あら、誰がeX-Wの手解きしたと思っているの?

 なんなら、お転婆な姫様だった殿下とお転婆していた仲よ♪』


<ルキ>

『幼馴染ってわけね。

 あの暴れ回っているのと』


<アンネリーゼ>

『ん?

 あら、あなたもしかしてネオ?』


 今のセリフで、分かるのかアンネリーゼさん?


<ルキ>

『それ以上よ。

 なんなら助言してあげましょうか?

 さっさと行かないと、包囲されかけてる。

 多分無人のeX-W数機に、陸上兵器多数。

 統制がとれてる動きね、相手がなんなのかわかっている感じ』



<カモメ>

『確認取れました。

 情報通り劣勢です!

 しかも……スカーレットスタリオンの戦闘地域、『大使館』周辺です!』



 おうおう、やばいじゃん?



<アンネリーゼ>

『ふむ……優雅にブリーフィングもできないのね。

 せっかちは嫌われるけれども、いきましょうか』


<ありす>

『しょうがない!

 ちょっとありすちゃんの頼れる戦力にも連絡入れておくねー』


<ルキ>

『なんだっていいわ。

 さっきから、人の悲鳴がうるさいのよ。

 …………違法傭兵(ブラックスワン)でもあったこともあったけど、こんなことするなんて……!』



「…………優しいねぇ。

 でも、違法傭兵(ブラックスワン)じゃなくても、普通の任務でこう言うことすることもあるよ、傭兵(スワン)なんて」


<ルキ>

『っ、アンタねぇ!?』



「だからさ、今回は市民の味方でお金持ちガッポリって訳だ!

 遠慮なく、殲滅しちゃおうか♪


 おっ先ーっ!!」



 さて、お仕事開始!!

 ティタニスの背中、ハッチに隠されたストライクブーストを起動して、甲板の上から一気に飛び出す。


 眼下の燃える街を見ながら、適当な広い場所へ放物線を描いて落ちていく。




「私別に一般人でも平気で殺せる酷い人間だけどさ、

 だから、クソ野郎は良い気分で殺せちゃうぞー♪」



 視界に映るルートの線に沿う形で空中を落ちながら進む。

 ブーストで減速、地上はもうすぐ。


 さて……いっちょ派手にやっちゃいますか!



           ***

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