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MERCENARY GIRLs/EXCEED-WARRIOR  作者: 来賀 玲
Chapter 4

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MISSION 7 :本物の力







<ジェネレーター出力上昇:緊急出力領域>

<システムモード:ジェネレーターリミッターカット>

<緊急出力限界時間カウント開始:残り180秒>





 傭兵系美少女、大鳥ホノカちゃん!

 なんだかこっちの手の内を読んでくる怪しい敵相手に、ある作戦って言っていいか分からないコトをするために!



「リミッター解除だ!!」



 ペラゴルニスのジェネレーター、リミッター解除しちゃいます!!


 これより、三分間減らない無限のエネルギーで戦うよ!

 リミ解最大の利点、その無限のエネルギーで三分間ブーストで空を飛び続けられる事と!!


「これで、攻撃し続けられる!!」


 速射レールガンをどんどん放つ!

 腕を変形させてレーザースナイパーライフルとライフルに戻して、ガンガン撃ちまくる!!



 そう、移動も、攻撃手段も、

 エネルギー切れを気にせず戦える!!


 てことは攻撃する速度と密度が上がるわけ!!



<???>

『────何!?』


 初めて広域無線で発した言葉は疑問。


 まぁ、こんな力技で来ると思わないでしょ!?


<オルトリンデ>

『ビビっとるか、そりゃあなぁ!?!

 見えてても分かってても避けきれない数ぶち込めば誰だってそうなるっちゅーねん!!』


<ジェーン・ドゥ>

『なるほど、シンプルに性格が悪い呆れるほど有効な作戦だ』


 とか言いつつも、全員リミッター解除で、呆れた声のジェーンさんは強化人間の力かクラウドの並列処理できる脳みそフル活用で全兵装ブッパしたり、


 リンちゃんはいつもの怖い大阪弁で笑いながらネオの脳波コントロールで特殊全方位兵装(アタッカーサテライト)飛ばしてピュンピュンレーザーの雨を降らせたり、


 私という頭の悪い子の考えた頭の悪い力技で、私達以上にお利口で、だからまだ迎撃やら回避が出来ているけど、


 まぁ、ゴリ押しで段々被弾増えてるね、相手。






<アンジェリカ>

『嫌ぁ……!!何でこんなに……!!』


<AA>

『嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だよこんなの!?』


<プリンシパル>

『落ち着いて、大丈夫だから!!』





 ……なんて、通信でもしてるかも。聞こえないけど、慌てようが分かる。


 気持ちも、そっちみたいに特殊能力はないけど分かるよー?


 だって……




<アーク>

『ウフフフ……!

 先程までの威勢はどこへ行ったのでしょう?

 まぁ、ここまでされると思っていなかった時点で、あなた方の想像力のない証明ですが?』




 ボンボンと敵3機の周辺に撃ち込まれるロケット。

 逃げ出そうとしたところにくるバトルライフルの一撃、そこから追撃はなんと私と同じ武器、ハイレーザースナイパーライフル。



 ドヒャア、ドヒャア、左右に前後に、上下に、まさに縦横無尽の凄まじい動き。


 一番狙えない動きで、一番激しく攻撃を放つアークさん操る4脚機(ローレライ)




<アーク>

『足掻けるなら足掻きなさい。

 まぁもっとも……諦めた方が楽ですが?』



 無線越しに聞こえるすごい楽しそうな笑い声。

 爆撃みたいなロケット、でも発射された頃にはもういない。


 エネルギーさえ充分なら、4脚は凄く強いってヒナちゃん言ってたな。

 ヒナちゃん、今私のコックピットの中で絶句してるけど。



「ドSを怒らせると怖いな」


<ジェーン・ドゥ>

『まだ、遊んでいるあたりマシだぞ?』


<オルトリンデ>

『怖……敵にしたくないタイプやね、』


 ボン、と同時に3機の近くにロケットが着弾した。



<アーク>

『こらこら、休憩するんじゃありません。

 私に無駄弾をあなた達に3発以上撃たせる気ですか?』




 ………………



「こりゃ私たちが悪い!!全力でやんないと!!」


<オルトリンデ>

『ハイよろこんでー!!!』


<ジェーン・ドゥ>

『連携を崩すなー!!』



 たしかにそんな暇はない!!

 単騎だけじゃ全弾避けられるのは今も見えてる!!


 ハエのようにブンブン飛び回って!!

 巣を解体されてるスズメバチの如く攻撃を!!


 アイツらを、見えても、分かってても、防げないし逃げられない弾幕で押す!!



 この際プライドと罪悪感は抜き!!


 コイツらを殺せればそれでいい!!!!



 てなわけで、ペラゴルニスのリミッター解除中はランダムにドヒャドヒャ動き回って、レールガンやら持ってる火器は全部その性能の限りガンガン撃つよぉぉぉぉ!!!!!




          ***



「何やそれ!?卑怯やろ!?!」


「バカか貴様は!?

 卑怯など、弱者の戯言!!勝った方が強者だ!!!


 過程や方法など選ぶ物だと思うならアリーナにでも行け!!


 この程度突破できず何が人造のイレギュラーか!!」




 その様子に思わず叫ぶクルスに対し、クオンはハッキリと否定の言葉を吐く。



「ちゅーか、二人はクラウド側やし、一人はリンちゃんですやん!?

 あんな我の強い子に、本来敵のはずの相手も何でここまで連携できるんですか!?」


「お前は、戦場を知らん。

 この程度なら、かつてのアンジェでもやれる。

 傭兵(スワン)が仕事や陣営を選ぶ立場だと思うか?

 お前を殺す依頼を受けたなら、障害は全て排除してお前に向かう。


 気に入らなかろうと僚機と手を組む。


 それは、どうも本職じゃない我が妹ですら理解できる事らしいが、


 お前自身がどこまでも怪物作りの天才でしかない結果だ」



 と、冷や汗を流すクルスを鼻で笑うクオンの背後で、カチャリという音が聞こえ頭に何かが突きつけられる。



「…………だが、お前の作品は頭はあるらしいな」


 その背後に立っていた赤い癖っ毛の少女───セラが銃を構えてクオンの頭に突きつけていた。


「……や、やめてください……!」


「……何をだ?」


「外で戦っている人を、傭兵さんを下げてください……!」


「…………良いのか、シンギュラ・デザインド?

 お前達は、その瞬間から価値が消えるぞ?」


「!?」


 クオンは視線だけセラへ向け、そう言葉を冷たく投げ放つ。


「ガッカリだな。私を殺そうとしてまで作ろうとした生き物がこの程度か。

 所詮、本物のイレギュラーにも…………いつか闘うことになる相手にも力不足か」


「そんな……!」


「違いますッ!!!」


 瞬間、響くセラの叫び。


「わ、私たちは……私たちは、力不足なんかじゃない……!!

 こんな所で、終わったりしません!!


 …………折角、先生が……!!!

 私達が、生きられるようにしてくれたのに……!!」



 その目に涙を溜めて、やがて耐えきれなくなったように下を向いて泣き出すセラ。

 クオンは…………大きくため息をついた。



「…………そう思うのか?」


「え?」


「そう思うんだったら…………




 お前はなぜここにいる!?

 なぜ……お前の姉妹を助けに行かない?」




 そして、睨みつけるような視線でそう問う。


「あ…………」


「お前自身で今すぐ証明して見せろ。お前達の価値を。



 お前には……その権利と義務がある!」




          ***




<AA>

『なんでぇ……くっ、反撃する暇もないの……!?』


 軽量逆関節機体の中で、半泣きの声が漏れる。

 それも当たり前なほどの弾幕と、分かっていても避けることも防御もできないタイミングの同時多重攻撃。



<アンジェリカ>

『やだ、やだやだ……!!

 なんで、なんで、なんでぇ!?!嫌ぁ!!』



 パニックになりつつある感情が、射撃精度を大きく落とす。

 もはや、マシンキャノンもガトリングも当たっていない。



<プリンシパル>

『ごめん……みんな、私が守りきれなくて……!!』


 今、シールドが破壊された。限界を迎えたのだ。

 もはや、避けられない弾幕を避け切るしかない。




 絶望。


 なぜ、こうなったのかも分からない。


 思考を奪うような酷い状況だった。


 心を支配する、どうしようもない無力感が、だんだんと広がっていく……







<セラ>

『────ダメだよ、諦めたら!!』




 その時、


 真上から、光が降りてきた。






           ***



<オルトリンデ>

『全員死ぬ気で避けろぉぉぉぉぉッッ!!!』



 と言われても、流石に私こと傭兵系美少女な大鳥ホノカちゃんでも避けきれない!!


 突然現れた機体、徐々に増していく光、



 その挙動は、ブラストアーマー!


 eX-WのEシールドを攻撃に転用して、全方位に放つ特殊兵装!!




 ズギャァァァンッ!!



 谷を包む光。


 見る見る私のペラゴルニスのEシールドの出力が減衰するヤバい光。


「つーか範囲デカくない!?」


<コトリ>

《今一瞬見えた機体は……あのフレームまさか!?》



 光が収まった中心、谷底近くにいる赤い影。


 一瞬、近くのジェーンさんの乗ってるホワイトゴーストに似た感じの印象を受けたフレームの、


 赤い機体が、その目に当たる大量の複眼カメラの青い視線を向けてくる。


「アレって、ジェーンさんのと同じやつ!?」


<コトリ>

《基礎技術は同じだよ。なんせ、どっちも私とソラちゃん、いやO.W.S.創設メンバーとAI社創設メンバーが70年前に開発したやつなんだ……!》



 その肩の、『⑨』の簡素な数字だけのエンブレムが、

 展開するブースターの塊の翼じゃない、本物の翼みたいな板状の4枚のパーツを広げる姿が、



 あ、コイツ何かやばい



 そう、さすがのおバカアホっ子の私が感じる迫力があった。




<コトリ>

《サンライズフレーム。AI社最高級品!

 しかも……アレって、ソラちゃんが地球から持ってきた最新型じゃ!?》



 ヒナちゃんがそんな焦った声出すって相当だな!?


 別格……そう思って戦えってことか!!






          ***



<アンジェリカ>

『セラちゃん……!!来てくれたんだ……!!』


<AA>

『セラ!!』


<プリンシパル>

『助けてくれて……ありがとう』


<セラ>

『うん!

 でも……まだこれからだよ、みんな!』


 後ろの3機を、機体のカメラ越しに見ていたセラは、再び前を向く。



<セラ>

『私たちは、証明しなきゃいけないんだ。

 博士が作った、私達の力を。


 そのために…………あの人達を『排除』する!!』



 その意思を乗せて、赤いサンライズフレームがふわりと浮き上がり、直後凄まじい速さで進み出す。




          ***

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