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MERCENARY GIRLs/EXCEED-WARRIOR  作者: 来賀 玲
Chapter 3

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MISSION 7 : はじめまして、隣人さん






 傭兵系美少女、大鳥ホノカちゃんは今、

 人類未踏破地区(サイレントエリア)と呼ばれる場所に落ちてくる、地球からくる宇宙船の回収任務に来ているはずでした。


 でもまさか、前人未到の謎の大地には、火星のテラフォーミング時にばら撒かれた大変便利なナノマシンとかいう物がベースになった、メタルなタコとかイカっぽいのが普通の動物を模した的な生き物がたくさん暮らしていました。


 中でも驚くべきなのは、私達が倒した海岸に住んでた巨大な怪獣と、




 これから挨拶する、人型の皆様!




<コトリ>

《気持ちはわからなくもないけど、君ってこういうの興味あったんだ?》


「なかったらこの前見てあんな驚かないよ。

 にしたって、一番気になるのは『助けてくれた』って事なんだよねー」



 そう、さっきまで戦ってた巨大怪獣の弱点に発煙筒とでもいうべき物を投げ当てたのは、肌の色が明らかに地球さんっぽくない色とりどりな目も手も多いその方々。


 今、私の機体、ペラゴルニスの真下にいる、一応女性型っぽい皆さんだ。



<コトリ>

《無線切ってあげてるけど、色々言ってきてるぞ?》


「言い訳はできないけど、まぁ挨拶するぐらいだし」



<カモメ>

『ホノカさん聞こえますか?

 今、O.W.S.のテレサ・オーグリスCEOが、『映像と音声データと引き換えに今回の行為をもみ消す』と言ってきております。

 ついでに、ランク8、シルヴィア・アルギュロスからも今すぐ映像を回せと』



 なんだよ、みんな気になってんじゃん!


 いや、気にならないわけがない。



 だって……目の前にいるんだよ!?

 初めてであう人間以外の人間っぽい方々!!




 強化人間(プラスアルファ)改造済みの私の、高性能カメラアイなお目々の映像をデータリンクに回す!



<カモメ>

『……今、グウィンドリン公爵より、『この際だから無線は繋げっぱなしにして会話しろ』と。

 どうしますか?』


「しときますか!」



 機体のカメラ映像から私の身体の目に切り替えて、

 ペラゴルニスのハッチをオープン。

 まさか、助けてくれておいて撃ってくるとかないよね?ま、強化済みなら死なないはず!


《座席の後ろの武器持っておきなよ》


 おっと……焦らず、振り向いて座席を倒して、そこにある武器─────使うこと無かったデカい四角い銃を吊り下げるストラップに肩を通して、刀みたいな高周波ブレードも背中の辺りの機械にに刺しとく。


《それと私も持ってって。

 ペラゴルニスはただ浮いてるだけなら、私抜きでもできるから》


「ほいほい」


 コトリちゃんはいつも通り肩にコアラ見たく掴ませておいて、


 ……ひょっこり、顔だけ出してみる。



 真下にいる皆さん、青肌、紫、緑……まじめに肌が色とりどりだ……野菜かなにかみたいだな……


 その3つの目のあるだいぶ鋭角な2本とか3本とかまちまちな角も生えた意外と美人揃いな顔でこっちをかなり驚いて見てる。

 というか、服装もだいぶ薄着ね……かろうじてなんか、黒い制服っぽい衣装あるぐらい??首元のネクタイとかポロシャツの襟みたいなのとかで。ノースリーブだけど。


 ……なんだろう、腕が多いっていうか……

 背中側から、なんか背負ってるみたいな硬質な感じの部位から、もう2本腕が生えている。

 しかも、その腕もちゃんと意志があるというか、無意識に握りしめたり、口元覆っていたり、汗を拭ったりと普段使いしてますって仕草してる。



 しかもこっちを見て、なんか絶句とかそんな感じだ……なんで?ここじゃ私の方が顔怖い判定??




「あー……えっと、どもー、はじめましてー。

 ご機嫌いかがですかー……なんて通じないか……」



 片手上げてそんなこと言ってみる。


 いやいや、絶対言葉違うでしょー?




「───しゃ、」




 ん?




『しゃ、しゃべったぁぁぁぁ─────ッッ!?!?』





「いやちょっと待って今のめっちゃ日本語じゃなかったぁッ!?!!?!?」




 待てや!!!!!


 目の前の異形の方々、今確実に「喋った」って喋っただろ!??




「なんで我々の言葉を!?!」


「バカ!!見りゃわかるだろアレ『オリジナル・ワン』様だろう!?」


「細部が違います!!ほら、聖書見て!!」



 どうしよう、寸劇が大変聞き取りやすい。

 てか、大混乱だし、なんか祈り出す人もいるし腰抜かしてる人もなんか平伏してる人もいる!!

 なんか紙の本開いて見せたり見比べたり、忙しい反応!



 ああ、一個わかった。

 まさに、この人らは、根本の生物が違うだけで、たぶんだけど似たような進化した、まさに『人々』って感じの人らだ。


 しかも、なぜか言葉が全く同じ。ここが一番不思議。




「全員落ち着け!!」


 と、一人なんか水色な感じの肌の人が、ピシャリと周りのカラフル肌な人々をおさめる。



「…………落ち着きましょうよ、皆。まずは……挨拶だ。失礼な態度は、最悪首が飛ぶ」


 ヒソヒソ声、聞こえてるけどまぁいいか。


 で、そのなんか知的そうな方、帽子を脱いでこっちに一歩前に出て見上げてくる。




「ええと、どうもこんにちは……」


「あ、どうもご丁寧に……」


「…………この言葉を喋っているということは……

 あなたは、その……『オリジナル・ワン』と関係が?」


「いや知らない……むしろ、なんで日本語喋ってるかでだいぶ驚いてます……なにそれ?」



 私の言葉に、驚いた顔で、後ろで様子見する仲間に一回振り返る、青肌の人。



「あー……その、ああ、いけない……

 私は、ク・レリック。そういう名前です……クがいわゆる苗字……これは通じますか?よろしくお願いします」


「あ、ども……私は大鳥ホノカですー、よろしくお願いしますー……」



「オオトリホノカ……オオトリホノカさん、で呼んでも?」


「あ、長いんでホノカで良いですー」


「そう区切るのか……!

 ああ、失礼!

 その…………我々は、何と言えば良いのか……ああ、種族名、生物名かな、ともかく、全体で言えば、それは、『レプリケイター』、レプリケイターと呼んでいます」


「れぷりけーたー……?」


《あー、なるほど……『模倣者(レプリケイター)』で『本物(オリジナル・ワン)』か》


 と、ひょっこり頭の上に登ったコトリちゃんが言う。



「うわぁ!?何だあれ!?!」


 いや、コトリちゃんの可愛い顔でそこまで……驚くのかな?


「…………今の声は?」


「ああ……このコトリちゃんが」


 両手でコトリちゃんを掲げて、その中でどもーと片手を上げるコトリちゃん本人。



「動いたぁ!??」


「何だあれ!?本当に何だあれ!?!犬か!?猿か!?怖いよぉ!!」


《いやいや、新鮮な反応で良いねぇ。

 ホノカちゃん、降りてあげたまえ》


 という訳で、ペラゴルニスからジャンプ。

 着地。流石に驚かれるか、身体能力で。



「………………本当に手足が…………2対、2組だけだ……!

 …………肌も白い……!!」


 目の前のあのくれりっく?さんだっけ??

 驚くところそこかい。美白意外とサボり気味な気がしたけど嬉しいぞ?



「いやこっちが6本腕なのが驚きというか……」


《さてと……レプリケイターか。

 よく、本来の日本語と違う異言語由来の言葉を違和感なく使えるねぇ?》


「!

 やっぱり、この言葉は由来が違うんですか!?

 明らかに、表音の仕方も、母音の響きも違うってずっと……

 待って、君は一体なんなんでしょうか??

 ぬいぐるみか?いや、ぬいぐるみは喋らない……!」



「ロボットって言ったら分かる?」


「……ろぼ……ロボット!?

 解読しきれてない言語の一つだ……!」


《やっぱりか。

 君ら、『オリジナル・ワン』って言ってる何かに言葉も文化も教えられたな?》


 え、今の短い会話でそんなことを!?


「!?

 は、はい……その通りです……そんな、今の呟きでそこまで……?」


《ま、なんていうか、君らの事は何も知らないけど、

 君らがなんで生まれてかは知ってしまっているんだ。


 私は、ロボットっていう機械でできた、この後ろのアホそうな『人間』をサポートする知性のある機械だよ。


 この後ろのアホそうな『人間』っていうのは、君らは知らない海の向こうで暮らしてる、多分だけど君らに文明を教えた『オリジナル・ワン』とそこそこ関係のある生き物達だよ。

 ク・レリックさんだっけ??》



 長文だけど、分かりやすい説明で、目の前の黒白眼な青白い肌のくなんだっけさんが、3つとも目を見開く。


「まさか……いや、あの地獄の海を渡って来られては認めるしかな───────」



 その時、直ぐ近くの木に何かが当たって弾けた。

 とっさに私も、目の前の火星の隣人のくれりっく?さんも咄嗟にふせる。


「何が!?」


「攻撃だ!!

 赤鋼(あかがね)帝国軍だ!!」


 と、周りの人達も言いながら、ちょっと古めかしい感じもするライフル……となんか不気味な生き物っぽい何かを構えてる!?何アレ!?

 そんな場合じゃないか、後ろもガサガサ音するし!


 カチャリ、と銃を装填した時の音が聞こえる。


 反対側から似ている人達が来た。

 こっちは、逆に青い色の軍服っぽいまぁ露出が同じぐらいなヤツと、そして赤とか黄色とかそんな肌の方々似たような皆さん。



「これはこれは……驚いたものだな、蒼鉄(そうてつ)王国軍ども」



 そんな声の主が一歩前に出る。

 周りの青い制服に似た、けどなんか金色の縁取りとかケープとかなんか金色のロープ見たいな装飾とかそんな……ちょっと豪華な色の制服の赤肌な人!


「指揮官か!?」


 隣でくれりっく?さんがそう相手に問う。



「いかにも!栄えある赤鋼帝国軍大尉のハル・ヴェスタルが私だ!!」



「赤鋼の猛犬か……!」


「有名人?」


「ええ、嫌な意味で。我が軍にとっては」


「!?

 本当に同じ言葉を喋るのか……!?」


 と、そのはるなんとかさん、私の方に近づいてきた。


「貴様が『オリジナル・ワン』か!?」


「多分別人だけど、知り合いにいたりしてね!?」


「なんでもいい……貴様を帝国へ連行させてもらう」


「行かないって言ったら?」



 ズドン!


 ───撃たれた。至近距離で。眉間の下辺り……!



「死骸でも構わんのでな」


「なんてことを!?」



「────あっそう!」



 ───流石に驚くよね。無傷だし。


「何だと!?」


「言ったじゃん、そのおりなんとかと別人だって。


 というか、元人間だけど今は、強化人間(プラスアルファ)だ!」



 冷静と言えばいいのか、焦ってるのかまた装填して撃ってきた。

 分かってりゃ、私はもう見て、背中から高周波ブレード引き抜いて、弾ぐらい切り落とせる。



「!?」



「にしたって、こっちの人と違っていきなり脳天に一発ぶち込むってさぁ、私気に入らないなぁ?


 やっぱアレだよねぇ!?

 助けてくれた上に丁寧にお話しする人の味方した方が気分が良いよねぇ!?!」



 高周波ブレードを、適当にカッコよく構えて、内心怒りMAXなので煽っておく。


 仕方ないよねぇ!?

 殺せなかったとは言え、殺そうとしてんだからさぁ!?



          ***

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