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INTRODUCTION










 人類の火星移住より、数百年の未来。


 本来はテラフォーミングの為に生み出された自立機械達が突然暴走して人類に牙を向き、


 人々は、火星の一角の土地を3つのバリアジェネレータによってエネルギーバリアを展開し、その内部を火星唯一の人類生存圏として生活していた。


 しかし、人類は平和にはならなかった。


 バリア内部の人類生存圏の中ですら、人々は3つの勢力に分かれ、小競り合いを繰り返していた。



 『人類の自由』と『民主主義』を掲げ、それを奪うものを許さないとする人類民主連合共和国、


 通称『ユニオン』。


 人は人だけで生き判断をくだすべきではないと、科学技術の推を集めて作り出した超AIシステム『管理者』による『すべてが予定された世界』を是とする管理プログラム国家、


 通称『オーダー』。



 人類生存圏の拡大の為に、バリア外の自立兵器を駆逐すべく、武力の拡大を望み邪魔する物全てを武力制圧すると(うた)う、帝国主義に超軍事国家、


 通称『インペリアル』。



 目標の違う3つの陣営は、人類生存圏の中の貴重な資源を自らの目標のために奪い合い、

 されど、それが永遠に失われる可能性を持つが故に、小競り合いに収めるべく日々戦い続けていた。


 それゆえに、70年ほど前に生まれた企業複合体「トラスト」は繁栄を始める。

 3つの陣営に兵器と物資を売るトラストは、ついには小競り合いや正規軍には任せられない作戦を請け負う傭兵業を売り出し始めた。

 その傭兵達の中でも、機動兵器『エクシードウォーリア』、略称『eX-W(エクスダブル)を操る女傭兵達、『スワン』の需要は今でも大きく伸びている。


 スワン。

 女傭兵という美しい肩書き、そして最強の兵器を操る存在という輝かしいイメージとは裏腹に、

 報酬次第でどの陣営にも与する『渡鳥(わたりどり)』であると言う意味を秘めた名前を持つ者。


 今日も、彼女達は戦場で命懸けの渡りを行う。

 報酬のための『汚い仕事(ダーティーワーク)』。


 それだけが、スワンにとっての存在価値だった。


 そのはず、だった。


















           ***


『────はい。全くの初めてでありながら、中位ランカースワン向けの任務を見事こなしました。

 アレの可能性もございます。どういたしますか?』




 ……‬……‬




『……‬承知いたしました。

 私も、個人的には消すには惜しい人材です』



 ……‬……‬




『……‬はい。引き続き、彼女の担当としてのサポートと、監視を続けます』




           ***

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