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─────おかしい。
私の生前を考えれば、そんなものを探さないはずがあるのか?
強化人間こそ至高、最強
それを証明するために、自ら強化人間の最強へとなったはずの私が?
イレギュラー
イレギュラーは存在しない
なぜそれを否定するのか?
むしろ、本当にいないか探すはず
もしそれに近い人間がいればデータを回収していた
イレギュラーは存在しない
否定してどうなる?
面白い研究対象だ
最強の強化人間を作るための
イレギュラーは存在しない
そんな否定だけでいいのか?
私こそ最強の強化人間だと自負した私が?
イレギュラーなど存在しない
なら私が成ればいいのではないのか?
イレギュラー存在しない
この声はなんだ?
イレギュラーなど存在しない
────私はないのか?
イレギュラーなど存在しない
黙れ
イレギュラーなど存在しない
黙れ
イレギュラーなど存在しない
黙れ黙れ黙れ黙れ!!
イレギュラーなど存在しない
お前、私じゃないな?誰の声だ?
イレギュラーなど存在しない
そんな訳がない。
だって、私がその─────────
***
「ダメですよ。エラーを大きくしては」
薄暗い部屋で、そっとタイプ13型ウェザーリポーターに装着されたケーブルを抜く。
「今はそんな事を考える時間ではないはずです。
私達のスワンを助けてあげないと。
そのためのリソースを、禁止事項に触れるのに使っちゃダメですよ?
あなたはもう、オリジナルのような『地球の』イレギュラー傭兵ではないんです」
ウェザーリポーターの充電ケーブルを壁のコンセントに差し戻し、充電スリープモードなのを確認してスタスタ戻っていく影。
「おやすみなさい、コトリさん。
また明日」
一体のソレイユモデルのアンドロイドが、静かに充電スペースへ戻っていった。
***