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MISSION 11 : おニューの機体発進!

MISSION 11 : おニューの機体発進!






「……てなわけで、領主様?

 私こと傭兵系美少女な大鳥ホノカちゃんは、可愛い妹のために基地の一部で模擬戦闘を行いたいのでー、

 許可、貰えませんかー?」


「姉共々ご迷惑をおかけしますがお願いします」


「……別に良いけれども、大鳥ホノカの方は自分で言うのね美少女って?」


 えへへ、可愛くってごめんなさいっ⭐︎


 と言うことで、ここ3大勢力の一つ『インペリアル』勢力圏、ハンナヴァルト領の偉い人、

 つまり領主のヴィオラさんに許可をとりにきた私たち姉妹なのでした。




「うおぉぉぉぉ、模擬戦かぁッッ!!!

 (たぎ)るなぁッッ!!俺も見て良いかぁッッ!?!」



 と、近くにいた確か別の領のえらい赤髪の男の人がすぅんごぉい大きな声でそう言う……なんか危険信号網膜表示されてるけど???強化済みの身体で危険信号??



「ちょっとうるさい!!ロート、あなたはもう少し静かに喋りなさいな!」


「おっと!!

 すまんな!確かに女性の前では下品と言うヤツだな!」


 小さくなったけど充分声が大きい。


「そしてお嬢さん方!!

 俺の名はロート・エッケハルト3世!!エッケハルト辺境伯領の領主になってしまった男だ!!

 よろしく頼む!!」


「あ、これはご丁寧に。大鳥ホノカ、傭兵(スワン)ですー」


「同じく、大鳥ルキですー」


 挨拶されたからには、貴族さんでも傭兵でも変わらないのでちゃんと名乗っておいた。


「大鳥ホノカ!?

 そうか!!お前が『大蛇殺しの英雄』!!そして『第一に雇わねばインペリアルが負ける傭兵』と言われた傭兵(スワン)かッ!!」


「え、なにそれ初耳」


 そんなあだ名だったの?私が??


「……ついでに良い女だな!!

 それと感謝だ!!いてぇ!!」


「拝むな、男め」


 ついでに手を合わせて拝まれた……多分新しいこの肌色多めなパイロットスーツのせいかな……

 なおヴィオラさんに綺麗な踵落としを喰らっていた男の人であった。


「はっはっは!!!しかし、そんな有名さも知らずと言うわけか!!!

 豪快だな!!気に入った!!!」


 バンバン容赦なく肩叩いてくるぅ〜!


「ロート!一応は我が領の決定だから口を挟まないようにしなさい!

 ……まぁ許可はしますけど、一つ伺っても?」


 ようやく助け舟を出された……おっと、何か質問が?


「なんすか?」


「使用するeX-Wが、4機なのはミスかしら?」


「あ、いや3つは私が」


「……はい?

 待って、本当に全くアセンが全て違うのだけれど???」


「じゃないと、妹ちゃんの練習にならないんですよー」


 一瞬、すごい目で提出した書類を見るヴィオラさん。

 その後ろに近づいて覗き込んだロートさんって言う声のでかいお兄さんも、「!?!?!?!?!」なんて無言なのにうるさい反応をしていたのだった。



「……おねーちゃん、アンタ、頼んだ私が言うのもなんだけど異常ね」


「そうなの?

 ……そうかも?」



          ***


 まぁ、そんなことあって、


 準備して一時間後、いよいよ我が妹のルキちゃんの新機体がやってきたのであった!


「チューニングを人手不足の強い味方なソレイユモデルのロボちゃん達に任せてこっちをやってみたっすけど……


 まさか、全身『照月』まで弄る事になるとは思わなかったっすよ〜!!控えめに言って地獄!!!


《お疲れ様。全身『照月』だしね、そりゃね》


「これって、そんなに嫌な機体なの?」




 目の前に立つ中量二脚型らしき機体。


 まるで全身にジェットエンジンやらブースターを散りばめた、額から後ろにVの字に伸びる翼が無駄にかっこいいフレームだった。


 コアは、先日から使っていて、今はチューニング作業中のグレートアークと同じ、アヤナミマテリアル性の秋月7型、だっけか?



「『照月1型』は整備士泣かせの補助ブースター地獄なんすよね……

 『照月1型整備するなら、休暇前だけはやめておけ』って言われるぐらいのやつっす」


《おやおや、人間はやはりだらしがないのですね。

 整備のオートメーション化を進めるべきなのです》


「アヤナミちゃん社長、アンタには悪いけどオイラの身体レベルで機械化はしてるんすよ。

 した上で、最後まで残った人間の作業は、膨大だし手が抜けねぇんす。

 結局ミスはするかもしれねぇけど、人が関わらなきゃもっとデカいミスが出てくるもんなんすよ、整備はね?」


 いつの間にか隣にいたアヤナミちゃんの立体映像にマジな口調で語りかけるユナさんは、早速この新機体用の武装を、マッコイ商店大型輸送機の整備用クレーンというか、でっかいアームで運んでくる。



「はぁ、まぁフレームに関しては補助金も貰えましたし、

 案外ホノカさん並みにお在庫様なパーツを買っていただいて良かったですわ〜♪」


「まさかそんな在庫を持ってくるとは思わなかったけど、安心したわ」


「ルキちゃーん!お在庫って何買ったの?」


 と、マッコイさんにパーツ代精算し終えたルキちゃんは、質問の答えが割りにクールに動いているアームの先を指差す。



 ……一目見て、『翼』って分かる物だった。

 薄い板みたいなのが2つ、左右対称な形に2つで翼が全部で4つ、ブースターみたいなもんでから生えて折りたたまっている。



「何これ?マジで見た事ないパーツだ」


《これはねぇ、レイシュトローム社製『LU-01 フレースヴェルグ』。

 別名『リフター』。ちょっとエネルギー消費が死ぬほど激しいけど、フロート脚使う以外で空を自由に飛ぶパーツさ》


 と、私の言葉に答えたのは、気がつけばルキちゃんの背中にコアラみたいによじ登っていた、タイプ01のウェザーリポーターちゃんだった。


「あれ!?買ったのルキちゃん!?」


「そ。チビソラちゃんよ。前から気になってたしね」


《やほー、チビソラちゃんだよ!

 そっちのコトリちゃんさん並みに安直な名前だよ!》


「へー、よろしくチビソラちゃん〜」


 とりあえず可愛いのは変わらないし突いておくか。ぷにぷに……



「にしても、空中戦するなら逆関節じゃない?」


「逆関節が重いし、積載量で言えば照月は中量二脚型でもトップなの。

 ……アレを積みたかったし、全身照月なら扱えると思って」


 そう言って、右腕にやってきた武器は……うわ、長い……!!


 片手で持つ武器か怪しいぐらい長くて、四角い巨大な二つに分かれた砲口は……レールガン?


「何あのでっかいの……!」


《クッ……大和重工製ですか。少々気になる武器ですね》


 と、ホログラムのアヤナミちゃんがそんなちょっと不服そうな顔見せながら同じぐらい不服そうな電子音声を漏らすのだった。


「元同じ会社だったわね、アヤナミちゃん?

 大和重工製レールキャノン『五式電磁砲長門』。

 火力も装弾数も良いし、狙撃もできる射程。

 欠点は重い事と、並大抵の腕では反動制御に難があるから当てにくいらしいわね。

 そういう意味では照月にしたの」


《悔しいのですが、大和重工製レールガンはどれも良い武器なのですが、そのレールガンという存在の都合上エネルギー武器適正と反動制御が両立した腕が必要になるのです。


 そんな腕は、大和重工製か、我がアヤナミマテリアルの『照月1型』のみなのです》



「反動制御や射撃武器適正で選んだバーンズやリボルバーリバティーフレームだとエネルギー兵器適性が低くって、エネルギー兵器適正で選んだレイシュトロームやAI社製は反動制御が低い。

 かと言ってクソ重いエクレール製もキツいとなるとこの腕か大和重工製っすね」


 なるほど……


 どれかのステータス欠いても、射撃速度に命中精度、後エネルギー消費が上がっちゃうもんなぁ……そうなると火力を活かせないし。



「でも一番気に入っているのは、」


「気に入っているのは?」


「装甲を削りに削って手に入れた『腕部積載量』の高さよ」


 あー。

 みんな納得の理由だ。


「照月フレームは全体的に、中量二脚だけど積載量で言えば重量二脚並み。

 それでいて運動性能やエネルギー消費は軽量二脚級の大変いい性能よ。


 ただし、装甲は軽量二脚と比較しても薄い、もはやフロート級だけど。


 要するに『当たらなければ良い』を実践できれば強いはず」



 てなわけで、その照月フレームにさらに武装が。


 左腕は、確かAI社製のプラズマガトリングガン。

 削りと、近距離用。ただこれ自体も射程が割と長かったな。


 両肩が補助っていうには大きすぎる補助ブースターを避けた位置に取り付けられたのは、見たことないタイプのミサイルポッド。


「左腕はおいておいて、あの肩のは?」


《シンセイスペースインダストリー社製、『海蛇星六式(ALPHARD-06)』。

 

 高速型分裂(マルチ)ミサイル。

 分裂(マルチ)ミサイルの中でもかなり性能がいいよ。


 というか、うちのAI社の『AIPG-03 エルヴス』を置いとくなー!》


 と、元の人の人格通り、詳しい解説ができるウェザーリポーターのチビソラちゃんであった。プンプン怒りながらポテポテ殴ってきたけど。



「……全体的に、遠距離狙撃戦と空中戦ってカスタムかー。

 ルキちゃんこの子のFCSは?」


「バーンズアーマメンツ社製『FQLM-02D』にしておいたわ」


「……真面目にドンパチ撃ち合いするなら一択のFCSじゃんか。

 ミサイルの多重ロック数があんまり多くないヤツだけどいいの?」


「あんまり多数相手って感じではい機体だもの。

 早く目の前の一帯を倒して次って形ね」


「なるほど」


《ジェネレーターは、AI社の最高級ジェネだよ。

 ブースターはメインブースターだけカチューシャクラート製にしたんだ》


《逃げる時は速く、それ以外は滞空性能をということですか。

 他社製品は癪ですが、まぁ良いでしょう。我が社のフレームはそういうこともできるということなのです》


「それで、機体の名前は?」


 そうそう、一応聞いておこう。


「……ちょっとお姉ちゃんオマージュだけど、


 この機体は、『バルチャー・グリフォス』よ」


 おぉ、かっこいい!


《コンドルか》


《コンドルなのです?》


「コンドルまんまなのは、なんかダサいから学名にしたの」


 なるほどな。



「じゃあ、さっさと用意して。

 早速本気で試さないと、鑑賞会で終わっちゃうから!」


「そうだね。

 じゃあ、早速!」




           ***


<ウェザーリポーター:タイプ02>

《メインシステム、テストモード起動》



 ぎゅらららら、と履帯を鳴らして、


「始めようか、ルキちゃん!」


 やってきたのは、ガチガチな重装タンク脚!!



<ルキ>

『初相手がティタニス!?

 お姉ちゃん容赦なさすぎじゃないそれ!?!』



「これに勝てなきゃ、せっかくの良い機体も理論も全部鉄屑なんだよ?」



 というわけで、何気の付き合いの長い私の機体の一機、ガチタンアセンのティタニスで勝負だ!



「行くよ!いつもの四脚と勝手が違うけどちゃんと扱ってね?」


<ルキ>

『…………ギャフンと言わせてやる!!』



 そんなわけで、実機テスト始め!



          ***

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