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MERCENARY GIRLs/EXCEED-WARRIOR  作者: 来賀 玲
Chapter 5

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MISSION 10 : 超高速戦闘やってこそ機動兵器!






 身体が強化済みで良かったと思いながら、傭兵系美少女の私こと大鳥ホノカちゃん、


 まぁ、私情ダラダラかつほぼ騙されて襲ってきている敵の人工的に生み出された戦闘用の人型生命体『シンギュラ・デザインド』の二人を相手にするために、




<イオ>

《メインシステム、パイロットデータの認証開始……

 認証完了。工程省いて、戦闘モード起動します!》



 今私が持っている中で数少ない動かせる機体、ついでにちょっと構成を変えた軽量逆関節機、


 ハーストイーグル、起動だ!


「よしよし、イオちゃんや調子どうだい?」


<イオ>

《コトリちゃんとホノカちゃんのオーダー通りです!

 全身、O.W.S.新型系逆『F202“A-Fragilis“』フレームと!!

 コトリちゃんは物凄く不服そうでしたけど、内装はAI社製で統一した低燃費でビュンビュン系機体です!!》



 今のハーストイーグル、顔も前のカチューシャ性とはまた別なんだけど、ちょっと似ているお顔に、入る時にはうつ伏せで入って自転車乗るより酷い姿勢で入る狭くて小さいコアになってる!


 言われた通りジェネもブースターも、コトリちゃんが泣きながら 《AI社に寝取られたぁぁ……!!》と断末魔あげるぐらい徹底的にAI社製の物にした。



「そしてこの武器ね」


 コトリちゃんの為の妥協案、左腕のO.W.S.製重マシンガン、『05MG “F-kitadaniensis』、

 フクイラプトルとかって名前のこれ、剣みたいにも見える銃身周りの見た目は空力を考えてるそうだよ。


 背中は今日は無し。

 特殊な武器が内蔵できる肩の中には、カチューシャクラート製のHEATロケットを今回は搭載!


 そしてオススメの、右腕。


 ちょっと重いけど、特殊な形状の巨大なプラズマキャノン……プラズマキャノンと言うけど、いつものガチタンアセンで使っているサングリーズルとはちょっと違ってシュッとしている武器、


 コレ、今目の前で戦おうということになったシンギュラちゃんたち絡みの前の任務の後、クオンさんが『追加報酬』で送ってきてくれた新武器である。



 AI社製、『携行型プラズマビームキャノン』、


 『AIPB-XX RAIUN(ライウン)



 ─────コトリちゃんはコレを『禁止武器』とか言っていたし、実はシミュレーターでその理由を私は体感していたすんごい武器、ライウンちゃんなのだ。




「通信を繋いでイオちゃん。

 最後通告ってやつしないと」


<イオ>

《……で、ですよねー……!!》



 正直、ライウンは使いたくない武器……っていうよりは率先して使いたいけど、使っちゃいけない武器なのだ。


 なんでかは、相手の返答次第で、

 今度こそリアルで体感するハメになる。



「聞こえてる?いやなんなら私の頭の中は読んでるんじゃないのかな?」



 迫る、二つのガチガチのタンク脚eX-W、ガチタンに乗るシンギュラ・デザインドちゃん二人に言う。



「もう戦う理由、こっちにはないんだよ。

 お互い威嚇で済めば、報酬のマイナスもない。

 お互い傭兵(スワン)だろ?

 傭兵(スワン)が、金にならない仕事なんてしてどうするの?

 損害が大きい事わざわざして、無駄な戦いに命かけることはないんだ」


 返答は……あいにくこっちは心が読めない!



<ソロネ>

『なんでアンタらが勝つ前提なのよ!!

 私達はシンギュラ・デザインド!!強化した程度の人間なんかより強いの!!強くなきゃダメなの!!!


 アンタのせいで、アンタらのせいで私のこと褒めてくれる博士もいない!!

 だったら、アンタらに勝って、周りに褒めてもらえるぐらい強いって証明したいの!!!』



<キリィ>

『はっはっは!

 ガキじゃのぉ、あの白いのよりずっとクソガキじゃ!』


 と、隣で同じくヘリを呼んでいたキリィちゃんが、機体は変えてないけど、いつもの射突型ブレード(とっつき)じゃない、何やら巨大な槍みたいなのが伸びてる武器を両腕で構えるブラックインパルスの中で笑って言うのであった。

 口が悪いぞ?



<ソロネ>

『まだ9歳だもん!!!』


<キリィ>

『まぁ、それをぶっ潰すつもり満々のワシらの方が2倍クソガキじゃけぇ!

 ワシらお互い大人気がないのぉホノカ?』


「てか私たちもまだ未成年じゃん、キリィちゃんは18だしギリかもだけど?

 あと殺す任務でもないしねぇ……ここで潰しても、一銭も稼げないし」


<アンジェリカ>

『AAちゃんを殺したお前が言うの!?

 ここで殺してやる!!AAちゃんの仇を討つんだ!!』


「───あのさ、自分も一緒に来た仲間も『殺される覚悟』もないで、戦うってのも違うんじゃない?」


 私が言うか?とは思うけど、この子らも私以上に子供だし言っておく。

 ───挑発って言われても仕方ないけど。



<アンジェリカ>

『何を!?』



「良い?この前私はたまたま君ら私より基礎スペ高いシンギュラちゃん達にたまたま殺されずにすんだってだけなんだ。


 恨むのも殺すために追いかけるのも家族を失った君らの権利だけど、

 今の状況ではあの時以上にその憎い私に運が向いちゃってるのは確実なんだ。


 私達のやろうとしてることは分かってるはず。

 こっちの手の内は読めてるんでしょ?


 なら、今タイミング的にさ、

 君らが死ぬ方向に傾いてるんだって、アホの私でも分かるよ?


 なのになんで、特に①のエンブレムの機体の子、




 もっと有利な状況になるまで復讐も待てないなんて、

 死んだあの軽逆の子に申し訳ないと思わないの?




 それとも、今すぐ死んで会いたいとか思ってるわけじゃないでしょうね?」




<アンジェリカ>

『───ッ!』



 そりゃ絶句するでしょうよ、言い過ぎだよ私。

 けど、今のは事実だ。

 紛れもない事実にする自信はある。



<ソロネ>

『アンタ!!それはいくらなんでも言い過ぎよ!!』


<キリィ>

『分かっとらんの、ガキども。

 こちとらお前らなんぞほぼ秒殺できる用意した上で、この場は手打ちにしてやるって言っとるんじゃ!

 怪我したくなかったら、引け!!』



 どれにしろ、コレで『仕掛け』は済んだ。

 どう出る?

 心に従うか、冷静になるかだ!




<アンジェリカ>

『────殺してやる大鳥ホノカァァァァァッ!!!』



 殺意っていう心の籠った①エンブレムの子の主砲が放たれた。



 残念だ……ジェネレーターリミッター解除。


 数十秒間の無限エネルギー状態、私のハーストイーグルも隣のブラックインパルスもジェネレーターのリミッターを解除して、飛び出す。



 秒殺できるっていうのは嘘じゃないんだ。

 機体の相性は、こっちが有利だから。



 強靭無敵の移動要塞のようなタンク脚には、明確な弱点がある。


 牽制替わりにぶっ放したHEATロケット達の乱射を封じる絶大な火力は、タンク機体から正面の円錐状の場所にしか当てられない。


 つまり、真上と背後が弱点だ。


 飛びたした私の腕のマシンガンの仰角……要は上下の攻撃範囲に対して相手の仰角はメタクソ狭い。

 相手に当たるとはいえ豆鉄砲に近いけど、相手の動きは阻害ができる。


 その間に攻撃範囲の外、相手の真上へ。

 ここまで、2秒とかかってない。


 心が読めなくても驚いてるのはわかる。


 多分右側の子は一撃必殺のキャノン系で武器を固めたせいで照準もできてないのも見える。



 読めたって、分かってたって、避けれない反応できない速度で戦えば良い!!

 たとえ相手が予知能力者でも、2秒先の未来で対処できる攻撃なんて少なくないんだから!!




 ───こんな一瞬で、もう私より足の速いフレームと旋回性能を持っているキリィちゃん操るブラックインパルスはとっくに⑦のエンブレム機体の背後をとっている。




 カァオッ!!!


 ボッ!!!



 ほぼ同時に放たれた、私のハーストイーグル右腕のライウンからのプラズマビームと、ブラックインパルスの持っていた『特殊なパイルバンカー』。



 ────タンク脚機かつ重装甲な上半身のはずのフレームの2機は、



 一瞬で大穴が空いた。




 私のプラズマビームキャノン、ライウンは、

 普段使いのサングリーズル以上の火力がある癖に、タンク脚とかで使うべきってぐらい重いサングリーズルより、


 メタクソ軽い上に連射ができる。



 カオカオカァオッ!!



 ①のエンブレムの機体のタンク脚も手脚も、重装甲が嘘のように穴だらけになった。


 チートだろこんな威力!!


 その背後に着地して、後ろで爆発が起こった。

 機体が大破。

 まぁ…………コア辺りは無事なはずだけど。




<ソロネ>

『そんな……一撃で……!?』



 同じく、タンク脚部分が完全に吹き飛んで、コア周り以外無惨な姿の⑦のエンブレムのこの機体の背後で、ブラックインパルスが相手を見下ろしていた。



<キリィ>

成形炸薬弾頭(HEAT)パイルじゃ。こいつぁ金属の多い場所が一番効くけ、タンク相手だと脚の破壊とかがメインで意外と中身が死ぬことが少ないんじゃ。

 良かったのぉ、生き残れてぇ?』



<ソロネ>

『何が良かったって言うのよッ!!

 負けたら意味ないじゃないのッ!!!

 私は……私は優秀で最高のシンギュラ・デザインドになるって!!

 それでみんなから褒められるために戦───』



 ガスン


 ───ほんのちょっと、キリィちゃんはブラックインパルスの腕のHEATパイルでコアを小突いた。


<キリィ>

『今、優しいぃ〜ワシがクソガキにイラ付いてもパイルしなかったお・か・げ、でお前は生きとるんじゃ。


 ほれ、ほれ、まだ負けてこうやって弄ばれとるだけじゃけぇ、喜べ。


 ほらァ、生きてて良かったって思っとけ!

 生き恥なんぞいう言葉は忘れろ!

 生きてりゃ、次はワシの事殺せることもあるかもしれんじゃろ?

 はっはっは!』



 おーい、キリィちゃん悪役すぎるでしょーそれはー。

 パイルで何度もこづくキリィちゃん……9歳児相手にドSすぎない?



<ソロネ>

『……うぅぅぅ……ひぐ、グスッ……』


「泣いちゃったじゃん、辞めなよキリィちゃん」


<キリィ>

『はっ!泣ける元気もありゃあ良いじゃろ!

 ワシなんか昔、泣いたし鼻水流したし漏らしたけぇのぉ』


「……まったくもー」


 気持ちはわかるけどさぁ……私は、ひどい人間なのであんまり漏らしたとかは無かった。やり返す気はあったけど。



<アンジェリカ>

『…………殺してよ……』


 ……え?


 今の……①の子?



<アンジェリカ>

『殺してよ……あなたの言う通りだったよ……

 私は……私なんかもうあなたに勝てないんだ……

 ただ…………AAちゃんの仇を討ちたいだけだったのに……うぅぅ……』



 …………こっちも泣かせちゃったか。



「…………だからさ、言ったでしょ?

 私殺したいなら、もっとタイミングとか考えなよ。

 どのみち、アンタら騙されて私を襲っている上に、その原因取り除いてもまだやる気だから、相手してやっただけなんだよ」


<アンジェリカ>

『……なんで……なんで、逃したら、また襲うって分かってるのに……』




「私はね、好きでなったわけじゃないけど傭兵(スワン)なんだ。


 金にならない戦いはしたくないの。

 傭兵契約の解約金500万cn。

 コレを貯めるまでは、死ねないし無駄な戦いもしない。


 また襲うかも?そもそも、こんな仕事なんてしている以上、そこのおっかないキリィちゃん相手とも戦わなきゃいけない時だってあるんだ。


 ぐだぐだ言ってないで、今日は帰って。

 …………HEATロケット数発とマシンガン数十発の弾薬費以上は使う気無いんだ、今日は」




 そう、これで戦闘は終わりだ。

 …………全くさ、本当は身内の納骨式だって言うのに……お騒がせな話だったよ。




<イオ>

《えっと……作戦目標クリア!

 システム、通常モードへ移行します!

 ……で、良いんですよね?》



「それで良いよ。はぁ……疲れた」



 終わり!誰がなんと言おうと、もう戦闘は終わりだ!!




           ***

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