MISSION 20 :傭兵系美少女、大使館に到着！
<ありす>
『やっぱり脚が追いつかなーい！！
ホノカちゃんしばらく頼んだ！！』
<ルキ>
『というか、全員おねーちゃんほど速くないし！』
<テレサ>
『こっちも重すぎるの背負ってるしさー！
頼んだわ！！』
「頼まれたっ！！」
────傭兵系美少女、大鳥ホノカちゃん！
急造アセンないつもと違う軽量逆関節な、『ハーストイーグル』と共に、ビルを抜けて一番乗り！
<カモメ>
『スキャン結果出ました！
戦闘、既に始まっております！
味方側が劣勢です！』
「見えた！アレか！！」
頼れる私のオペレーターなアンドロイドカモメちゃんのいう通りだ！
4脚が2機、武器腕タンクeX-Wの群れと、なんかあのテレサ社長のに雰囲気似てるデカブツ背負った機体がいる！
<コトリ>
『あいさつ代わりだ！この距離はミサイルで！！』
「OK！」
爆速ロックオン、発射！！
発射した瞬間に無数に分裂したバレーミサイルが、一気にいくつかの敵にふりかけパラパラって感じに当たって弾けた！！
<アンネリーゼ>
『殿下、遅れた援軍が来ました！
まだ生き残っていますよね！？』
あの深い赤の機体はブラッドハントレス！
もう、両腕のいつものライフルショットガン撃ち尽くしてるみたいで、格納してたハンドガンかな？それで応戦中！背中のスラッグもあんま使ってない！！
<エカテリーナ>
『援軍……ありがたい！
すみませんが劣勢です、加勢を頼みますわ！』
アレが要人さんか！？
アンネリーゼさんの機体とはちょっと違う赤色の4脚で、格納できるタイプのちっさいレザブレを使って敵を撃破してる！
満身創痍、見てわかる感じ！！
「任せて！！」
上空から、パルスレーザースラッグで無数の武器腕タンクを穴だらけに……できない！？弾かれた！！
<コトリ>
《アレ脚もコアもエンフィールド、AI社混合フレームの対E防御型だ！！
装甲は厚いけど実弾が通る！！そっちで攻撃して！！》
「なるほど！！」
両腕武器の射程内、って事は相手の武器はとっくに射程内だ！！
武器腕2連装キャノンを掻い潜って、縁を描く動きで避けながらぶっ放す！！
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン！
ドン、ドン、ドン、ドン！
ガトリングとライフル一斉掃射、でも一機沈むのに4秒ぐらい。
弾が減る速度エゲツない。武器腕タンクだからこの程度で済むけど、タンクは硬いな……！
「硬い上に数も多い……！」
散布ミサイル、直後に肩スラッグ。
E武器に強い防御型って言っても、武器腕自体武器でしか無いからパルスレーザーで壊せる。
本体にバレーミサイル拡散した分全部当てて一機落ちる。
でもまだいるし、狙ってくる！
<コトリ>
《高度に気をつけて！
地上じゃ蜂の巣だ、空中を飛んで戦う！！》
「降りたく無いのは確かだな！！」
対空砲火の下から登る雨を、アサルトブーストで避けていく。
ハーストイーグルの、火力が相手の防御に対して足りない気がしてきた……！！
でも、そんな真下の武器腕タンクが一機、穴だらけになって爆ぜる。
<アンネリーゼ>
『あまり休んではいられないわね』
<エカテリーナ>
『そのまま上から援護を！
こちらも、まだ戦えますッ！』
色味の違う赤い4脚が2機、ブラッドハントレスがスラッグで武器腕タンクをぶっ壊し、
え、片方の人の左腕なにそれ？
変な箱みたいなのを振り回したら、塩撒くみたいに撒かれた弾が、ボボボボと着弾した場所から爆発していく！
<コトリ>
《投擲榴弾！
珍しいな、あれ……！》
「たしかに！
でも良い感じだ！」
爆炎の中、出てきた生き残りの武器腕タンク機を斜め上から弾丸の雨を降らせておく。
なんとかなる！
このハーストイーグルなら、真下の敵は射角外から攻撃できる！
そうじゃない相手は、二人に任せて当たらないように！
ちょっと、慣れない機体なハーストイーグルだけど、これなら……！
<？？？>
『やはり、お前が来ると劣勢か……大鳥ホノカ』
と、突然の広域無線が入ってくる。
「誰さん、急に！？」
<？？？>→<東出ミル>
『お前に取っては初めてだろう。私は東出ミル。
かつて、お前が壊滅させた『機甲紳士同盟』の中に父を持つ者』
…………きこうしんしどうめい？？
誰？？？壊滅？？？
<コトリ>
《大昔、アルゲンタヴィスとティタニスで壊滅させた戦車乗りのテロ屋だよ》
「そんなのいたっけ？」
<東出ミル>
『ああ。『そんなの』……がいたのさ。
今回も、私は『そんなの』として去ろう。
ただし、お前の仲間の足止めをさせてもらう』
「！？」
急に、あの武器腕タンク達が180度Uターン。
尻尾を巻いて逃げるってやつ？なわけないか……
<東出ミル>
『父の仇のお前を殺してやるには、私は弱すぎる。
だからこそ─────サブリーナ嬢、ここは任せた』
<サブリーナ>
『────よぉおうやく、ぶち殺せますのねェェェェェェッ！！！』
直後、ゲヒャヒャヒャ笑いと、ギュラギュラいうすごい音が私に向かって跳躍してきた！！
回避……失敗！！
今日何度目だ、武器破損！！
ライフルとガトリング、両方電鋸みたいな武器にぶった斬られた！？
「高いんだぞコレ！？」
<サブリーナ>
『あぁん！？！無駄な防御してんじゃ、ねぇですわよこのダボがぁッ！？！』
向こうもガトリングマシンガンを向けてきた！？
アサルトブースト。
回避じゃない……飛び蹴りだッ！！！
ガキャァァンッ！！！
<サブリーナ>
『んガッ！？？！』
向こうが重いせいか、反作用で私が大きく吹っ飛ぶ。
<コトリ>
《武装パージ！！すぐ切りかえて！！》
言われなくても使えなくなった武器を離して……
って、ヤバいじゃん、これ……！
<サブリーナ>
『〜〜〜ッ、ガァァァァァッ！！！
舌ァッ！！舌を噛んじまいやがりましたわァァァァァァァァッ！？！
それだけじゃねェェェェェェェェェェェッ！？！
お顔…………ワタクシの可愛いお顔をヲぉぉぉおぉぉぉぉぉぉッッ！？！
お顔を思いっきりぶつけちまったですわァァァァァァァァッッ！？！？！』
何やらお怒りの声、器用に機体が腕部を動かして顔を覆うような動作をしてる。
ヤバいじゃん……怒らせた。
いや、怒らせたのなんて言うのはヤバいの範囲が少し上がっただけ。
「…………実体ブレード、一回もシミュでも使ったことないんですけど……！！！」
両腕とも、完全になんの変哲もないらしい実体ブレードだけ。
背中のパルスレーザースラッグがまだあるって言っても、
ミサイルがあるって言っても……！
よりにもよって、ブレード……！
レーザー系列のブレードでも、重くて足の遅い相手にしか……！
それも自分の金で買ったシミュレーターの中でしか満足に当てられてない……！！
<サブリーナ>
『アァァァァァァ…………ふぅー、なんだかもう、キレ過ぎて落ち着いてきやがりますわぁ……マジでブッ殺さないといけないなんてことになりやがるとは……
…………ドリるしかないですわね』
ん？ドリる……？何を……？
私の目の前で、突然相手は両腕の武装を投げ捨てた。
<アンネリーゼ>
『……！？
まずい、全員散開して距離を！！
NGウェポンが起動する！！』
NGウェポン！？
なんか聞いたことある……やばいやつだ！！
<サブリーナ>
『…………ドリる……ドリるドリるドリるドリるドリるドリドリドリドリドリドリィィィィ……！！』
背中のなんかデッカいやつが変形して、片方は左腕に噛み付くみたいにくっついて、ケーブルが赤く光る。
右腕には、デッカいドリルが装着されて、ギュラギュラ周りながら赤い色に変わって炎を巻き上げてる……！！
見てわかった。理屈とかじゃない。
あれ当たったら死ぬやつだ！！。
<サブリーナ>
『ドォォォォォォォ─────』
右腕のドリルを振りかぶったのが見えた瞬間、私は咄嗟にハーストイーグルをジャンプさせようとした。
けど、間に合わなかった。
<サブリーナ>
『───リィィィィィィィィィィァアアアアアアアアアアァァァァァッハッハッハッハァ─ッ！！！！』
ギュラァァァァァッッッッ！！！！！！！
横から来た衝撃、アサルトブーストのように真横に吹き飛ばされるハーストイーグル。
そして、私の視界には、
真横の私に機体をぶつけた、血の色の様な4脚が赤いドリルで解体される姿が見えた。
「……あ、」
アンネリーゼ、さん……！？
なんで……！？！
<サブリーナ>
『アァ──────ッッハッッハッハッハッハァ─────ッッ！！！』
ギュラァァァァァァァァァァッッッッ！！！！
＊＊＊
