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Twitterを投稿しただけなのに

作者: 氷山一角

ショートショート

月曜日の朝、重い足取りで忠彦は、会社に向かった。デスクに座り、パソコンを起動する。

心なしかスイッチに触れた手がいつもよりぎこちなかった。

向かいの机から声が挨拶する声が聴こえた

「今日はいつになく元気がないな」

忠彦は藤澤の声が自身に向けられたと気づくも

思うように声が出せない。


「おい、どうした?」

叫び声を上げたのだろうか藤澤が覗き込む。

「おい……え?」


藤澤は絶句する。

忠彦のデスクに手がめり込んでいたのを確認したからだ。

月曜日の朝は労働の開始を告げるチャイムであって、

超常現象の初体験を予感させる日ではないだろう。

同僚の手にかかる重力が異様に集中している様子がありありとわかる。めきめきと音を立てて机を貫通した。


その後のことは何も覚えていない。

思い出せることといえば占い師の奇妙な発言だ。

「お客さん、近いうちに知人に災いがおよびますぜ。」

不審に思っていたが忘れていたのだ。


占い師のいでたちはあまりに見窄らしかった。黒いフードをすっぽりかぶり、蒼白な顔が逆光により浮かび上がってみえた。鼻と目元のあたりをぼんやりと眺めていると、不意に占い師が身を乗り出し、耳元である言葉を囁かれた。

フラッシュバックが終わり藤澤は我にかえる。

「そうか。これがわたしのツイートを無断転載した呪いか」

ナンセンス文学のショートショート

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