第1話
リセットボタン押しますか?
ついに40才になった、いわゆる魔法使いを超えた仙人の俺は疲れていた。このままじゃダメと思いつつ時間だけが過ぎていく。
定職にもつけずいきあたりばったりの派遣生活、働いてる職場が移転とやらで解雇、ラッキーだ失業保険で夏休み、有給休暇を上手く使えなかったのが心残りだ。
「もしもし、有給は解雇の日から消化できますよね」
「うちは、労〇で有給消化は認めてないんですよね」
「だったら有給もう使えないんですか?」
「でも、うちで次も働いてくれたら継続できますし~クスクス、あっこのお仕事はどうですか?少し重たい物運びますけど時給はいいですよ」
「あっ少し腰のキレがないのでまたお願いします」
くっあの女やるな!失業保険もらっって次働くとこでは絶対に全有給使うんだ~
夜、腹が減って、スーパー激安に弁当を買いにいく、時間は19時58分、そうこのスーパーは20時に半額になる、周りにはライバルが10人、するどい目つきでお互いをけん制しあってる あっフライングして弁当をキープしているおっさんがいた!と思ったら鏡に写った俺 (金井 直 40才)がそこにいた。
ちょっと涙が出た。
目的のから揚げ弁当をゲットした帰り道、ゴミ捨て場でボロボロのファミ〇ンを発見した。
俺はきっと疲れていたんだ、何故か家に持ち帰った。
一人ぐらしの1Kのマンションに戻ると昨日ガラケから替えたスマホに弟(金井 楽)から電話だ、ちなみに楽は市役所で保険関係で働いている。
「もしもし兄ちゃん来週のばあちゃんの初盆忘れてないよな」
「はいはい、わかってんよ」
「そういや俺来週から主任になんだよな、昇任祝い期待してないかんな」
「はいはい、わっわっ分かってんよ」
なんか、イライラして拾ったファミ〇ンにテレビにつなげて、タイトルが剥げたソフトを入れて電源を入れてみた。
『兄ちゃんの仕事は今どんな感じなの?』
「明日から、わわわ、わかってねぇよ!」
テレビの画面にはレインボーの嵐でざーざーだ、リセットだリセットだ、(あーあファミ〇ンみたいに人生リセットできないかなぁー)そう俺はリセットボタンを押したんだ。
世界は変わっていく俺の視界から全てが失われ意識を落とす。
目が覚めた場所は白い部屋にソファーが二つ、一つのソファーには俺と楽の兄弟が座っている、向かいのソファーには白いまつ毛にふかふかの白髭に赤いぬくぬくの服、まんまサン〇さんだ。
そしてテレビとファミコンがソファーの間に存在するがまだレインボーだ。
「おい、そなたがドーテーだからスタートすらできないじゃんドーテーレインボーだ」
「楽~言われてんぞ」
「いやいや、て言うか兄ちゃんそうなの。それもだけど何なのこの状況さっき電話してたよね」
「フォフォフォ、いわゆる異世界転移じゃでもドーテーレインボーフォフォフォ」
「ドーテーちゃうわ(ファミ〇ンのソフトを抜き取りフーフーする)これでファイナルアンサー」
レインボーに黄金と銀色が足された。
「無理するでない、もしドーテー認めたらチートガチャ二回ずつ」
俺は悩んだ、男としてプライドはどうなる、ふと頭に浮かんだのは鏡に写った半額弁当を持った自分。
また涙が出た。
「プライドじゃ生きていけん、ドーテーやわいはドーテーや」
「兄ちゃん、某プロゴルファーみたいに言わなくても。」
「フォフォフォ」
「チートよこせや」号泣状態の俺
「ではガチャガチャじゃ一人二回」
「じゃ楽さきにしていいぞ」
「もう流れは止められないね、なるようになるセイヤーもういっちょセイヤー」ガランガランと銀のカプセルと金のカプセルが転がってくる。
「ほほーちなみにあんま色関係ないからのう」
「ないんかい!」
「では本命が参るいざ出陣!!ガチャガチャガもう一丁ガチャガチャ」出てきたのは何とクジ引き形式書かれてる文字は無職とドーテー
「ざけんなぁ」
「ふぉふぉふぉ 何が出ても向こうの世界にいかないとわからんから気にせんで良い、ただの遊びじゃステータスを頭に浮かべたらででくるぞい」
「あの異世界?でやらないといけない事とかあるんですか?」
「ふぉふぉふぉ とにかく楽しむと良い、教会で祈るとわしと連絡とれるかものぉ」
「ふぉふぉふぉ煩いわ~タプタプタプ」俺はじいさんのあごをタプタプ連打。
「兄ちゃんなにやってんの」
「アガガ、この罰アタアタあたちめが、わしの名は天、楽しめよこのガイア世界を」
ファミ〇ンのソフトを入れ替えて電源をオン!
「ソフト違ったのかよー」
「ソフト違うんかい」
俺たち直と楽の冒険が今幕を開けた。